「ネット・ゼロ・インダストリー・トラッカー」 重工業による気候変動対策へのプラットフォームを提供

発行済み
2022年07月28日
2022
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世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子 Tel.: +81 3 3560 6093 Naoko.Tochibayashi@weforum.org

  • 世界経済フォーラムの最新レポート「ネットゼロ・インダストリー・トラッカー2022」は、2050年までにネット・ゼロの世界を実現するために産業界が直面する主要な課題を明らかにしています。
  • 産業用製品の需要拡大が続く中、産業の脱炭素化は急ピッチで進めなければなりません。
  • 新たな追跡プラットフォームは、データや事実に基づく洞察を通じて、産業界の企業、政策立案者、消費者に、効果的な行動に必要な透明性をもたらします。
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2022年7月21日、スイス・ジュネーブ - 世界経済フォーラムは、主要産業部門におけるネットゼロ移行の状況に関する報告書「ネットゼロ・インダストリー・トラッカー2022」の第1版を発表しました。本報告書では、これらの分野における課題の範囲と規模を十分に理解する必要性を強調した上で、2050年までに地球温暖化を1.5度に抑えるというネットゼロ目標の達成に必要な脱炭素化のペースに対して、大きなギャップがあることを明らかにしています。産業界の脱炭素化の緊急性は、エネルギー価格の高騰とエネルギーサプライチェーンの混乱によって、さらに高まっています。

世界経済フォーラムがアクセンチュアと共同で開始した本イニシアチブは、産業界のネット・ゼロ変換に関する「ファクト」に基づく共通の理解を確立した上で、業界横断的かつマルチステークホルダーコラボレーションを可能にするものです。本報告書では、360度の視点から見た全体的なフレームワークと、進捗を測定するために必要な標準的な指標、さらに産業界、政策立案者、消費者、その他のステークホルダーに対する主要な提言が紹介されています。

産業界が脱炭素化の軌道を見極め、着実に前進し、必要な軌道修正を行うためには、進捗状況の把握と透明性が不可欠です。

世界経済フォーラムのエネルギー・マテリアル・インフラ部門長であるロベルト・ボッカは、「現在進行中の取り組みや気候に関する公約がある一方で、世界の温室効果ガス排出量の30%を占める重工業の変革の進捗ペースと方向性を把握する、強固かつ包括的なメカニズムが不足しています」と述べています。「いくつかの産業部門や個々の企業は、ネット・ゼロ・エミッションを達成するための目標を掲げています。我々は、ネットゼロのギャップを埋めるために透明性をもたらし、この進捗を報告することが、これらの野心的な目標を達成するために重要であると信じています」。

本報告書では、技術の成熟度、インフラへのアクセス、政策の枠組み、低排出製品の需要、低排出資産への投資に対する資本の利用可能性など、実現を可能にする主要な進展を追跡するための定性的および定量的尺度を提供しています。また、アクセンチュアの分析によると、鉄鋼、セメント、アルミニウム、アンモニア、石油・ガスの5つの重工業は、合わせて産業排出量の80%を生み出しており、これらのセクターによる促進要因と優先事項も明らかにしています。

産業界のネット・ゼロ変換の障壁と優先事項が、セクター横断的であることから、セクター内およびセクター横断的、またその他のステークホルダーとの革新的なパートナーシップのが、この課題への取り組みの基本となると考えられます。その他の対策としては、「低排出」工業製品とプロセスの定義に関する合意、強固で安定したグリーン需要シグナル他、技術やインフラ開発に必要な資本を集めるためのリスク分担メカニズムなどがあります。

また、同報告書では、低排出ガス産業の実現には2兆ドル以上が必要であり、最初の本格的な商業プロジェクトは、企業が投資する上でまだ大きなリスクを抱えているとも指摘しています。

世界経済フォーラムのエネルギー・マテリアル・インフラ・プログラム・ベンチマーク担当のエスペン・メーラムは、次のように述べています。「低排出ガス資産への投資は、新技術やインフラへの依存度が高いため、企業にとってよりリスクが高くなります。政策、燃料需要、技術、資本、インフラなどがすべて同じ方向をめざし、気候目標に向けた進展を加速させるためには、コラボレーションが中心となるでしょう」と述べています。

アクセンチュアのシニア・マネージング・ディレクター兼グローバル・エネルギー業界リードであるムクシット・アシュラフ氏は、次のように述べています。「産業界、特にセメントや鉄鋼などの難易度の高い産業の変革を加速させることは、ネットゼロを野心的に実現する上で非常に重要です。また、今日エネルギー・材料価格が高騰する中、産業のエネルギー集約度を下げることが競争優位の源泉にもなります。イノベーション、規制、投資とともに、ネットゼロ・インダストリー・トラッカーは、脱炭素化とエネルギー効率化の道のりに透明性をもたらし、不可欠なツールとなるでしょう」。

また、同報告書は、政策立案者、金融機関、消費者を含めた協調的な取り組みが必要であることを強調しています。

アクセンチュア戦略本部グローバル・リードのキャサリーン・オライリー氏は、「企業はサステナビリティの変曲点にあり、デザインによるサステナビリティを企業内に深く組み込むことは、もはや選択肢の一つではありません。この瞬間をリードするために、企業はマルチステークホルダーコラボレーションに注力しなければなりません。例えば、顧客の需要の再構築を支援し、同業他社と組んで技術コストを下げ、共有インフラを開発し、政策立案者と協力して低排出製品の差別化市場を作るために規制の整備を行うなどです」。と述べています。

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