世界経済フォーラム、パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子 +81 3 3560 6093 naoko.tochibayashi@weforum.org
2022 年 9 月 13 日、スイス、ジュネーブ - 量子技術には、複雑なグローバル課題に対する解決策を見出すための大きな可能性があります。しかしサイバーセキュリティリスクに焦点が当たっているため、気候、飢餓、疾病の脅威への適用が曖昧になっています。このサイバーセキュリティリスクは、意思決定者が今すぐに行動すれば解決可能にも関わらずなのです。
さらに、専門家に対する需要は採用可能な人材を上回っており、企業はこの競争が激化する戦略的な業界で人材の確保に苦慮しています。世界経済フォーラムの報告書および白書「State of Quantum Computing (量子コンピューティングの現状)」「Transitioning to Quantum-Secure Economy(量子安全保障経済への移行)」は、企業や政府のリーダーがどのように行動を起こせばよいかを示しています。
本報告書および白書は、当フォーラムの量子経済ネットワークに参画するグローバルな専門家および意思決定者からの知見に基づくものです。同書では、世界中の企業や政府による量子技術への投資が2022年までに合計355億ドルに達する中、民間投資が急速に拡大し、ベンチャーキャピタルから新規株式公開に移行している一方、企業や組織は深刻な人材不足に直面していることが示されています。
量子技術の訓練を受けた人材は高度な学術的知見が豊富である一方、企業はスキルアップを図り、ビジネスやエンジニアリングの経験を持つ有能な人材を見つけるのに苦労しています。このスキルギャップは、量子状態の特性を利用した量子コンピュータが、従来の機械よりも指数関数的に速く、膨大かつ複雑な問題を解決する糸口を逃すことをも意味します。
この技術はまだ始まったばかりです。本報告書および白書は、将来起こりうる量子コンピューティング攻撃からデジタルインフラを守るために、リーダーたちが今どのように行動すればよいかを示し、また経済、環境、社会に大きな可能性を秘めた3つの研究・産業分野を取り上げています。
また、量子力学への対応力を評価し、量子力学戦略を策定し、社内の能力を高め、経営者や政策立案者と連携して、重要な重点分野に取り組む方法を紹介しています。
世界経済フォーラムのプラットフォーム「デジタルエコノミーとニューバリュー」の部門長、デレック・オハロランは、次のように述べています。「量子コンピュータは、気候変動、飢餓、病気に対する我々の取り組み能力を劇的に変化させる可能性のある、根本的に新しいコンピューティング方法です。経済的に有望であり、一般的な暗号技術を陳腐化させる可能性があるため、地政学的にも戦略的なものです。一方、新興技術につきものの知識のギャップと不確実性が、意思決定者の行動を難しくしています。この報告書と白書は、量子コンピューティングを解明し、世界中の企業経営者や政策立案者に、事実に基づいた意思決定のための十分な情報を提供することを目的としています」。
<参考>
量子経済ネットワークのウェブサイトを詳しく読む
世界経済フォーラムの アジェンダ を 日本語 | フランス語 | スペイン語 | 中国語で読む
フォーラムの インパクトの詳細を知る
フォーラム ストラテジック・インテリジェンスとトランスフォーメンション・マップ
ツイッター @wef @davos|Instagram|リンクトイン|ティックトック|ウェイボー |ポッドキャスト| フェイスブック| YouTubeでフォーラムをフォローする
英文プレスリリース配信登録