飢餓と貧困の撲滅が、世界の最優先課題
世界の大半の人の望みは、飢餓や貧困をなくし、健康を改善すること Image: REUTERS/Eduardo Munoz
- 飢餓や貧困をなくし、健康を改善すること。これこそが、世界の多くの人の望みです。
- 最新の調査によると、世界の人々の半数以上がこれらを最優先課題として取り組むべきであると答えています。
- しかし、政府の対策が不十分であると多くの人々は懸念しています。
私たちの住む世界で3つのことを変えられるとしたら、何を変えるでしょうか。 世界的な調査によって出された答えは、飢餓と貧困をなくし、地球上のすべての人々の健康を改善することでした。
世界経済フォーラムとイプソス社は、国連の17の持続可能な開発目標(SDGs)のうち、最も重要だと思うものについて28カ国の2万人の人々に調査を行いました。その結果、優先順位が高い上位3つについては、ほぼ全員の意見が一致したのです。
28か国中20カ国で「飢餓をゼロに」がトップになり、次いで「貧困の撲滅」が4か国で1位、19か国で3位に入りました。3番目は「健康と福祉」で、これは4か国で1位、他の12か国で3位でした。
この結果は、2015年にSDGsを選択した世界のリーダーたちと世界の人々との意見がほぼ一致していたことを示しています。リーダーたちが選んだ順位は、1位が「貧困の撲滅」、2位が「飢餓をゼロに」、3位が「健康と福祉」でした。
世界経済フォーラムと共同で実施したこの世論調査では、さらに次の3つの優先事項の順位を尋ねました。上位に選ばれたのは「安全な水とトイレを世界中に」、「ディーセントワークと経済成長」、「質の高い教育」でした。
国を問わず、上位3位内に入ったその他の目標は次の5つ、「気候変動に具体的な対策を」(英国)、「海の豊かさを守ろう」(ドイツ)、「平和と公正をすべての人に」(韓国)、「人や国の不平等をなくそう」(ベルギー)、「ジェンダー平等を実現しよう」(インド)、すべて3位という結果でした。
行動がまだ不十分
今回の調査では、2030年の目標が設定されたにもかかわらず、実現に向けた各国政府の努力が不十分であると多くの人が感じていることが分かりました。SDGs達成のための責任を政府が十分に果たしていないと調査対象者の半数以上(53%)が回答しています。
その割合が最も多かったのはハンガリーで71%、続いて、コロンビア(69%)、南アフリカ(69%)、ブラジル(67%)でした。カナダ、チリ、コロンビア、ハンガリー、イタリア、トルコ、英国では、半数以上の人が企業も十分に行動を起こしていないと回答しました。
すべての人が企業に批判的というわけではありません。全体で見ると、世界で半数以上の人が企業は目標達成に向けて本来果たすべき以上、あるいは適切なレベルで尽力していると考えており、53%の人が、自国の大多数の人が目標達成のために努力していると考えていることが分かりました。
2019年に発行された世界経済フォーラムの報告書「公共投資から民間の資金調達へ:各国の成功に向けてSDGsの資金調達法を変革する」は、SDGs達成に必要な投資額が世界全体で2.5兆ドル不足していることを明らかにしました。
これを受け、世界経済フォーラムは、グローバル化が進まず負債が増加するアフターコロナの世界で、国家、資金提供者、国際機関、開発銀行、商業金融、デジタルイノベーター間の「点と点をつなぎ直す」ことを目的に、SDGs投資に関するグローバル・フューチャー・カウンシルを設立しました。
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