世界経済フォーラム、テクノロジー・パイオニア2020の100社を発表

世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
Tel.: 03-5771-0067 Naoko.Tochibayashi@weforum.org

2020年6月16日、米国、ニューヨーク – 世界経済フォーラムは、最先端のテクノロジーで地球規模の課題に取り組み、未来を担う企業を選出。テクノロジー・パイオニア2020として本日発表しました。AI(人工知能)からカーボンキャプチャー(二酸化炭素回収)に至るまで、イノベーションを活用して、気候変動対策や医療の向上等、多用な課題に取り組み、社会をリセットしてより良い未来を築くために活動している様々な企業が、今年の受賞者に 含まれています。

「今年のテクノロジー・パイオニア受賞者は、より良い社会と業界の進化に向けた取り組みを、世界中で続けています」。世界経済フォーラムでグローバル・イノベーター・コミュニティを統括する、スーザン・ネズビットは、さらに次のように語っています。「選出された企業は、その新たな発想と、業界を一変させるような革新的なポテンシャルで、他と一線を画している企業ばかりです。各業界の未来を形作る上で、これからどんな役割を果たしてくれるのか、楽しみです」。

選出された100企業の内、実に25%超は女性経営者が率いる企業。この割合は業界平均の2倍強に相当します。また、地域的にも従来のいわゆるテックハブを超えて、世界中からテクノロジーを新たな方法で活用している企業が選出されています。

ブラジルのCargoXでは、国内のトラック運転手の生活向上につなげるべく、物流を最適化するために、トラック輸送のデジタル化に取り組んでいます。インドのZestMoneyでは、従来の金融サービスではクレジット支払ができなかった人々に向けて、手頃な金額で後払いが利用できるように、独自のテクノロジーを活用し、金融サービス業界の変革に向けて尽力しています。

テクノロジー・パイオニアの各社は、それぞれ様々な方法で、国とコミュニティに影響を与えています。例えばケニアのTwigaは、食品のサプライチェーンをより効率化すべく、B2Bデータを活用して、アフリカの食品コストの低減に取り組んでいます。

他にも、以下の国・地域から、様々な企業が選出されています：アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、中国、チリ、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、香港特別行政区、インド、イスラエル、日本、ケニア、韓国、ルクセンブルク、シンガポール、スイス、台湾、スペイン、アメリカ合衆国、イギリス。

地域的な多様性にとどまらず、今年のテクノロジー・パイオニアは、スマートシティ、ヘルスケアクリーンテック、金融、物流等、実に多種多様な業界から最先端企業が集った顔ぶれとなりました。

例えば、アメリカ合衆国を拠点とするMetawaveは、AIと機械学習を活用して、自動車センサーの機能を向上させ、よりスマートで安全な車の開発に取り組んでいます。中国では、Sensoroが IoT技術を発展させ、世界中のスマートシティの機能を高めようと取り組んでいます。

その他多くのテクノロジー・パイオニアが、気候変動対策に関するイノベーションにも力を入れています。Polystyvertは、プラスチックにおける循環経済の実施に注力しており、Aleph Farms は、より持続可能な食料システムの推進につながる、代替的な食料生産手段の促進に取り組んでいます。

各業界への長年にわたる貢献に加えて、多くのテクノロジー・パイオニアが、そのテクノロジーを、世界中の新型コロナウイルス感染拡大への対応における支援にも活用しています。Sherlock BiosciencesやGenetron Healthは、新型コロナウイルスの迅速検査オプションの開発にも寄与してきました。また、胸部レントゲンから肺疾患をAIで解析する技術を有するLunitは、新型コロナウイルス患者の診断と治療にあたる医療従事者を支援するため、オンラインでソフトウェアを無料リリースしました。

今年はテクノロジー・パイオニア・コミュニティの20周年目にあたります。Airbnb、グーグル、キックスターター、Mozilla、Palantir Technologies、スポティファイ、TransferWise、ツイッター、ウィキメディアといった企業を含む、過去の選出企業の多くが、今や誰もが知る有名企業へと成長しています。

テクノロジー・パイオニアとして今年選出された企業は、コミュニティでの2年間を通じて、世界経済フォーラムのワークショップや、俯瞰的な議論の参加者として招待されることになります。また、重要課題に関するグローバル・アジェンダを明確にするために政策立案者や民間企業のリーダーと協働する機会も与えられます。

テクノロジー・パイオニア2020に選出された企業は、日本からの2社を含む下記の通りです。

アフリカ

アジア

ヨーロッパ

ラテンアメリカ

中東・北アフリカ

北アメリカ

テクノロジー・パイオニアについて

将来的な社会福祉と、経済成長の推進にとって、イノベーションは不可欠であると、世界経 済フォーラムは確信しています。2000 年の設立以来、テクノロジー・パイオニア・コミュニティは、新たなテクノロジーやイノベーションの設計、開発、導入に携わり、ビジネスと 社会に重要な影響を与える準備ができている、世界中のアーリー・ステージからグロース・ ステージにある企業で構成されてきました。

グローバル・イノベーターについて

グローバル・イノベーター・コミュニティは、世界で最も前途有望な、テクノロジーとビジ ネスモデルのイノベーションの最先端を行くスタートアップやスケールアップ企業のグルー プです。世界経済フォーラムは、グローバル・イノベーター・コミュニティに対して、官民 のリーダーと協働して、現在の危機を乗り越え、将来的なレジリエンスを高める上での、新 たな解決策を編み出すためのプラットホームを提供しています。

グローバル・イノベーターとして招待された企業は、世界経済フォーラムの関連するプラッ トホームの内、ひとつ以上に従事し、重要課題に関するグローバル・アジェンダの明確化に 携わることになります。

<参考>
テクノロジー・パイオニアとグローバル・イノベーターについて詳しく読む
「グレートリセット」について詳しく読む
フォーラムのストラテジックインテリジェンスプラットホームとトランスフォーメーションマップを深く知る
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