世界経済フォーラム コミュニケーションズ・リード 栃林直子Tel.: +81-(0)80 4885 9101 Naoko.Tochibayashi@weforum.org
2023年11月8日、米国、ニューヨーク - 都市サービスを向上させ、住民とビジターの生活の質を高めるために、都市はどのように新しいテクノロジーを導入し、データを安全に共有できるか。世界経済フォーラムは、この課題に焦点を合わせた白書と2つの新しいモデル政策を発表しました。
デロイトとのパートナーシップによる「スマートシティのガバナンス: アーバン・トランスフォーメーションのユースケース」には、メキシコ市(メキシコ)、つくば市(日本)、イスタンブール(トルコ)の各地で責任ある倫理的なテクノロジーを導入した試験的ガバナンスと政策プログラムが紹介されています。
2019年以来、G20 グローバル・シティ・アライアンスは、急速なペースで出現する新テクノロジーを自治体が管理できるよう、官民のリーダーたちを招集してモデル政策を策定し、デジタルツールやラテンアメリカとアジアの都市の地域ネットワークを通じて、政策の実施を支援しています。
世界経済フォーラムのアーバン・トランスフォーメーション部門長、ジェフ・メリットは「モデル政策は、都市が世界のベストプラクティスを理解し、効果的なテクノロジー・ガバナンスのロードマップ確立に重要な最初のステップです。ただし、こうした計画を実現し、現地の状況に適応するためには、専門知識や同業者のネットワークへのアクセスが不可欠です」と述べています。
メキシコでは、同アライアンスの地域ネットワークの貢献によって同市のオープンデータポリシーが強化され、NGO、起業家、市民が、特に犯罪を減らすための都市データセットに基づくイノベーションが実現可能に。同市の安全性を向上させる包括的計画と合わせてデータの利便性が向上したことで、同市では凶悪犯罪が60%減少し、2018年と比較して7%多い42%超の住民が「自分の街がより安全で住みやすい」と考えるようになりました。
トルコでは、マイクロソフトとG3ICTとの官民連携により、イスタンブール市政府がアクセシブル・テクノロジーに関するモデル政策を実施できるようになりました。これにより、2019年には80万人であったユニバーサル・デザインのサービス提供先が、2024年には250万人に増加すると期待されています。
日本では、同アライアンスがつくば市当局と協力し、個人のプライバシー影響評価方針を自治体の状況に適応させ、潜在的なプライバシー侵害や格差が発生する前にそれらの影響を軽減すべくサポートしてきました。
デロイト トーマツ グループ パートナーの北川史和氏は、「私たちが地域ネットワークを通じて行っている活動こそがアクションを起こしています。国際的なベストプラクティスを、スマートシティをよりデータ主導型、人間中心型、未来対応型にするための地域特有の政策に変える手助けをしているのです」と述べています。
2つの新しい政策モデル
さらに、GSCAは2つの新しいモデル政策を開発し、バルセロナで開催されたスマートシティ エキスポ ワールド コングレスで発表しました。
全ライフ・カーボン・アセスメントに関するモデル政策は、インフォシスとC40 Citiesとのパートナーシップにより開発されたものであり、各自治体で、建造環境における大規模な開発に対して全ライフサイクル評価を義務付ける法律を立案する際に役立ちます。主要な二酸化炭素排出要因の特定に役立つだけでなく、プロジェクト完了後にも長期的なライフサイクル思考ができるようになります。
インフォシスのEVP兼サービス・ユーティリティ・資源・エネルギー部門責任者であるアシス・クマール・ダッシュ氏は次のように語っています。「インフォシスは創業以来、再生可能エネルギーを採用しながら、企業や都市がより効率化され、人々の体験が向上し、資源消費を削減するためのスマート空間を創造する方法を模索し、クライアントをサポートすることに尽力してきました。インフォシスの長年の取り組みが、世界経済フォーラムのG20 グローバル・スマートシティ・アライアンスによって、モデル政策となる全ライフ・カーボン・アセスメント義務付けの策定を導いていることを嬉しく思います」。
「私たちは日々、家、学校、オフィス、電車、自転車専用道などの建造環境に依存しています」と、C40 Citiesのクリーン・コンストラクション部門責任者であるセシル・ファロー氏。「しかし、それは目に見えないところで気候変動の一因にもなります。このグローバルな業界の脱炭素化をサポートするために、都市は重要な役割を担っています。政策モデルは、このセクターに変革の方向性を示すために都市が実施できる様々なソリューションにおける重要なステップです」。
Gravelroad Groupと共同で開発されたパブリックセクターの資産利用に関するモデル政策は、より広範なスマートシティの目標に向けた接続事業者との協力関係の形成に関する洞察や、市有地へのデジタル通信インフラの設置を検討する際に地主や通信事業者が従うべきプロセスに関するガイダンスを提供することで、市有地での通信インフラの受け入れ方法に関する指針を提供することを目的としています。
ダブリン市議会最高責任者代理のリチャード・シェイクスピア氏は、「ダブリンの経済競争力、イノベーションの可能性、生活の質を確保する上で、デジタルコネクティビティは不可欠です。この政策介入が、世界経済フォーラムのグローバル・スマートシティ・アライアンスによって、ベストプラクティスのケーススタディとして取り上げられたことを嬉しく思います」と述べています。
G20 グローバル・スマートシティ・アライアンスについて
グローバル・スマートシティ・アライアンスは、都市の変革目標を推進するための責任あるテクノロジーの導入を加速するために2019年6月に設立。原則を共有してスマートシティ・テクノロジーを責任ある倫理的な方法で利用できるよう、自治体、地域、各国政府、企業のパートナー、都市住民を団結させることを目的とし、官民連携の国際機関である世界経済フォーラムが事務局を務めています。
<ご参考>
G20 グローバル・スマートシティ・アライアンスについて
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フォーラム ストラテジック・インテリジェンスとトランスフォーメンション・マップ
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