世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
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スイス、ジュネーブ、2020年12月9 日 – 新型コロナの感染拡大は、世界中に経済的・社会的混乱をもたらしました。人々や企業が新たな復興を目指す中、政府は、経済成長の原動力となり、世界で最も差し迫った社会的・環境的課題を解決するイノベーションが、過去に設計された規制によって妨げられないようにしなければなりません。
世界経済フォーラムと経済協力開発機構(OECD)が主催したパネルディスカッションにおいて、カナダ、デンマーク、イタリア、日本、シンガポール、アラブ首長国連邦、英国の閣僚は、責任あるイノベーションと起業家精神の育成において世界をリードする計画を発表。アジャイル・ネーション協定は、公的保護を維持しつつ、新しいアイデアが繁栄できる規制環境を構築するための各国のコミットメントを示しています。
世界初となる本協定により、各国が協力することで、7つの市場におけるイノベーターの互いのルールのガイド、規制当局と新しいアイデアをテストといったプロセスの拡大を支援する道が開かれる事になります。協力の優先分野には、グリーン経済、モビリティ、データ、金融・専門サービス、医療診断・治療が含まれます。
本協定は、技術革新に対応するために世界中の規制当局を支援する世界経済フォーラムの「第四次産業革命のためのアジャイル規制に関するプロジェクト」の成果でもあります。このプロジェクトとの連携しているものは以下のとおり。
世界経済フォーラムの取締役であるムラット・ソンメスは、「ルールや法律は、過去を念頭に置いて設計されていることが多くあります。第四次産業革命のための私たちのセンターは、政府、企業、市民が未来のためにそれらを共同設計することを支援します。雇用を創出し、競争力を維持することは、回復力を確保するために必要とされるイノベーションを可能にします。私たちは、新しいアジャイル・ネイション・ネットワークと共に仕事ができることを歓迎しています」と述べています。
また、OECDのジェフリー・シュラーゲンハウフ事務次長は、「100年に一度の世界的なグローバルヘルスと経済危機を背景に、政府はルールメイキングのパラダイムシフトを行う必要があ ります」と語ります。「OECDは、政府が課題をナビゲートし、イノベーションの規制ガバナンスに対するよりアジャイルなアプローチを開発するのを支援するために、第四次産業革命における効果的でイノベーションに適したルールメイキングに関する原則を策定しています。アジャイル・ネイション・ネットワークは、より良い、イノベーションに適した、最新の規制を世界中で実現するための国際的な規制協力を真に促進するための、タイムリーなイニシアティブです」。
「英国は、起業家精神と発見の誇りある歴史を持っていますが、国際的に協力してこそ、新しい技術のめざましい可能性を真に解き放つことができるのです」と、英国のビジネス大臣であるキャラナン卿は述べています。「アジャイル・ネイションは、規制上の障壁を取り除くための協力を後押しし、イノベーターや起業家が7カ国からイノベーションを市場に出し、スケールアップできるようにします」。
「アジャイル・ネイションの合意へのカナダの支持は、イノベーションが盛んになり、それぞれのビジネスが、より効率的でグローバルに競争力を持つことができるような規制環境を作るという、カナダのコミットメントを示しています。カナダは、アジャイル規制に関するアイデアやベストプラクティスを共有する上で、その役割を果たす準備ができています」とジャン-イヴ・デュクロ、カナダ財務省理事会会長は述べています。
「シーメンスはグローバル企業として、常に国境を越えたコラボレーションを支援してきました。規制当局の国境を越えたコラボレーションは、イノベーションを阻害する可能性のある不必要な逸脱を避け、未来志向の協力と目的を持った技術を確実にするための最良の方法です。ルールメイキングでの協力を促進するために提案されたアジャイル・ネイション・ネットワークは、正しい方向への大きな一歩です」と、シーメンス社、政府担当部門長は語ります。
「規制の俊敏性、強力な企業と政府のパートナーシップ、建設的な国際規制協力は、イノベー ションを可能にし、企業が新型コロナのパンデミックからより強く回復することを支援する上で鍵となります」と、シンガポールのロー・イェン・リン貿易産業大臣は述べています。「シンガポールは、ビジネスと新興のイノベーションが急速にスケールアップし、新しいソリューションを提供し、より大きく成長を促進することを可能できるよう、アジャイル規制における協力を強化すべく、アジャイル・ネイション・ネットワークと緊密に協力していきたいと考えます」。
「我々は、日本で開催された2019年G20閣僚会議で合意され『ガバナンス・イノベーション』の概念に関する国際協力を促進する取り組みとして、このアジャイル・ネイション・ネットワークを全面的に支持します。今年設立されたデジタルアーキテクチャ・デザインセンターのプロジェクトを含め、革新的なガバナンスに関する経験と知識を共有できることを嬉しく思います」と、経済産業省の宗清公一政務次官は述べています。
「IBMは、アジャイル・ネイションのイニシアティブを支援できることを嬉しく思います。とIBM社のクリストファー・パディラ政府・規制担当副社長は述べています。「テクノロジーの新たなブレークスルーが計り知れない機会を生み出し、経済的・社会的幸福を向上させる一方で、これらのイノベーションは従来の規制モデルに新たな挑戦を挑んでいます。アジャイル・ ガバナンスを促進することは、リスクを軽減しながらテクノロジーの利益を確実に享受するための重要なメカニズムです。アジャイル・ネイション憲章は、第四次産業革命の約束を実現するために必要な国際協力を促進する上で重要なステップです」。
「アジャイル・ネイション・ネットワークの創設は、テクノロジーイノベーターにとって歓迎すべき発展です」と、Suade Labs の最高経営責任者(CEO)兼共同創設者であるダイアナ・パラデス氏は述べています。「過去のために設計された規制や、規制当局間の調整の欠如は、革新的なスタートアップ企業や中小企業にとって大きな負担となります。私たちはこのイニシアティブを歓迎しており、第四次産業革命における幅広いイノベーターの多様性と創造性を後押しすることを期待しています」。
「Sperimentazione Italia(Italy Experimentation)は、企業、大学、研究機関がフロンティアイノベーションの実験を行うことを可能にし、ディスラプティブ・イノベーションの機会を逃さないようにします」と、イタリアのパオラ・ピサーノ技術革新大臣は語ります。「各国間の国際協力の中で『アジャイルな規制』のテストを拡張し、適用する準備はできています」。
「アラブ首長国連邦政府は、アジャイルなガバナンスとイノベーションを採用し、強く、有能かつ回復力のある政府を構築するとともに、先を見越したソリューションで将来の課題に取り組むことを可能にするアジャイル・ネーション・ネットワークを支持することを誇りに感じています」とオフード・ルーミー・アラブ首長国連邦(UAE)国家開発・未来担当国務相は述べて います。
<参考>
第4次産業革命におけるより効果的な規制のためのアジャイルネイション憲章と世界経済フォーラムのツールキットはこちら
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