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人道支援の再構築―危機下の支援を改善する5つの方法

青空を背景に、破壊された建物の瓦礫の中に、一人の女性が立っています。人道支援の「リセット」は、危機発生初日からコミュニティで起こる事象を再設計する助けとなります。

人道支援の「リセット」は、危機発生初日からコミュニティで起こる事象を再設計する助けとなります。 Image: UNDP/PAPP

Shoko Noda
UN Assistant Secretary-General, UNDP Assistant Administrator and Director of the Crisis Bureau, United Nations Development Programme (UNDP)
  • 世界中の人々が紛争や気候変動の影響と向き合い続ける中、人道支援は減少傾向にあります。
  • こうした環境下では、危機を一時的な混乱として対応するだけではもはや不十分です。
  • 人道支援の「リセット」が必要であり、支援の提供方法を再構築し、危機発生初日から焦点、効率性、優先順位付けを改善しなければなりません。

紛争は長期化しています。気候変動の影響は激化しています。人道支援の必要性は高まっています。現在、世界中で2億3,900万人が緊急対応を必要とする危機的状況に直面しています。

一方、人道支援資金は需要に追いついていません。国連人道課題調整事務所(OCHA)による2025年のグローバル・アピールでは、32カ国および9つの難民受け入れ地域における救命支援のために、470億ドルの資金調達を要請。しかし、実際に集まったのはわずか120億ドルと、過去10年間で最低の資金調達額となりました。

ニーズとリソースの間のギャップは拡大する一方で、国際援助システムは不快な現実と向き合っています。危機を一時的な混乱として対応するだけではもはや不十分だという現実です。緊急事態が長期化し、繰り返し発生する中で、私たちの対応方法を変える必要があるのです。

人道支援の「リセット」とは

この認識が人道支援の「リセット」を呼び起こしました。この人道支援システムの改革は、より重点的、効率的かつ優先順位を明確にした人道支援の提供方法を再考する取り組みです。ただし、この改革が目指す目標を達成するためには、危機発生の初日から地域社会で起こる事象そのものを再構築する必要があります。当初から、人道支援と並行して、長期的な復興とレジリエンスの基盤構築を可能にするものでなければなりません。

この目標を具体化する5つの方法は、以下の通りです。

1. 早期復興を優先する

早期復興とは、人道支援が継続する中で、生活に不可欠なサービス、生計手段、地域システムの回復を図り、コミュニティが危機の終結を待たずに再建を始められるようにすることです。これは緊急対応と長期的な開発の橋渡しとして不可欠です。

ガザではこの実現が可能であることが示されています。医療サービス、教育、食料生産、地域社会に基づく事業を支援する緊急雇用プログラムにより、15,000件以上の臨時雇用機会が創出されました。これにより、収入を得ながら、こういった生活に不可欠なサービスを提供することが可能となります。同時に、瓦礫の撤去により道路が復旧し、住宅などの重要なインフラ整備のための土地が整えられて、人々を力づけ、希望がもたらされました。

サービスが継続的に提供され、生計手段が維持され、インフラが機能し続けて初めて、コミュニティは危機を乗り越えることができるのです。

2. 人道支援の移行に向け初期段階から計画する

危機対応が人道支援から長期的な開発へと移行する際、外部主導の支援から政府やコミュニティが管理する国内主導の対応へと、責任を段階的に移行する必要があります。

この「人道支援の移行」と呼ばれるプロセスには、初期段階からの意図的な取り組みが必要です。開発支援者と人道支援者は、この移行過程で進展が失われないよう協力し合わなければなりません。

早期復興を通じて、ガバナンス、サービス提供、地域経済の活性化に対する責任を再開する地方自治体の準備が整います。同時に、雇用創出、技能習得支援、心理社会的支援が、人々が自信と共同体意識を取り戻す力となります。地方機関が強化され、コミュニティが参加するにつれ、地域主導の進歩の基盤が回復し、人道支援からの移行を加速させることが可能となるのです。

