「グリーン」をめざして - ダボス・アジェンダ2022 <3日目>
オラフ・ショルツドイツ首相は、クラウス・シュワブ教授との対話、特別講演を行いました。 Image: 世界経済フォーラム/Pascal Bitz
- ダボス・アジェンダでは、ドイツのオラフ・ショルツ新首相、ラテンアメリカ各国のリーダー、そしてエネルギー転換と気候変動イノベーションの加速についての講演およびセッションが行われました
- グローバルな協力体制、クリーンエネルギーへの移行、イノベーションの役割などが重要なポイントとなりました
- 今日のポイントをご紹介します
「ダボス・アジェンダ」も半分が過ぎました。今日は、ドイツの新首相であるオラフ・ショルツ氏の特別講演が行われました。
また、コロンビア、コスタリカ、エクアドル、グアテマラ、ペルーの大統領が参加したラテンアメリカに関するセッションや、ビル・ゲイツ氏、ジョン・ケリー氏などが参加したエネルギー転換、気候変動イノベーションの加速などのセッションも開催されました。
議論が交わされたのは、主に環境と地球の未来について。ここでは、3つの重要なポイントをご紹介します。
グローバルなコラボレーションとアクション
オラフ・ショルツ首相は、「我々はもはや、最も遅く、最も野心的でない者を待つことはしない」と述べ、気候変動対策は、競争上の優位性とならなければならないと訴えました。
世界の気候政策にパラダイムシフトを起こす必要があります。
米国の気候に関する大統領特使であるジョン・ケリー氏も、行動の必要性を明確に語りました。ケリー氏は、「Accelerating and Scaling Up Climate Innovation」セッションで、「誰も十分に速く動いていない」と述べました。
コスタリカのカルロス・アルバラード・ケサダ大統領も、世界経済フォーラムの「グローバル・リスク報告書」を引用して、行動の必要性を強調しました。
ペルー共和国のホセ・ペドロ・カスティーヨ・テロネス大統領は、「官民が協力する必要がある」と語りました。
ヴァッテンフォールの社長兼CEOであるアンナ・ボルグは、「Accelerating and Scaling Up Climate Innovation」セッションで、「自分を取り巻く世界が変化しているのに、企業が変化しないわけにはいかない」と主張しました。
前進もあります。エクアドル共和国のギジェルモ・ラッソ大統領は、2022年にすでに実現している、地球を守るための国際協力の具体的な例を挙げました。
クリーンエネルギーへの移行
過去250年間、私たちの繁栄は化石燃料の燃焼に依存してきました。気候変動の影響は世界中に及んでいますが、ドイツは2045年までにネット・ゼロを達成するという「途方もない課題」に直面していると、ショルツ首相は警鐘を鳴らしました。
IEAの事務局長であるファティ・ビロル氏は、「Navigating the Energy Transition」のセッションで、2050年までにエネルギーの80%を化石燃料でまかなっていたものを、正味ゼロにするには「至難の業」が必要であると述べました。
この目標を達成するためには、エネルギーの無駄を省くことが重要であるという点で、同氏とABB社の社長兼CEOであるビヨーン・ローゼングレン氏の意見は一致しています。
ローゼングレン氏は、温室効果ガス削減の40%以上を効率化が担うと説明。ビロル氏は、「IEAでは、エネルギー効率を『第一の燃料』と呼んでいます」と述べました。
また、コロンビアはエネルギー転換を加速させ、自然エネルギーの割合を増やす努力をしていると、イヴァン・ドゥケ大統領は訴えました。
イノベーションの役割
オラフ・ショルツ首相は、「グリーン水素」について共通の理解が必要だと述べた上で、明確なメリットもあると主張しました。
グリーン水素について語った世界のリーダーは、彼だけではありませんでした。
オクシデンタル・ペトロリアム社の社長兼最高経営責任者(CEO)であるヴィッキー・ホルブ氏は、「Navigating the Energy Transition」のセッションで、排出量の削減だけでは不十分であり、抽出も必要であると述べました。
技術はあるのだから、あとは正しい方法で組み立てるだけだと、と。
アンナ・ボルグ氏は、衰退が難しい分野でも、すでにプロジェクトや新技術の実例があると言います。水素を使って鉄鋼を製造するプロセスが開発され、CO2排出量は基本的にゼロになりました。これは、単なる良いアイデアや研究開発プロジェクトではないと彼女は説明します。
クリーンエネルギー技術へのさらなる投資が必要である一方で、「物事は十分に早く進んでいない」とジョン・ケリー氏は警鐘を鳴らしています。
また、ブレイクスルー・エナジーの創設者であり、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同議長を務めるビル・ゲイツ氏は、ファースト・ムーバーズ・コーリションは、官民一体となってこの資金調達を支援するものであると強調しました。
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