公正、多様性、包括性

5つのチャートから見る、世界の若者の雇用状況2024

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未だに多くの若者が仕事を見つけるのに苦労しています。 Image: Unsplash/Priscilla Du Preez 🇨🇦

Madeleine North
Senior Writer, Forum Agenda
  • 世界的に若者の雇用状況はここ数年で改善されたものの、6,500万人もの若者未だ就業していないことが、新しい報告書で明らかになりました。
  • 若者が仕事を見つけるのが難しい理由のひとつは、取得した資格と今日求められている仕事のスキルとのミスマッチです。
  • 政策立案者、教育者、雇用主は、デジタルスキルとAI人材の世界的な不足に対処しなければならないと、世界経済フォーラムの報告書「学習の未来を形作る:教育4.0におけるAIの役割(Shaping the Future of Learning: The Role of AI in Education 4.0」は述べています。

初めての仕事を探している若者にとって、明るいニュースがあります。15~24歳の若者の世界的な労働市場がここ数年で改善し、上昇傾向にあるのです。

上記の傾向は、国際労働機関(ILO)による最新版の『若者の世界雇用動向』報告書の結論として示されています。

このように楽観的な見方ができる一方で、若者の失業率は現在13%であり、約6,500万人が仕事に就いていないことを意味します。また、すべての人が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後に雇用回復を経験しているわけではない、とILOは報告。「特定の地域の若者や多くの若い女性は、景気回復の恩恵を受けていません」と述べています。

世界的な若者の雇用の現状を示す5つのグラフを以下に紹介します。

Global Employment Trends for Youth 2024
開発途上国におけるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)へのアクセスには、改善の余地があります。 Image: ILO

若者雇用における亀裂

若者の失業率は過去15年間で最低の水準にあり、表面的には大いに喜ぶべき状況であるように見えます。その一方で、2023年には若者の5分の1が非就業・非教育・非訓練であり、NEET(ニート)の状態に置かれているのが現状です。さらに驚くべきことに、ニートの3分の2は女性であり、一部の開発途上地域では、パンデミック以降、若者の失業率が上昇しているとILOは指摘しています。

仕事を確保したとしても、若年労働者の半数が非正規の短期雇用であることも判明しました。

ILOによれば、ニート率の高さは、安定した雇用の欠如と相まって、これまでの中で最も教育水準の高い世代が抱える不安を助長しています。

「若者が望むもの」に関する最近の調査において、大多数が仕事に就くための教育や技能を優先していることが明らかになりましたが、これも驚くべきことではないのです。

「平和な社会は、安定、包摂、社会正義という、核となる3つの要素に依存しており、若者にとってのディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)は、これら3つの中心にあるのです」と、ILO事務局長のジルベール・F・ウングボ氏は述べています。

Inequalities of opportunity
若年成人の安定した雇用は主に高所得国で見られます。 Image: ILO

地域による違い

北米や欧州地域が比較的低い若年失業率を維持している一方で、後退している地域もあります。報告書によれば、アラブ諸国、東アジア、東南アジア・太平洋地域では、若者の失業率は2019年よりも2023年の方が高くなっているのです。

アフリカは、人口学の専門家が「若者の変革」と呼ぶ、「若者の主体的な関わりが文化・政治・社会にもたらす劇的な変化」に向かっています。北アフリカでは失業率が「危機的な高さ」となり、サハラ以南のアフリカにおいては若年成人の4分の3近くが不安定雇用から抜け出すことができず、依然として不利な状況に置かれているのです。

正規の有給労働に就いている若年労働者(25~29歳)の数を比較すると、高所得国と低所得国においてそれぞれ5分の4と5分の1となっており、ここでも格差が顕著であることがわかります。

Global challenges
若者の3分の2が仕事の状況に不安を感じています。 Image: ILO

教育のミスマッチと技能格差

若者の失業がこのような水準に達している理由のひとつは、取得する資格と、今日の雇用が求めるスキルとの間に乖離があること。ILOは、「中所得国では、高学歴の若者の数が高技能者の仕事の数を上回り始めたため、教育のミスマッチが増加している」と述べています。

世界経済フォーラムの「仕事の未来レポート2023(Future of Jobs Report 2023)」によると、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、AIといった最新技術を導入している企業は75%に達しており、一部の若者が取り残されているのも不思議ではありません。

Workforce strategies, 2023-2027
未来の労働力にはトレーニングが重要です。 Image: 世界経済フォーラム

何が解決策となるのか

専門家は、トレーニングが重要であると認めています。世界経済フォーラムの報告書「学習の未来を形作る:教育4.0におけるAIの役割(Shaping the Future of Learning: The Role of AI in Education 4.0)」は、「生成AIおよびその他の新興技術がもたらす潜在的な経済効果は有望である一方で、その価値を引き出すには、デジタルスキルとAI人材の世界的な不足という最も大きな障壁に対処することが重要である」と述べています。

Education 4.0 Framework
教育4.0は、若者が将来必要とする技術やソフトスキルを身につけることに焦点を当てています。 Image: 世界経済フォーラム

ILOの報告書によれば、「教育のミスマッチを減らす上で、若者がグリーンスキルおよびデジタルスキルに対する需要の進化に対応できる能力を身につけることが非常に重要」です。

この報告書はまた、政策立案者に対し、仕事の未来に関するあらゆる決定に「若者の声」を取り入れるよう求めています。

今後は、教育関係者や雇用主を含むすべての利害関係者が緊密に協力し、「特に若い女性の雇用を目標に」雇用創出を促進しなければならない、とILOは提言。

「教育とまともな仕事への平等な機会が得られなければ、何百万人もの若者がより良い未来へのチャンスを逃してしまう」と、ウングボILO事務局長は警告しています。

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若者雇用における亀裂地域による違い教育のミスマッチと技能格差何が解決策となるのか

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