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「週4日勤務」の世界的な試みが導き出した結果

Image: Unsplash/Campaign Creators

Stefan Ellerbeck
Senior Writer, Forum Agenda
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労働力と雇用

  • 2022年6月から12月にかけて、60社以上の英国企業の従業員が試験的に週4日勤務を行いました。
  • 参加企業の90%以上が、週4日勤務制の試験的な実施の継続を選択し、18社は恒久的な導入を決めました。
  • 週4日勤務制は、生産性を高めると支持する人がいる一方で、特定の分野では非現実的であるとの見方もあります。

週4日勤務は、良いアイデアなのでしょうか。それとも、多くの産業や働く人々にとって実行不可能なものなのでしょうか。英国では、この労働モデルに基づく史上最大の実験が行われています。

英国が週4日勤務制を導入した結果

プロジェクトに参加した雇用者の大半は、生産性のレベルが維持され、スタッフの定着率と幸福度が改善されたと述べています。事業収入はほぼ変わらず、病欠は65%減少し、71%の従業員が燃え尽き症候群のレベルが低下したと報告しています。

週4日勤務のパイロットプロジェクトは、2022年6月から12月にかけ、「100:80:100」モデルに基づき実施されました。これは、労働者が生産性を100%維持することを約束する代わりに、以前の80%の労働時間に対して100%の給与を支払うというものです。

参加した61社のうち、56社は週4日勤務制の試験的な実施を継続すると回答し、18社は恒久的に導入するとしています。

週4日勤務のトライアルに参加した企業の大多数が、この方針を継続する予定です。
週4日勤務のトライアルに参加した企業の大多数が、この方針を継続する予定です。 Image: Autonomy

このトライアルには、マーケティングや広告、金融、デジタル製造、食品小売などの分野で働く約2,900人の従業員が参加しました。この試験は、4 Day Week Globalが、オートノミー、4 Day Week Campaign、ケンブリッジ大学とボストンカレッジの研究者と協力して実施しました。

「これは、週休4日制を推進するムーブメントにおいて大きなブレークスルーの瞬間です。この驚くべき結果は、経済界のさまざまな分野で、給与を落とさない週4日勤務制が本当に有効であることを示しています」と、4 Day Week Campaignのディレクターであるジョー・ライル氏は述べています。

週4日勤務のメリットとデメリット

2021年に行われた人材紹介会社リードの調査によると、英国では8割以上の人が週4日勤務を希望していることが分かり、そのメリットは次の通りです。

モラルの向上と欠勤の減少:週4日勤務制は、燃え尽き症候群の減少につながり、従業員はより幸せに、より自分の役割に集中できるようになります。

採用活動への貢献:既存の従業員や未来雇用する従業員に対し、柔軟な勤務形態を提供することは、優秀な人材を引き付つけ、維持することつながります。

一方、週4日勤務制にはいくつかのデメリットもあると、人材紹介会社は述べています。

すべての業種に適しているとは限らない:業界によっては、週7日勤務が必要なところもあり、その場合、週4日勤務は現実的でない可能性があります。例えば、救急サービス、公共交通機関、ロジスティクスなどです。

すべての労働者に適しているとは限らない:週5日勤務制を好む従業員もいれば、残業が好きな従業員もいます。

コスト増になる可能性がある:医療など一部の分野では、スタッフが長時間のシフト勤務を余儀なくされることがあります。このような分野の企業では、人員不足を補うために残業代を多く支払ったり、スタッフを召集したりする必要が生じるかもしれません。

世界各地の週4日勤務の実験風景

ベルギー:ベルギーの従業員は、給与を減らされることなく、フルタイム勤務を週4日間で行う権利を得ました。人々は、週に4日働くか5日働くかを、個人の希望に沿って決めることができるようになります。

ニュージーランド:消費財大手ユニリーバは、ニュージーランドで18ヶ月間実施した試験的な取り組みで良い結果が得られたことを受け、オーストラリアでの事業にも週4日勤務制のトライアルを拡大することを発表しました。「ニュージーランドにおけるトライアルでは、収益の伸びをはじめとすた事業目標に対する良好な結果が得られ、大多数の従業員が仕事にしっかり取り組めていると感じ、欠勤率は34%減少したと報告しています」と、同社は述べています。

アイスランド:2015年から2019年にかけて、アイスランドでは週4日勤務のトライアルが実施されました。参加した2,500人の労働者が、健康状態やワークライフバランスの面で幸福度が向上したことが分かりました。


より凝縮された週4日勤務制への願望は、米国でも強いようです。2019年に、調査会社ユーガブ・アメリカが実施した36,000人のアメリカ人を対象とした世論調査では、回答者の3分の2が、一日の労働時間が長くなったとしても、週4日勤務を希望していることがわかりました。

多くのアメリカ人は、週4日勤務を希望しています。
多くのアメリカ人は、週4日勤務を希望しています。 Image: YouGov

労働日数の短縮は、過去にも

週休2日制は、1914年にヘンリー・フォードが自動車生産を6日制から5日制に変更することを提案したことに由来しています。20世紀に労働組合ができたことで、週に5日働き、2日休むことが当たり前になりました。


IZA労働経済研究所の調査によると、米国では1973年から2018年にかけて、週4日勤務が3倍になり、800万人もがこうした働き方をしているといいます。数の増加は、人口動態や産業構造の変化によるものではなく、むしろ労働者と雇用者が好んだ方法の結果であったと、この研究は指摘しています。

米国では1973年から2018年にかけて、週4日勤務が3倍に増えた。
米国では1973年から2018年にかけて、週4日勤務が3倍に増えた。 Image: IZA Institute of Labor Economics

発想を新しく

2022年5月に、ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会で、マンパワー・グループの会長兼CEOであるヨナス・プライジング氏は、従来の週5日間、9時から17時まで働く従来の働き方は「フォードのモデルTよりも古く見える」と語りました。

プリシング氏は、すべての兆候は、仕事の定義が進化していることを示しているとし、企業が従業員の要望に耳を傾け、学び、適応する必要性を強調しました。週休4日勤務制は、この分野における最新のポジティブな変化であると彼は考えています。

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