ジェンダー平等達成に最も近い10か国
ジェンダーパリティ(ジェンダー公正)を体現する輝かしい国であることを、再び証明したアイスランド Image: REUTERS/Lucas Jackson
- アイスランドは、ジェンダー・ギャップ指数トップの地位を11年連続で獲得しました。2位以下は順に、同じく北欧のノルウェー、フィンランド、スウェーデン。
- 最新のデータでは、グローバル・ジェンダー・ギャップ(世界男女格差)はわずかに改善し、68.6%となりました。それでも、現在の進捗度であれば、ジェンダー平等達成までに必要な期間は依然としてほぼ100年後と見込まれます。
- アメリカ合衆国は順位を2位落として53位。中国は3位落として106位に。
世界経済フォーラムが発表した最新のジェンダー・ギャップ指数では、アイスランドが再びトップの地位を獲得しました。
人口わずか36万人超の北欧の国アイスランド。ジェンダー平等達成までに要する年数に基づき、世界の国々を評価する指標であるジェンダー・ギャップ指数で、アイスランドは11年連続してトップの座を獲得しました。
アイスランドは、ジェンダー・ギャップのほぼ88%を解消し、第2位のノルウェーを大きくリードしました。
100年先
最新データでは、全般に良い方向へ推移していることが示されました。
「健康」、「教育」、「労働」、「政治」の4大項目または小項目から測定されるグローバル・ジェンダー・ギャップは、わずかに改善し、68.6%となりました。ジェンダー・ギャップ解消までの平均値は、昨年の32%に対し、2019年は31.4%に改善されました。
それでも、ジェンダー平等までには依然として気が遠くなるほどの長時間を要します。現在の進捗度であれば、完全なジェンダーパリティ(ジェンダー公正)達成までには、あと99.5年が必要です。
好成績をマークした国々
過去12か月、大半の国がジェンダー公正に向け大きく前進しました。他国より迅速に前進した国もあり、指標の上位10%を占める16か国は、対前年度比で3.3%以上ジェンダー・ギャップを縮めました。
2006年の調査開始以来、ほぼ毎年、北欧諸国が上位を独占しており、2020年度も例外ではありません。第2位のノルウェーに続くのは、フィンランドとスウェーデンです。
5位はニカラグアで、6位以降は、ニュージーランド、アイルランド、スペイン、ルワンダ、ドイツが後に続きます。
そして、最も改善された国は、アルバニア、エチオピア、マリ、メキシコ、スペインです。
2019年、アメリカ合衆国は2位順位を落とし53位に。また、世界第2の経済国である中国は3位落とし106位という結果になりました。
地域別で見ると、ジェンダー・ギャップ解消が最も進んだのは西ヨーロッパで、次いで進捗度順に、北米、中南米、カリブ海沿岸諸国、東ヨーロッパおよび中央アジア、サブサハラ・アフリカ地域、南アジア、そして中東・北アフリカでした。
政治面での前進
女性が一度も政府首脳を務めたことがない国は、最新の指標調査の対象である135か国中85か国でした。おそらく偶然ではありませんが、ジェンダー平等の進んだトップ10位国のうち5か国は、女性が政府首脳を務めています。
今年、全般的にジェンダー・ギャップが縮小した主な要因は、政治面での進捗によって全世界の女性議員数が増えた結果です。それでも、小項目「政治参画」でのジェンダー・ギャップ解消率は24.7%にとどまりました。
「学歴」や、「健康と生存率」では、ギャップ解消率の上昇はわずかで、両分野のジェンダー公正率はほぼ達成され、それぞれ96.1%、95.7%となりました。
しかし、「経済的な参画と機会」の小項目では、ジェンダー・ギャップがやや広がっており、解消までに要する時間は、2018年の202年から、2019年は257年に延びました。
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