• パンデミックによって、若者の間にすでに存在していたスキル格差が拡大し、何百万もの若者が雇用機会へのアクセスが不十分な状況に置かれています。
  • グローバルな若者は、労働力の概念を変えつつあります。ただし、そうした変化を起こすには、これに必要なスキルを身に付けるためのサポートが必要です。
  • PwC、ユニセフ、ジェネレーション・アンリミテッドは、最新の報告書「リーチングYES」においてスキリングの課題を取り上げ、若者の機会創出のためにすべてのステークホルダーが協力するよう呼びかけています。

世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染拡大をグローバルなパンデミック(世界的大流行)と宣言してから2年が経過しましたが、今もなお私たちは健康、社会、経済への影響に直面しています。パンデミックは生き方を変えただけでなく、将来のあり方を考えるきっかけにもなりました。パンデミックの波が押し寄せる中、私たちは絶えず変化する危機へ適応することを学んでいるのです。

猛威を振るい続けるパンデミックが世界に影響を与え続けていますが、その多くはこの先も何年も続くと予想されます。特に、教育や雇用、次世代の将来に備える能力に、大きな影響が及ぶでしょう。

パンデミックによる、若者のスキリングの課題への影響

パンデミックの発生前も、教育や労働の現場では将来的な職業スキルを若者に身に付けさせることに苦戦しており、約2億6,700万人の若者(15〜24歳)がニート(就業も就学もせず、職業訓練も受けていない)状態にありました。

パンデミックは既存のスキル格差を拡大させたに過ぎず、今や何百万もの若者、特に社会から疎外された若者が、教育やスキルアップの機会を十分に得られない状況に置かれています。

若年人口は増加しているにもかかわらず、その労働参加は徐々に減少しているのです。さらに、正式に雇用されていても、不完全就業状態だったり、その保有スキルが雇用主のニーズに合っていなかったりすることも珍しくありません。また、インフォーマル経済で就業している若者もおり、多くの場合、低賃金、危険な労働条件、雇用保障がほとんどないといった問題を抱えています。

このような失業や不完全就業は、二極化の進行、制度に対する信頼低下、社会不安など、社会全体に広く影響を及ぼす可能性があります。世界の若者はよりよい状況に置かれるべきであり、若者が確実にグローバル経済に参加できるよう、私たちは役割を果たさなければなりません。このスキリングの課題が急を要することを企業、各国政府、NPO、NGOも含めた全員が認識し、よりサステナブルな未来のためにすぐに準備することが必要です。

具体的には、52%の若者(18~24歳)が伝統的な雇用が将来的に存在しなくなることに同意、または強く同意しています。今後は自身の個人ブランドを育て、必要とする人に短期ベースでスキルを売り込むことになると若者が考えているからです。また若者の62%が、自動化によって多くの人の仕事がリスクにさらされることに同意、または強く同意しています。

3つの主なスキル格差を特定

世界の若者は職場や労働力の概念を変え、スキルを使ってこれまでにない驚くような方法で経済に影響を与えることに関心を持っています。しかし、そのためには、将来の仕事や技術に適用でき、かつ地域や産業レベルに合ったスキルを身に付けるための指針が必要です。

現在、若者がグローバル経済で成功するために克服すべきスキル格差が3つあると言われています。私たちはその克服に向け、若者を導くことが必要です。

- デジタルな未来の仕事に必要とされるスキルを見極めること

- 足掛かりとなる前提条件も含め、若者のスキル習得を支援すること

- 若者が習得したスキルを認定する制度をつくること

イメージ: PwC

スキル格差の解消

これらの格差を解消するには、知見、研究、リソースやベストプラクティスを、パブリックセクター、企業、教育者、若者の間で共有するといった、社会全体にわたるアプローチが必要です。格差解消のため、私たちは次の4点を目標として設定しました。

1)一般的スキルとカテゴリーの分類基準、およびスキル適性の測定手段を備えたスキル・マッピング・システムの国家レベルでの創設

2)企業研修を活用した、国家レベルのスキル向上エンジンの構築。このエンジンは、効率的かつスケーラブルで安価な、企業で実証済みのアップスキリング(技能向上)プログラムと政府の政策フレームワークを特徴とします。

3)若者が自分のスキル証明情報を登録、保存できる、安全な分散型台帳やブロックチェーンのような国のデジタルスキル検証トラストプラットフォームの構築

4)主要ステークホルダー間の情報共有を向上させるスキルフォーラムの開発。雇用市場の動向に対応し、スキル格差、スキリングプログラム、若者の成功に必要なスキルを特定します。

イメージ: PwC

私たちには新しい道を切り開く貴重なチャンスがあるのです。不朽の原則があるとすれば、それは「変革は次世代の手に委ねられている」ということです。そのためには、若者のために機会を創出し、一段と包摂的なよりよい未来への道を切り開くことに、すべてのステークホルダーが力を尽くすことが必要なのです。

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<参考>

2018年に国連事務総長によって立ち上げられたジェネレーション・アンリミテッドは、世界の1024歳の若者18億人にスキルを与え、若者を雇用、起業、社会的インパクトの機会に結びつけることを使命とする、官民のユース・パートナーシップです。ユニセフを軸に、各国首脳、最高経営責任者(CEO)、国連機関トップ、市民団体代表者などのグローバル組織やリーダーたちと若者が連携して、グローバル規模で革新的な解決策をつくり、提供します。

PwCは、PwCネットワークおよび1社以上のメンバー企業、またはそのいずれかを指すもので、各メンバー企業は個別の法人です。詳細は、www.pwc.com/structureをご覧ください。PwC2020年、ユニセフとともにジェネレーション・アンリミテッドを支援する3年間の戦略的グローバルコラボレーションを立ち上げ、全世界の数百万にのぼる若者のアップスキリングを支えることを目指しています。このコラボレーションには官民両セクターと市民社会のステークホルダーが集まり、若者が生産的な未来と積極的に関与する市民としての道を歩めるようサポートするプログラムやイノベーションを考案するとともに、スキルに関わるグローバルな課題ついて調査を行います。このほか、PwCとユニセフは、ジェネレーション・アンリミテッドを支援するために、協力してインドと南アフリカで若者を対象とした教育およびスキルプログラムの開発、拡大、資金調達を行っています。