グローバル企業のリーダー、ステークホルダー資本主義指標にコミットし、 ESGのコンバージェンス(収斂)を支援

発行済み
2021年01月22日
2021
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世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
Tel.: +81-(0)3-3560-6093 Naoko.Tochibayashi@weforum.org

  • 世界経済フォーラムと国際ビジネス評議会(IBC)のメンバーを含む61名のビジネスリーダーは、本日、IBCが発表した中核指標であるステークホルダー資本主義指標に基づいた報告に取り組むことを誓約しました。
  • ステークホルダー資本主義指標は、企業が業種や地域を問わず報告可能である普遍的で比較可能な開示事項を提供するものであり、「人」「地球」「繁栄」「ガバナンス」の4つの柱を中心にまとめられた指標と開示・報告の枠組みです。
  • この動きは、民間セクターのリーダーが、環境・社会・ガバナンスの要因はすべての企業の成功と長期的な存続に不可欠であると考えていることを示しており、非財務報告のためのグローバルなソリューションについて結束の声が高まっています。
  • ステークホルダー資本主義指標と本イニシアティブが、いかにサステナビリティ基準設定団体のコンバージェンス(収斂)拡大と非財務報告に向けたグローバルなソリューションを奨励していくかについての詳細はこちら
  • 2020年9月に発表された、ESG報告書の日本語版「ステークホルダー資本主義の進捗の測定~持続可能な価値創造のための共通の指標と一貫した報告を目指して~」はこちら

2021126日、ジュネーブ - 業界を超えた61名の各界トップ企業のリーダーの連合体は、本日、世界経済フォーラムと国際ビジネス評議会(IBC)が2020年9月に発表した、すべてのステークホルダーのための長期的な企業価値創造を測定する環境・社会・ガバナンス(ESG)指標と開示事項を合わせたステークホルダー資本主義指標に基づいた報告に取り組む意思表明をしました。

既存の自主基準から導き出されたステークホルダー資本主義指標は、ビジネス、社会、地球にとって最重要と考えられる「人」「地球」「繁栄」「ガバナンスの原則」を柱とする、21の普遍的で比較可能な開示事項の中核となる組み合わせを提供しており、企業は、業種や地域を問わずこれを利用して報告することが可能になります。これにより、企業や投資家はサステナビリティに関する問題の進捗状況の評価能力を強化し、企業が生み出す持続可能な共有価値に関わる意思決定を改善し、透明性と説明責任を強化することができます。

ダウ、ユニリーバ、ネスレ、ペイパル、リライアンス・インダストリーズ、ソニーを含むこれらのリーダーと組織は、本日、以下取り組みへの意思表明を行いました。

1. 自社の事業に最も関連性の高い指標を報告するか、異なるアプローチがより適切である理由を簡潔に説明することにより、投資家やその他のステークホルダーへの報告(年次報告書、サステナビリティ報告書、委任状などの資料)に中核指標を反映させる。

2. 本イニシアティブを支援することを公言し、ビジネスパートナーにも支援を呼びかける。

3. 従来のESG指標、フレームワーク、原則のさらなるコンバージェンス(収斂)を促進し、共通のESG指標を利用した非財務報告に関する世界的に受け入れられるソリューションに向けた進展を支援する。

ビジネスリーダーたちによるこのようなコミットメントは、すべての企業の成功と長期的な存続のために、ESG要因がこれまで以上に重要になるということを示しています。これは、自社の中核的な戦略、事業運営、企業情報開示にサステナビリティを組み入れるという大手グローバル企業の意向を明確に表しています。

「今や、ステークホルダー資本主義は真の主流になっています」と、世界経済フォーラムの創始者兼会長であるクラウス・シュワブは語ります。「企業が、財務事項のみならず、ESGの影響についても報告すると公約することは、進歩・人間・地球に役立つグローバル経済の構築に向けた重要な一歩です」。

バンク・オブ・アメリカの最高経営責任者(CEO)兼会長でIBC議長であるブライアン・モイニハン氏は「私たちは株主に大きなリターンを提供すると同時に、重要な社会的優先課題の解決に貢献しなければなりません。これこそが、ステークホルダー資本主義の実践なのです。共通の指標があれば、すべてのステークホルダーが進捗状況を測定することができ、資本主義の元、企業や投資家、その他の人々から集結できる資源を、最も大きな変化をもたらすことができる場所に確実に向けることができます」と述べています。

世界経済フォーラムは、140を超えるステークホルダーの支援を得て、バンク・オブ・アメリカ、デロイト、EY、KPMG、PwCと共同で、2年間のプロセスを経て21の中核指標と34の拡大指標を定めました。 (日本語版はこちら)。

本指標には「人」「地球」「繁栄」「ガバナンスの原則」という4つの柱を中核に据えた非財務情報の開示が含まれます。意図的に従来の基準に沿って策定されたこれらの柱には、温室効果ガス排出量、給与の平等、取締役会の多様性などの指標が含まれています。

これらの指標と開示を採用し報告することで、ビジネスコミュニティは従来の基準間の調整と協力関係を促進し、サステナビリティ実績に関する報告のための体系的で世界的に認められた共通基準の開発の進展を促します。

