「信頼の再構築へ」

人々、社会、企業は、変化する世界の現実に直面しています。終わりの見えない衝撃の連続に加え、中東での悲劇的な暴力を含み、地政学から気候変動、人工知能に至るまで、深刻な構造的な変化が進行しています。このような不確実性の高さと、それに伴う高いリスクを考えると、課題の分析から着実な解決へと進むことは必至です。信頼が損なわれつつある中、長期的なビジョンは抽象的過ぎるかもしれません。一方、現在の衝撃への対応に焦点を当てるだけでは、目の前の変革に対して誰もが脆弱なままとなってしまうでしょう。必要なのは、新しくかつ向上した対話のプラットフォームや、強固なパートナーシップ、柔軟な政策枠組み、そして実用的かつ実行可能な利益をもたらすテクノロジーの効果的な展開です。これにより、短期的・戦略的視野において、社会にとって実用的かつ実施可能な利益が生まれるでしょう。

テーマ

こうした背景を踏まえ、協調的主体性を浸透させるためには、未来へ向け、また社会内および国家間において、信頼を回復することが不可欠です。第54回世界経済フォーラム年次総会は、「信頼の再構築へ」をテーマに、透明性、一貫性、責任といった、信頼の基盤となる基本原則に焦点を当てた重要な場を提供します。

手段

こうした目標を達成するため、2024年年次総会の構成は、その進化の過程で培われた中核的な役割と機能に焦点を当てます。具体的には以下のとおりです。

国家間および社会のあらゆるステークホルダー間の公正かつ建設的な対話の場を提供。政府、ビジネス、市民社会のリーダーを集め、重要なグローバル課題の解決策を模索します。また、さまざまな変化により複雑さを増す環境において、点と点を結ぶ役割を担います。また科学、産業、社会の最新の進捗を紹介することで、先見のアイデアを提供します。

ステークホルダー

年次総会2024は、世界各国から100を超える政府、すべての主要国際機関、世界経済フォーラムの1,000のパートナー企業、さらに市民社会のリーダー、第一線の専門家、若手世代、社会起業家、メディアを迎えます。

プログラム

プログラムは、相互に関連する4つのテーマ別の最優先課題にわたり、未来を推進する重要な問題に直接関連する、十分に構成され準備された各分野から構成されます。詳細はこちら。

1. 分断された世界における安全保障と協力の実現

現在の中東情勢における安全保障上の危機に効果的に対応すると同時に、分断の構造的な要因に対処する手段を確立するためにはどうすれば良いでしょうか。また、すべてのステークホルダーにとって「ウイン・ウイン」のシナリオを確保するために不可欠な領域を、どのように特定できるでしょうか。 世界経済フォーラムが長期的かつ体系的に取り組んできた、政府、国際機関、およびすべての地域の専門家との協力に基づき、議論します 。

2. 新しい時代の成長と仕事の創出

政府、ビジネス、そして市民社会は、低成長の10年を避け、人々をより繁栄した軌道の中心に置くために新しい経済の枠組みを取り巻いてどのように協力できるでしょうか？従来の手法が見かけ上失敗する状況で、どのようにトレードオフを最小限に抑え、シナジーを最大化できるでしょうか？ 国際的な経済機関や一流の学者とのパートナーシップによってサポートされ、またフォーラムが競争力、イノベーション、および人的資本に関する取り組みを通じています。

3. 経済と社会をけん引するAI

AIを総合的な一般的技術として認識し、世界的に開発が進められているAIに関する多くの政府主導のイニシアチブを理解した上で、AIが（企業や複数の企業による活用例やその他の好事例を通じ）ビジネスモデルにどのような影響を与えるか、また産業や社会のリスクに特に焦点を当てることで、これらの取り組みをどのように補完することができるか。また、そのようなリスクを抑制するために必要な枠組みの構築はどのように進めていくべきでしょうか。

AIが、5/6G、量子、バイオテクノロジーなど、他の変革的テクノロジーとどのように連携しているかを検証します。

世界経済フォーラムの20におよぶ第四次産業革命センターは、AIガバナンス・アライアンスに基づき、主要な政府と企業を連携しています。

4. 気候、自然、エネルギーの長期戦略

気候変動が深刻化する中、エネルギー、食糧、水への安価で安全かつ包括的なアクセスを提供しつつ、2050年までにカーボンニュートラルとネイチャー・ポジティブの目標を達成するための長期的な体系的アプローチ（相互の関連性とギャップの両面）をどのように展開できるのでしょうか。また、これらのバランスをどのようにとるべきでしょうか。

多岐にわたる目的主導の世界経済フォーラムのイニシアチブには、CEO クライメート・リーダーズ（CEO Climate Leaders）やファーストムーバーズ・コアリション（First Movers Coalition）が含まれます。

さらに、この複雑で絶え間なく変化する状況において、どのようなリーダーシップが求められるかという問いは、あらゆる業務や進行中の手続きにおいて重要な焦点となります。