コロナ明けのインフレリスク、意識するならいつか
コロナ禍からの出口は、まだ見えない。しかし、多くの国でワクチンの接種が始まったことなどから、今年後半以降の世界経済に一定の期待が持てるようになってきたことも確かである。
コロナ禍からの出口は、まだ見えない。しかし、多くの国でワクチンの接種が始まったことなどから、今年後半以降の世界経済に一定の期待が持てるようになってきたことも確かである。
米国の連邦準備理事会(FRB)は年に2回、金融安定報告書を公表している。先月公表された最新版では、気候変動リスクに関する詳しい記述が初めて盛り込まれた。タイミングが大統領選挙におけるバイデン氏の勝利とも重なり、米国の環境政策シフトを象徴しているようでもあった。
欧州中央銀行(ECB)は、9月の政策理事会で、マイナス金利の深掘りや資産買い入れの再開を軸とする包括的な緩和パッケージを決定した。マイナス金利の深掘りは広く予想されていたが、資産買い入れの再開は微妙な情勢にあった。国債を買い進むのが技術的にも難しくなりつつある中で、あえてそこに踏み込まざるをえないほど経済は悪くない。実際、資産買い入れについては、政策理事会で多くの反対意見...