ネット・ゼロ目標を達成するため、貿易に関する行動が必要との調査発表

発行済み
2021年09月20日
2021
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世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
Tel.: +81-(0)3-3560-6093 Naoko.Tochibayashi@weforum.org

  • この調査によると、多くの企業は排出削減プログラムを積極的に推進・加速する準備ができており、貿易政策の行動がこのシフトの後ろ盾となります。
  • 複雑な国際取引システムを気候変動対策に適応させるには、8つの行動が必要です。
  • 気候変動対策を支えるための貿易政策には、気候変動に配慮した商品の関税の引き下げ、技術へのアクセス、炭素ベースの貿易政策の調整などが挙げられます。
  • 世界経済フォーラムは、これらの問題に関する対話を継続するため、官民連携プログラムを立ち上げます。
  • 報告書はこちら。「持続可能な開発インパクトサミット」の詳細はこちら

2021年9月20日、スイス、ジュネーブ - 「企業が二酸化炭素排出量目標を達成するためには、世界の取引システムを適応させる必要があり、企業はそのための変革を求めている」。これは、世界経済フォーラムがクリフォード・チャンスと共同で発表した「Delivering a Climate Trade Agenda主な調査結果です。

同調査は半年に渡り、輸送、エネルギー、製造、消費財などの分野におけるグローバル企業へのリサーチとインタビューを通じて実施されました。現在のグローバルトレード・システムに必要な変更点を特定し、脱炭素化をより効果的に促進する方法を明らかにすることを調査の目的としました。その結果、政府や企業が行動を起こすことで、グローバル貿易を気候変動対策の効果的な実現手段とすることが可能であること、またそのための8つの重要な行動がまとめられました。

グローバルトレード・投資部門の責任者であるショーン・ドヘルティは、次のように述べています。「従来、貿易と気候政策の立案は、別々のサイロに行われてきました。気候危機の緊急性から、すべての人の繁栄を実現しつつ排出削減を加速するために、官民が連携し、このサイロを取り払うことが求められています。政策立案者にとって朗報なのは、企業がこの変化を支援する準備と意思を持っていることです」と述べています。

クリフォード・チャンスのパートナー、ジェシカ・グラッドストーンは次のように述べています。「グローバル貿易は、低炭素で持続可能な世界経済への公正な移行を実現する上で、重要な役割を果たします。企業はこの移行をリードする準備ができており、政府は適切な法律や規制構造を確保することで支援することができます。この報告書では、公正で透明性が高く、技術とイノベーションを核とした、気候変動に配慮した貿易を実現するための、世界および国内の政策措置について検討しています」。 インタビューの結果、貿易が企業の脱炭素化と持続的な成長を支援する方法として、以下まとめられました。

  • 主要商品の関税引き下げ
  • 並行して非関税の歪みに対処すること
  • 化石燃料への補助金の廃止
  • 炭素ベースの貿易政策における一貫性の構築
  • デジタル・気候関連サービスの貿易支援
  • 気候変動に配慮した農業の推進
  • 貿易協定と気候変動対策の整合性
  • グリーン投資の促進

以下の図は、政府とビジネスの継続的な対話を通じて、グローバル貿易のシステムを気候変動対策のためにどのように活用できるかを示しています。

イメージ: 世界経済フォーラム

本報告書には、世界貿易機関(WTO)のンゴジ・オコンジョ・イウェアラ事務局長と国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の事務局長が共同執筆した序文が含まれており、ビジネスからの洞察を歓迎しています。今年の最終四半期には、両組織の下で主要な政府間会合が開催される予定です。

ビジネスは、貿易ルールと気候変動対策との整合性を図るための手段を講じることができます。世界経済フォーラムは、「クライメート・トレード・ゼロ」と題した2年間のワークプログラムを立ち上げ、より持続可能な貿易システム構築の一環として、これらの問題に関する官民連携を支援していきます。

また、同調査では、多くの企業が国やセクターによって移行のスピードや強度のレベルが異なることを認識していました。インタビューでは、途上国や途上国のサプライチェーンパートナーが二酸化炭素排出量削減に必要な投資を行うための支援やインセンティブを提供することの重要性も強調されました。

持続可能な開発インパクトサミット
2021年9月20日(月)~23日(木)、国連総会と並行して、世界経済フォーラムは、持続可能な開発インパクト・サミットをオンラインにて開催します。同サミットのテーマは「Shaping an Equitable, Inclusive and Sustainable Recovery(公平で包摂的かつ持続可能なリカバリーをめざして)」。政府、ビジネス、市民社会のリーダーが参加し、より持続可能で包摂的な未来に向けて行動を起こし、機運を高めることをめざします。メディア登録はこちら。詳細はこちらをご参照ください。

<参考>
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