世界経済フォーラム、顔認証の責任ある利用のための検証済みツールキットと認証フレームワークを発表

発行済み
2020年12月14日
2020
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世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
Tel.: +81-(0)3-3560-6093 Naoko.Tochibayashi@weforum.org

  • 顔認証技術の責任ある利用のためのフレームワークは、ユーザーと利害関係者のあいだに新たなレベルの透明性と信頼を築くものとなります。
  • 成田国際空港株式会社(成田国際空港)と日本電気株式会社(NEC)は、本フレームワークを検証する先駆けとして、導入への道を切りひらきました。
  • ツールキットは、顔認証技術の責任ある利用のための 10の行動原則を企業に示しています。
  • 白書はこちら

米国、サンフランシスコ、2020年12月14日 - 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、顧客を正確に識別するためのシームレスかつ非接触型な顔認証技術の必要性は、重要度を増しています。こうした状況を踏まえ、ガバナンスなど様々な課題に対処することを目指し、世界経済フォーラムは、白書「顔認証における責任のある制限、フロー管理のユースケース(Responsible Limits on Facial Recognition, Use Case: flow management)」を発表しました。これは、顔認識技術(FRT)の責任ある利用を確かなものとするための実行可能なフレームワークとなります。

顔認識技術(FRT)は、スマートフォンのロック解除、飛行機への搭乗、公共サービスへのオンラインによるアクセスなど、認証と本人確認のプロセスを強化することで、社会的に有益な利用方法を多く生み出しています。一方、顔認証技術にはプライバシーを損なう、人を誤認する、体系的な人種差別をはびこらせる、さらには監視インフラに貢献するといった可能性もあるため、ます ます精査されるようになってきています。

政策担当者は、こうした被害を防ぐため、FRTの使用を禁止することに主な焦点を当ててきています。

「世界的な新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が発生している間、前例のない数の業界関係者が、フロー管理のプロセスを改善するために、顔認証の導入を検討しています。しかし、これは顧客や市民にとって様々なリスクを伴います」と、世界経済フォーラムの AI(人工知能)・機械学習部門長であるケイ・ファース=バターフィールドは述べています。「今回の取り 組みは、リスクを効果的に軽減するための世界的なマルチステークホルダーの取り組みとしては初めてのものとなります」。

世界経済フォーラムは、飛行機に搭乗する乗客へのFRTの利用に焦点を当て、この分野の主要な業界関係者と協力してきました。完成したフレームワークは、航空会社が責任を持ってFRTを効果的に活用するのを支援するための実行可能なルールにより構成され、またツールキットは、FRTの責任ある利用のための10の行動原則を企業に示しています。こうした第三者認証機関が運営する審査フレームワークは、エンドユーザーと利害関係者の間で新たなレベルの透明性と信頼を構築することも可能にします。

成田国際空港は本ツールキットの一部に採用されている評価調査票をテストしました。同空港の宮本秀晴上級執行役員は次のように述べています。「成田国際空港は、このような取り組みを通 じ、国内外のお客様からの信頼をさらに高めることができたことを大変嬉しく思います。お客様に対し顔認証利用に対する透明性を築くためには多くの努力が必要であり、他の空港でもこのフレームワークを取り入れていただければと思っています」。

本フレームワークは、輸送業界の主要プレーヤーである成田空港、パリ空港(Groupe ADP)、SNCF (フランスの国営鉄道会社)、先端技術企業の日本電気株式会社(NEC)やアイデミア(IDEMIA)、さらに日本、フランス、EUの政策立案者などと共同で設計されたものです。

また、AFNOR Certificationのマネージングディレクターであるジュリアン・ニズリ氏は、「FRT向けの初の監査管理システムを共同で設計することは、輸送業界における重要性を考慮する場合、非常に難易度が高く、またやりがいのあることでもありました。私たちは、第三者認証を通じ、航空・鉄道による移動に対する乗客の信頼を回復する能力に自信を持っており、認証を受けることに関心のある業界関係者の皆様からのご連絡をお待ちしています」と述べています。

また、日本電気株式会社(NEC)の吉崎敏文執行役員は、「世界をリードするテクノロジー企業として、特に顔認証のような機密性の高い技術に関しては、お客様に安全で信頼性の高い技術的ソ リューションを継続的に提供することに努めています」。「このような精神のもと、FRTの責任ある利用のための世界的な品質基準の確立に貢献するために、今回の取り組みに参加させていただ きました」と語ります。

今年初め、世界経済フォーラムがフレームワークの第一部を発表しています。

<参考>

世界経済フォーラムは、世界官民両セクターの協力を通じて、世界の現状の改善に取り組むことを目的とする国際機関です。1971年に設立された同フォーラムは、政府、ビジネス界、学術界および市民社会の第一線で活躍するトップリーダーと連携し、世界をより良くすることを目的に様々な活動を行っています。(www.weforum.org)

すべての意見は、著者によるものです。世界経済フォーラムは、独立かつ中立なプラットホームとして、​グーロバル、地域、産業のアジェンダを形成する話題に関わる議論の場を提供しています。