「コロナショック」に高まる不安、5つの緊急対応策
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、株安が止まらない。2008年のリーマンショックと比較すると、今回の「コロナショック」は感染拡大がどこまで続くのかわからないという点が特徴となっており、「下がったら買い」という市場の定石が通用しない。政府は五月雨的に対策を表明しているが、それがかえって「場当たり」の印象を与え、混乱が拡大しているようにさえ見える。
新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、株安が止まらない。2008年のリーマンショックと比較すると、今回の「コロナショック」は感染拡大がどこまで続くのかわからないという点が特徴となっており、「下がったら買い」という市場の定石が通用しない。政府は五月雨的に対策を表明しているが、それがかえって「場当たり」の印象を与え、混乱が拡大しているようにさえ見える。
新型コロナウイルスの国内感染者が増加し続けている。これまで日本経済に与える影響は、中国を最大の発生源として、そこからの波及を念頭に想定されてきたが、どうやら様子が変わってきた。最も大きな要因は、感染者増大を防ぐための各種イベントの取りやめに代表される「コロナ自粛」だ。
新型コロナウイルスによる肺炎患者が拡大を続け、中国経済だけでなく、世界経済の先行きに大きな影響を与え出している。今後の展開を占う上で最も重要な点は、いつ、「ピークアウト宣言」ができるかだ。3月末までにメドが立てば世界の株価は急回復するとの楽観論がある一方、6月になっても感染拡大が継続すれば、「世界の工場」の低稼働率で世界経済が1%成長に低迷することも想定すべき事態になるだろう。
2020年の日本経済にとって、極めて重要なチャレンジは生産性の引き上げだ。少子高齢化の流れが止まらない中で、国内総生産(GDP)を維持し、引き上げていくには生産性の引き上げが不可欠となる。それによって賃金引き上げの「下地」を厚くし、縮小均衡への転落を阻みたい。生産性が低いと言われ続けている中小企業へのクラウド導入を大幅に促進し、国内経済の底上げを図ることが重要である。
直近で公表された日本の経済データは、弱い数値が目立つ。詳細にみると、経済のエンジンが不調となり、循環的に回復しないリスクが高まっていることがわかる。しかし株式市場はそれに目を向けることなく、年末高値を追っている。衰退リスクに自覚症状のない今の現象を「日本病」と呼びたい。この病気は予想外に進行している。
政府・日銀は欧州連合(EU)にならって、気候変動に絞ったストレステスト(健全性審査)を金融機関に課し、今から自然災害リスクへの備えを厚くするべきだ。超低金利環境の長期化と人口減少、AI化の流れで収益環境が悪化している大手銀や地銀にとって、温暖化という力は、対応を誤れば、経営の致命傷にもなりかねない。