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例えばイラクでは、時間の経過に伴い人道支援のニーズが変化する中で、増加する需要を管理するための地域システムの強化に焦点を合わせた移行計画が進められてきました。490万人の避難民が帰国する中、安定化の取り組みにより、地方当局がサービスとインフラ管理の責任を再開する力を得ると同時に、コミュニティ主導のプログラムが再統合と社会的結束を支援しました。これにより、国際支援が縮小する中で、国家機関と地方機関が確実に準備を整えることが可能となりました。

3. ニーズの削減を重視する

人道支援は人命救助に不可欠ですが、その成功は外部人道支援への依存がどれだけ迅速かつ持続的に減少するかで測られるべきです。開発が遅れると、政府やコミュニティは長期的なレジリエンスよりも、差し迫った危機への対応に注力せざるを得なくなります。その結果、新たな衝撃に対処するための資源が不足し、外部支援への依存が持続することになります。

自立の基盤構築に早期に投資することで、この悪循環を断ち切る一助となります。国際通貨基金(IMF)の調査によると、紛争の予防に1ドルを投資するごとに、紛争関連コストとして発生する可能性のある26ドルから103ドルを節約できると推定されています。実際には、これは、将来の危機に対する耐性を高めると同時に、レジリエンスの高い生計手段の支援、ガバナンスの強化、必須サービスの維持を行うことを意味します。

ニーズの削減は、人道的支援の縮小を意味するものではありません。それは、国家システムを回復させ、地域の能力を構築し、危機の根本原因に対処しながら将来のリスクを低減するような形で、緊急支援プログラムを設計することを意味します。

4. 国家および地域のリーダーシップを強化する

長期的な進展は、機関やコミュニティが自ら意思決定を推進し、ニーズを管理できる能力にかかっています。国家および地域の関係者が計画立案と調整を行う能力を備えることにより、危機対応はコミュニティのニーズにより適切に合致し、持続可能性が高まるでしょう。

ウクライナでは、紛争の影響を受けたコミュニティが、サービスセンターとコミュニティの拠点の両方として機能する地方行政スペースを復旧。住民が帰還するにつれ、これらのスペースは地方当局が社会サービス、コミュニティ計画、日常的なガバナンスを調整する上で役立っています。これにより、住民や市民社会団体と連携し、優先事項を特定し、資源を配分することが可能になります。

このように、物理的インフラと並行してガバナンス能力を再構築することは、コミュニティが変化するニーズに対応し、自らの未来を形作る上で役立つでしょう。強力な地域リーダーシップは継続性を生み出し、長期にわたる進捗の維持に貢献します。

5. 企業の関与を高める

企業は、復興における重要なパートナーです。企業、投資家、地元企業は、開発関係者と連携しながら、市場の回復、雇用創出、地域経済活動の再開を支援する、第一対応者としての役割を果たすことがよくあります。危機がより複雑化し、従来の援助資源への圧力が高まる中、大規模な復興支援には企業の参加が不可欠です。

空港の危機対応能力を強化する取り組みがその好例です。この取り組みは、国連開発計画(UNDP)、DHLグループ、国際空港評議会(ACI)による官民連携の事例として2009年に設立。これまでに28カ国60以上の空港で実施されています。民間航空およびサプライチェーンの専門家たちが、空港当局や災害管理担当者をトレーニングし、救援物資や緊急要員の急激な増加に対応できるようにしています。これにより、危機時においても人道支援活動が機能することが可能となります。

人道支援と開発が交わる場所

コロンビアで、数十年にわたる紛争と避難生活によって人生が形作られてきた人々に会う機会がありました。かつては敵対関係にあった彼らが、今や共にテーブルを囲み、信頼を再構築し、未来を語り、構想を共有しています。

彼らの歩みは、人道支援、対話、開発が一体となり、コミュニティの前進を支える可能性を示しています。特に印象的だったことは、地域のリーダーシップと機会が、脆弱な進歩を持続的な変化へと転換する一助となっている点です。

人道支援の「リセット」を行う真の意義は、復興を連帯と持続的進歩への道筋へと変えることにあるのです。

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