組織を導く5つの方法:新型コロナウイルスパンデミック下の労働力に関する指針

発行済み
2020年04月03日
2020
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世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
Tel.: 03-5771-0067 Naoko.Tochibayashi@weforum.org

  • 新型コロナウイルスのパンデミックによる公衆衛生および経済への影響が重大な焦点となっている今、労働者そして社会への影響も同様に深刻なものとなっています。
  • 企業は、従業員の安全および支援という差し迫った問題に対処しなければなりません。
  • 刻々と状況が変化していくこの危機に企業のリーダーたちが迅速に適応できるよう、世界経済フォーラムは5つの指針と経営者の4つの責務を盛り込んだ新しいロードマップを作成しました。
  • 支援のためのアクションには、各地域の管理職への権限移譲、個人間のコミュニケーションの優先化、テレワークへのシフトの持続的管理などがあります。
  • この転換期における責任ある行動指針の枠組みの基盤となったのは、ステークホルダー資本主義です。
  • レポート詳細は、新型コロナウイルスパンデミック下の労働力に関する指針(Workforce Principles for the COVID-19 Pandemic)でご確認ください。

202041日、スイス、ジュネーブ様々な組織が新型コロナウイルスのもたらす長期的な影響に対処する中、顧客、サプライヤー、株主、そして何よりも従業員と、あらゆるステークホルダーのニーズに目を向けることが不可欠です。このような状況の中で、多くの企業には、ほとんど前例のない中で、従業員のための新しい施策を迅速に導入ことが迫られています。

刻々と状況の変わる危機において、人事担当者や企業のリーダーたちへ指針として、世界経済フォーラムは、新型コロナウイルスパンデミック下の労働力に関する指針(Workforce Principles for the COVID-19 Pandemic)を作成しました。次々展開する危機に対する事前の対応として、5つの指針および管理職の4つの責務が挙げられています。各セクションでは、推奨されるアクションがケーススタディおよび補足資料とともに示されています。本プロジェクトは、ウイリス・タワーズワトソンの協力のもと進められました。

「この危機は、大胆なアクションを起こし、リーダーシップと団結を示す機会でもあります」と、世界経済フォーラムの取締役、サーディア・ザヒディは述べています。「この指針とガイドラインに従うことで、責任ある雇用主が中長期目標とのバランスを取りながら短期的危機対策を実施できるようになります」。

具体的なアクションとしては、給与や福利厚生の保護、またリスキリング(再訓練)促進や従業員の変革目標達成に向けた研修機会の提供などが考えられます。このようなアプローチにより、組織は従業員の信頼を得ることができ、この荒波の中で組織を前に進める自発的な努力を引き出すことができるのです。

5つの指針:

  • この危機をリーダーシップを示す時と捉え、すべてのステークホルダーにできる限り最善の成果を提供し続ける
  • 目の前の状況に合わせいつでも対応を変化させられるよう、迅速で継続的な学習姿勢を身に付ける
  • 意思決定において、すべてのステークホルダー(従業員、株主、顧客、サプライヤー、労働組合、医療機関、コミュニティなど)の考え方を理解し、つながりを深める
  • 従業員の立ち位置からのウェルビーイングと企業としてのウェルビーイングの双方が重なるポイントを見付ける
  • 中期的なニーズおよび長期的な経営目標を考慮した意思決定とアクションを行う

管理職の4つの責務:

  • プランニング、ウェルビーイング、コミュニケーションの優先 基本方針・手順を明確にし、地域のリーダーやマネージャーに権限を与えて、個人間の共感的コミュニケーションを優先する
  • 従業員の経験、エンゲージメント、モチベーションの重視 誠実さと目的を持って組織を導き、従業員の声に積極的に耳を傾け、新しいテクノロジーを用いて従業員同士のつながりを深める
  • 責任ある働き方の再設計 フレックスやテレワークへのシフトを持続的に管理し、責任を持って臨時雇用を取り入れ、業界の枠を超えた人材交流を検討し、長期的なスキルアップ・リスキリング計画に取り組む
  • 短期的なコストへの懸念と中期的な回復力とのバランスをとる 最も弱い立場にある従業員の経済的ウェルビーイングに焦点を当て、従業員をセグメント化して捉え、雇用や包括的な報酬の各要素を守る

企業の基本理念へのコミットメントは、人件費やリスクマネジメントに関わる意思決定において最も試されるものであり、またそのような時にこそ最も重要でもあります。企業は、しばしば対立する様々な要求を認識し、思い切った解決策を見出さなければなりません。そうすることで組織は従業員の信頼を得ることができ、この荒波の中で組織を前に進める自発的な努力を引き出すことができるのです。

〈参考〉
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