世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
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2021年7月13日、スイス・ジュネーブ - 世界経済フォーラムが発表した報告書「Governing Smart Cities(スマートシティのガバナンス)」は、36のパイオニア都市を対象に調査。スマートシティのテクノロジーを倫理的かつ責任を持って利用するためのベンチマークを提供しています。報告書の著者は、都市のリーダーがギャップを特定、また長期的な利益を担保し、テクノロジーの進歩に対応することを目指しています。
同報告書によると、あらゆる規模、地域、開発レベルの都市が、サイバーセキュリティの責任者を指定していない、また新たなテクノロジーシステムを調達する際にプライバシーリスクを評価していないなど、深刻なガバナンスギャップを抱えています。一方で、リーダーは今すぐ行動することで、これらのギャップを解消し、長期的な利益を担保するとができるとしています。
デロイトとのパートナーシップにより執筆されたこの同報告書は、2019年にG20の閣僚が行動を呼びかけた結果、G20グローバル・スマートシティ・アライアンスが設立されたことを受けたものです。アライアンスとそのパートナーは、20万以上の都市、地方自治体、大手企業、スタートアップ企業、研究機関、市民社会のコミュニティを代表しています。このアライアンスは、都市がスマートシティのテクノロジーに関する知識や専門性、ガバナンスを強化するためのプラットフォームとして機能しています。また、世界経済フォーラムはその事務局を務めています。
調査対象となった36のパイオニアシティは、6大陸22カ国にまたがっており、対象人口は7万人から1,500万人以上。2021年1月から3月にかけて、政策専門家や政府関係者にインタビューを行い、G20アライアンスが昨年定めた5つの重要政策の実施状況を評価しました。
主な調査結果
「都市は、都市サービスや都市生活を自動化し、改善するために、新たなテクノロジーに多額の投資を続けています。しかし、今回の調査結果は、これらの技術を効果的に監督・管理することに関して、ほとんどの都市が後れを取っているという懸念を裏付けるものでした」と、世界経済フォーラムのIoTとアーバン・トランスフォーメーション部門長のジェフ・メリットは述べています。「G20グローバル・スマートシティ・アライアンスは、このギャップを解消するために、世界中の都市と協力して、今夏、都市関係者と15以上の政策ワークショップを開催します」。
「都市は、様々な機会を通じてより強靭で持続可能になっていきます。テクノロジーはその可能性を高めるものですが、その可能性を最大限に発揮するには、都市のガバナンス、オペレーション、資金調達のモデルを見直す必要があります。ここに、都市が直面する最大の課題があります」と、デロイト・グローバルのグローバル・スマートシティ・リーダーであるミゲル・エイラス・アントゥネスは述べます。「デロイトはフォーラムと協力してこの取り組みを実施したことを誇りに思います。この課題の複雑性を認識し、私たちが生きているこの瞬間をいかに重要な機会とするかに着目していくことが、私たち全員にとっての基本となります。今こそ、都市の大変革の時です。サステナビリティ、インクルージョン、テクノロジーというレンズを通して都市の課題に取り組むことが、スマートテクノロジーのガバナンスで都市を導き、ロードマップを開発及び実行する上で重要であり、インパクトの最大化を可能にするものです」。
アクションを起こす
同報告書は、これらのガバナンスのギャップが重大なリスクとなって住民に影響を与える前に、都市のリーダーや職員が行動を起こす必要があると結論づけています。また、報告書の著者は、国の政策立案者、市民社会、ビジネスコミュニティが、これらの課題を克服するために地方自治体を支援することを呼びかけています。また、G20グローバル・スマートシティ・アライアンスは、本報告書で明らかになったガバナンス・ギャップを解消するための支援を都市に課しています。政策上のギャップを特定し、それに対処するための支援を求める都市は、アライアンスのウェブサイトで詳細を得ることができます。
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<参考>
G20 グローバル・スマートシティ・アライアンス
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