6人のCEOが伝える、最高のキャリアアドバイス
過去を批判することなく、従業員が未来に向き合えるよう支援することができるアプローチがあります。 Image: Unsplash/Javier Allegue Barros
- キャリアアドバイスは、物事の見方や仕事への取り組み方を根底から変える力を持っています。
- 私たちの仕事や生活は、テクノロジー、仕事、社会の変化を通じて日々変化しており、適切なアドバイスを受けることはこれまで以上に重要です。
- 6人の最高経営責任者とリーダーたちが、これまでに受けた最高のアドバイスを紹介します。
人生や仕事に関するアドバイスのすべてが役立つものであるとは限りませんが、アドバイスが私たちの視点を一変させることもあります。
世界経済フォーラムの「仕事の未来レポート2023(Future of Jobs Report 2023)」は、経済環境の急速な変化が、私たちのプライベートや仕事生活を根本的に変えつつある今、アドバイスの重要性は増していると強調しています。
リーダーたちが、世界経済フォーラムのポッドキャストシリーズ「Meet The Leader」で語った、キャリアを歩む上で最も大切にしてきたアドバイスを紹介します。
1. 自分は世界のどちら側に属しているのか
アストラゼネカのレイフ・ヨハンソン元会長は、自分のチームが失敗をした考え、批判したときのことを話してくれました。彼の上司は、同じ意見を持ちつつも次のようなアドバイスを彼に贈りました。
自分の周りの人の半分以上はバカだと思うようになったときは、自分自身がどちら側の人間なのか、考えてみなさい
ヨハンソン氏は、このアドバイスのおかげで、仕事における失敗への向き合い方が変わり、批判的になりすぎることがなくなったと話します。この考え方によって、過去を批判するのではなく、未来に目を向けることができるようになったのです。
2. 仲間を得る
ノバルティスで、インターナショナル地域(米国以外)のイノベーティブメディスンのプレジデントおよびチーフ・コマーシャル・オフィサーを務めるマリーフランス・テューディン氏は、変化の管理や、チームの「賛同」を得ることに慣れていました。彼女が働き始めたころに、出身大学の教授の一人に次のような言葉を言われたと言います。
最高の製品、最高の戦略、最高のリーダーシップがあっても、共に手を取り歩んでくれる人がいないと何も起こりません
キャリア全体を通じて、自分の基盤を形成してくれたのがこのアドバイスだったとテューディン氏は話しています。
「人々が喜んで自分について来てくれるようにするためにじっくり時間をかけることは、大きな効果があります」「最悪なことは、時代が変化するとき、自分がそこにいないとなることです」と、テューディン氏。
3. 完璧でなくてもいい
人生においてもビジネスにおいても、多くの人が完璧を目指そうとしますが、この良かれと思われる目標が、足かせになることがあります。障がい者排除をなくすための活動留守ビジネス団体、ザ・バリュアブル500(The Valuable 500)の創始者であるキャロライン・ケーシー氏が学んだのは、完璧でないほうがより良い結果を生む場合もあるということでした。
80%で十分だということを忘れないでください。あなたの歩みを邪魔しているものは、完璧主義なのです
こうアドバイスしてくれたのは、フォーチュン200社の最高経営責任者(CEO)である彼女のビジネス・メンターでした。その人はケーシー氏の向上心やビジョンを賞賛した上で、モメンタムを高めるためには、完璧より少し劣る状態で心地よくいられることの大切さを教えてくれました。
「あなたの邪魔をしているのは、完璧主義なのです。邪魔が入らないようにしてください」とケーシー氏は強調しました。
4. 口笛を吹くと何が起きるか
フェイスブックの親会社であるメタ社のグローバルビジネスグループ責任者、ニコラ・メンデルゾーン氏は、不治の血液がんを患っています。仕事の責任と病という2つの課題に対処する上で役立ったアドバイスを教えてくれました。
泣いているときは、口笛は吹けない。もうこれ以上は無理と思うときもあるけど、口笛を吹いてみると、同時に泣くことはできないのです。これは間違いありません
メンデルゾーン氏は座右の銘として、エレノア・ルーズベルトのモットーである「できないと思うことに挑戦してみる」も挙げ、次のように語りました。
「そのようなことをする時には恐れがあるのですが、それが自分にとって一番学びが大きい時でもあるのです。そうやって自分を奮い立たせて頑張ると、後に振り返って、やり遂げることができた自分を誇りに思うのです」。
5. 恐れを乗り越える
自動運転車テクノロジーを専門とするハロ・カーの最高戦略責任者であるカサンドラ・マオ氏も、コンフォートゾーンから抜け出すことが大事と考えています。
「私は、居心地が悪いと感じるような経験を心から楽しみ、向き合います。積極的にそのような体験を求めていく理由は、居心地が悪いということは、何か新しいことに挑戦している証であることが多いからです。新しいことに挑戦することは、成長の第一歩です」
彼女のベストアドバイスは、「恐れを感じても、とにかくやってみること」。
「恐れること自体は問題ありません、恐れは情報なのです」「ですが、恐れによって自分の行動が左右される必要はないのです」と、マオ氏。
6. 情熱を持つ
ソフトウェア・エンジニアであり、現在は、次世代航空機メーカーのブーム・スーパーソニックを率いるブレイク・ショール氏は、常に情熱を追い求めてきました。「私には、超音速飛行機を作るための経歴はありませんでした」。「一年間かけて飛行機設計と航空経済学の基礎を独学で学んだ結果、私にはそれができることが分かりました」と、ショール氏は話します。
一つのテーマに特化し、時間をかけてその道の専門家になるのという従来の考え方を「自分で自分に限界を作るもの」とショール氏は述べ、「能力や知識は非常に変わりやすいですが、情熱はそうではありません」と指摘します。
情熱に従って行動し、情熱の赴くままに知識や技術を身につけるほうが、はるかに効果的なのです
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