日本の供給網にコロナ直撃の恐れ、東南アで感染拡大
東南アジアで新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかわず、生産拠点を置く日本企業のサプライチェーン(供給網)に重大な懸念が生じつつある。長期化した場合、自動車だけでなく半導体や機械など幅広い業種の生産下押しになりかねない。日本の景気回復が輸出頼みとなる中、大きな打撃になるリスクが急浮上している。
東南アジアで新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかわず、生産拠点を置く日本企業のサプライチェーン(供給網)に重大な懸念が生じつつある。長期化した場合、自動車だけでなく半導体や機械など幅広い業種の生産下押しになりかねない。日本の景気回復が輸出頼みとなる中、大きな打撃になるリスクが急浮上している。
ポストコロナの世界的な景気回復によって国際商品市況が大幅に上昇する中、日本国内の消費者物価(除く生鮮、コアCPI)は5月が前年比マイナス0.1%と小幅低下した。企業の価格転嫁が進んでいないためだが、この先も売上減少を懸念する企業が値上げせず、CPIは低迷しそうだ。価格据え置きは消費者にとって好ましく見えるが、企業は雇用カットや賃金抑制で対応する可能性があり、「負のスパイラ...
新型コロナウイルスの打撃からいち早く回復を始めた米国や中国では、「ポストコロナ」を見据え、デジタルや環境分野に大規模な資金を投入する動きが活発化している。ところが、日本企業は足元で設備投資がマイナスを続けている。特に次世代の競争力強化に欠かせない電気自動車(EV)や半導体関連で大規模な投資がなく、このままでは競争力が低下することは目に見えている。
菅義偉首相は7月末までに高齢者向けのワクチン接種を終了させ、9月末までに希望する全国民向けの量を確保し、「ワクチン対応」を新型コロナウイルスの感染拡大抑止の切り札にしようと決断したようだ。ただ、足元では東京都、大阪府など大都市圏で感染者の急増が止まらず、重症者の対応ができない「医療崩壊」が迫っているとの指摘もある。
新型コロナウイルスは今なお感染収束のめどが立たず、大手企業が資産売却に踏み切るなど、日本経済の体力を確実に奪っている。ワクチンの普及とともに夏までに感染者が減り、夏休みの旅行需要とともに消費は盛り返すとの期待が聞かれるが、接種が主要7カ国(G7)で最も遅れている日本では、懸念される感染第4波の時期や規模のコントロールが難しい。夏までに「逃げ切れる」との思惑とは裏腹に、夏場...
世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による経済的な打撃から立ち直った中国や、景気刺激策の効果で急速な回復が期待される米国などの影響で商品価格が上昇し、久方ぶりに世界的なインフレへの懸念が浮上している。対照的に日本国内ではコロナ禍の影響が長引き、デフレ的な色彩がジワジワと強まってきた。
業種によって明暗が分かれる現在の日本経済の姿は「K字回復」と呼ぶことができる。L字に転落しなかったのは、先行して景気拡大が続く中国経済からの恩恵を製造業が享受したからだ。その日本経済のメリットを認識した米欧系の投資家が足元で日本株を買い上げ、日経平均はいったん3万円台を回復した。日米欧の超金融緩和政策はしばらく継続するとみられ、K字回復の下での株高基調も当面は維持されそうだ。
新型コロナウイルス感染が拡大する中で、富裕層を中心にした預金が急増し、コロナの感染収束時における消費の急拡大を予想する声が市場の一部にある。他方、非正規雇用の人たちを中心に所得環境は厳しさを増しており、日本国内でも第2次世界大戦後に経験したことのない富裕・貧困の二極化に直面している。
新型コロナウイルスのワクチン接種の進展具合が、日本経済の回復シナリオに大きく影響しそうだ。政府が公表しているワクチン接種に関する「ロードマップ」には不明な点が多いが、今年中に接種終了が困難な場合、対面サービスの比重が多い非製造業の業績が下振れし、米欧に比べて日本の成長率が大幅に下方屈折するリスクが高まるだろう。
政府が7日に緊急事態宣言を発令した。国内経済への影響は相応に発生し、今年1〜3月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長になる可能性も出てきた。政府が編成した2021年度予算案では、ポストコロナ前提で予備費は5兆円しかなく、新たな打撃に「窮屈」な対応を余儀なくされる。10万円の特別定額給付金の再交付は、予算の組み替えなしにはできない。
欧州で新型コロナウイルスの感染者が急増し、各国では都市封鎖(ロックダウン)の検討が始まった。米国でも中西部を中心に感染拡大が続いており、欧米では「第2波」が襲来したと受け止められている。一方、感染者数が一進一退の日本では「Go To トラベル」の延長検討がささやかれ、欧米の動向は「対岸の火事」との受け止めだ。
日米ともに株価下落に直面している。単なる調整との声が上がるものの、市場は個人消費の先行きに隠されているリスクに対して敏感に反応したと指摘したい。
5月に緊急事態宣言が解除され、経済活動が本格的に再開され出したが、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費の回復テンポが鈍い。背景には不透明感の強い雇用・所得環境が影響しているとみられるが、ここにきて東京都での新型コロナウイルス感染者が急増。夏休みのレジャーに大きな打撃になりかねない状況となってきた。ところが、政府は目立った消費対策を検討しておらず、「後手に回る」危険性...
新型コロナウイルスへの不安に覆われた世界の金融市場は、いったん小康状態に入った。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁による声明や、米連邦準備理事会(FRB)の緊急利下げなど、「止血剤」が効果を発揮した形だ。それでも、新型ウイルスの感染がいつピークアウトするか、情勢は不透明なままだ。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界経済が2008年のリーマンショック以来となる打撃を受けようとしている。主要7カ国(G7)は3日に財務相による電話会議を行ったが、仮に流動性対応も含めた緩和策が打ち出されたとしても「止血剤」にしかならないだろう。感染拡大から終息に向かうまでどの程度の時間がかかるのか、それとの競争という面が否めない。