ステークホルダー資本主義指標の報告書の実施に同意した企業の全リストは以下のとおりです。

1. アクセンチュア
2. アデコグループ
3. アフリカン・レインボー・ミネラルズ
4. アリアンツ
5. バンコ・サンタンデール
6. バンク・オブ・アメリカ
7. BBVA(ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行)
8. ボストン コンサルティング グループ
9. bp
10. クリフォードチャンス
11. クレディ・スイス
12. デル・テクノロジーズ
13. デロイト
14. ドイツポスト DHL
15. ダウ
16. エニ
17. エコラボ
18. エコペトロール
19. エクイノール
20. EY
21. フィデリティ・インターナショナル
22. ハイネケン
23. ヒューレット・パッカード
24. HSBCホールディングス
25. IBM
26. JLL(ジョーンズラングラ・サール)
27. カーニー
28. KPMG
29. マヒンドラ・グループ
30. マジドアルフッタイム
31. マスターカード
32. マッキンゼー・アンド・カンパニー
33. メドトロニック
34. マーキュリア・エナジー・グループ
35. 三菱商事
36. 三菱UFJフィナンシャル・グループ
37. ネスレ
38. ノボ・ノルディスク
39. パロアルトネットワークス
40. ペイパル
41. ピュブリシス・グループ
42. PwC(プライスウォーターハウスクーパーズ)
43. リライアンス・インダストリーズ
44. レプソル
45. Royal DSM
46. ロイヤルダッチシェル
47. ロイヤル フィリップス
48. セールスフォース
49. シュナイダーエレクトリック
50. シーメンス
51. ソルベイ
52. ソニー
53. 住友商事
54. 三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)
55. サントリーホールディングス
56. 武田薬品
57. トタル
58. UBS
59. ユニリーバ
60. ヤラ・インターナショナル
61. チューリッヒ・インシュアランス・グループ

コメント

「世界が直面している最大の課題の一部は気候変動の暴走、環境悪化、社会的不平等です」とユニリーバの最高経営責任者(CEO)、アラン・ジョープ氏は述べています。「変革のための第一のメカニズムが何かを考え時、企業の年次報告書や決算書が最初に思い浮かぶことはないかもしれませんが、これらの問題に取り組む新たな資本主義の形を創出するためには、標準化された非財務報告の義務化が不可欠です。世界経済フォーラムのIBCによる活動は、重要なステップであり、私たちは全力で支援をします」。

「ESG開示が、適切な投資決定のために不可欠であることを認識している投資家からの需要は高まっていますが、国際的に合意された枠組みはまだ存在しません」と、Royal DSMの共同最高経営責任者(CEO)兼最高財務責任者(CFO)兼常務取締役であるジェラルディン・マチェット氏。「ステークホルダー資本主義指標が従来の指標や基準のコンバージェンス(収斂)に向けた第一歩となることを期待しています。これは、世界が必要としているシステミックな変革を加速させ、投資家を正しい軌道に乗せ、消費者の行動をより良いものに変え、企業が正しいことを行うのを支援するための最も迅速な方法の一つとなるでしょう」。

ソルベイの最高経営責任者(CEO)兼執行委員会委員長であるイルハム・カドリ氏は「ステークホルダー資本主義は、投資家、企業、社会、規制当局への、関連する共通のESG指標の提供に向けた、大きな一歩です」と語ります。「ソルベイは、優れた収益性のある成長を、持続可能で責任ある方法で実現することに尽力しています。社会が直面している重要課題に取り組むため、整合性・透明性があり、事実に基づいた対話に加わる機会として、私たちはこれらの指標を積極的に取り入れます」。

「ステークホルダー資本主義の影響力が高まる中、今日は、一歩先へと進展の歩みが進みました。企業が、明確な指標を設定した上で進捗状況を測定し、責任を果たすことを、行動を持って示す日となったということです」と、セールスフォースの会長兼最高経営責任者(CEO)であるマーク・ベニオフは語ります。「そうすることでのみ、株主に長期的な成長をもたらし、すべてのステークホルダーとの信頼関係を構築し、世界の状況を真に改善することができるのです」。

ステークホルダー資本主義の進捗の測定イニシアティブついて

2019年8月、世界経済フォーラムはIBCの要請を受けて、デロイト、EY、KPMG、PwCと共同で、ガバナンス、地球、人間、繁栄の4つのテーマを柱とし、意図的に従来の基準に基づいた普遍的な指標と開示事項の組み合わせであるステークホルダー資本主義指標を特定するプロジェクトを開始しました。200社以上の企業、投資家、ステークホルダーとの半年間にわたる協議プロセスを経て、同プロジェクトは綿密に設定された21の中核指標と34の拡大指標を定め、2020年9月に、白書「Measuring Stakeholder Capitalism – Towards Common Metrics and Donsistent Reporting of Sustainable Value Creation」として発表しました。(日本語版はこちら)。

ステークホルダー資本主義指標のイニシアティブは、企業が、ESG指標に対する実績を測定・実証する方法を改善し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に積極的に貢献する手助けとなることを目指しています。本プロジェクトの目的は、主要な民間ESG基準設定団体間のコンバージェンス(収斂)を加速させ、ESG開示報告における比較可能性と一貫性を高めることにあります。

ダボス・アジェンダについて

ダボス・アジェンダは、2021年に求められる原則、政策、パートナーシップを形成するために信頼を再構築することを目指し、世界のリーダーたちが結集する先駆的な場となります。パンデミック(世界的大流行)を食い止め、年間を通じて力強い回復を実現する上で、革新的かつ大胆な解決策を選択するリーダーたちを支援することを目的とし、一週間にわたりグローバルなプログラムを展開します。5つのテーマに沿った約100のセッションに、各国首脳、CEO、市民社会のリーダーたち、グローバル・メディアが積極的に参加します。メディア登録はこちら

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