ヘルスとヘルスケア

ポストコロナ時代の働き方は、ビジネスにどんな良い変化をもたらすか

As we emerge from coronavirus lockdowns, we need to evolve the dated mindset that being in an office full-time is an actual business imperative.

新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン措置が解除されつつある中、フルタイムでオフィスにいないとビジネスが成り立たないという、時代遅れの考え方は進化を迫られる。 Image: REUTERS/Kim Kyung-Hoon

Mark Pringle
Senior Vice President of Corporate Real Estate, Global Facilities and Environment, Health and Safety, Dell Technologies
  • 今後、同業他社と差を付けるのは、職場復帰の戦略に真剣に取り組み、業務のあり方を変えていける企業でしょう。
  • 新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン措置が解除されつつある中、フルタイムでオフィスにいないとビジネスが成り立たないという、時代遅れの考え方は進化を迫られます。
  • チームメンバーをスムーズに職場に戻すために、重要となるのは4つの柱です。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により、世界中の組織が、従業員の健康と安全の保護と業務継続の両立を強いられるようになりました。生活に必要ないわゆる「エッセンシャルビジネス」に限らず、デル・テクノロジーズも、この課題に対し、最も効果的なアプローチで可能な限り多くのステークホルダーを守ろうとしています。そして、重要なのは、お客様と協力してその事業継続性、テレワーク、そしてデジタルサービスの成功のため取り組むというということです。

デル・テクノロジーズが従業員の職場復帰戦略の策定を進める中で明らかになったことは、この戦略が職場にもたらす影響は決して一時的なものではなく、この機会を捉えて業務のあり方を変えていける企業こそが、今後他社と差を付けるだろうということ。この発想を元に、私たちは、自社の計画とビジネスの強度を再確認すると共に、これらの戦略を活用してお客様自身のビジネスをどう強化することができるかという指針を提供するものとして、公式の「カスタマープレイブック」を作成しました。

新たな機会

地方自治体や国の政府が制限を解除し始め、働く人たちに「仕事に戻る」よう求めていますが、覚えておかなければならないことは、私たちデルは、既に「仕事をする場所にいる」ということ。施設や現場に行く必要があるチームメンバーは、変わらずお客様のサポートを行い、残り90%の従業員はテレワークで生産的に仕事を続けています。

この危機から学んだことは、チームメンバーの多くは、オフィスに、少なくともフルタイムでは戻る必要がないということ。業界や会社によってそれぞれ状況は異なりますが、組織が新しい世界の「仕事」を再考し、再定義することが重要です。空間、サイバーセキュリティ、会議、出張、イベント、ポリシーについて、私たちは考え方を変えなければなりません。そして、従業員が家族、ボランティア活動、趣味などを通じて、生活のバランスを取れるようにすることも忘れてはいけません。フルタイムでオフィスにいないとビジネスが成り立たないという時代遅れの考え方は、進化を迫られています。

働く場所を再考することは、進化したゴールの達成、より柔軟な文化の体験、カーボンフットプリントの削減、多様な人材の採用強化、そしてイノベーションへの新たな投資といったチャンスを、あらゆる規模の組織にもたらします。

このパラダイムシフトが、どのようにしてこうしたチャンスを生むのでしょうか?

企業がまず考えるべきは、会社に出社して働く労働力を削減し、柔軟な職場環境を整えることが、企業の戦略実行にどのように役立つのかを正直に説明することです。労働力の新しいあり方に対し、私たちは次のような方法で事業目標を設定しました。

  • デル・テクノロジーズの価値を活かし、高いレベルのエンゲージメントと生産性を実現する新しい働き方を開発する。
  • 重要性の高いことに時間とお金を投資し、より強力なお客様とチームメンバーの体験を生み出す。
  • 在宅勤務の人員増加や、チームメンバーの柔軟性と選択肢拡大に関して、企業文化としてコミットする精神を備えた上で、経営陣レベルのトップから取り組みを行います。
  • チームメンバーの50%(適切なインフラが整っている国ではそれ以上)で柔軟な働き方の実現を目指し、柔軟な職場環境のリーダー企業となります。
  • カーボンフットプリントを削減し、多様な人材を採用する新しい機会を開拓することで、2030年のムーンショット目標に向け前進します。

これは私たちがパンデミック前に設定したアプローチと目標に合わせたものですが、私たちは、これが、革新と成長を加速させる適切なテクノロジーとともに、お客様が自身の目標を当てはめて検討することのできる強力な枠組みであると確信しています。

もちろん、これらの目標を達成するにあたっては、あらゆるステップでチームメンバーの安全と幸福を優先する必要があります。例えば、柔軟性を優先しつつ、プロセスを通して学びながらより良いやり方に微調整して職場復帰を目指すやり方もあります。私たちの場合は、健康を第一に考え、ニーズに応じ柔軟なスケジュールに基づいてそれぞれの部署ごとに段階的な職場復帰を行うというアプローチを取っています。

この戦略は、保守的なアプローチを取り、データと科学に大きく頼りながら安全性と準備状況を判断しながら、地方自治体の規制に合わせ、健康・衛生上のガイダンスに従います。また、この戦略は、お客様やパートナーのサポートや、生産性強化のために現場にいなければならないチームへの配慮を可能にすると同時に、従業員たちが未来の仕事のあり方を考慮しながら職場に復帰していけるようにします。

状況が改善した際に、組織は次の4つの重要事項に焦点を当てて、チームメンバーのスムーズな職場復帰を実現しながら、革新と柔軟性への取り組みをより強固なものにする必要があります。

  • 職場復帰のリスク評価 – チームメンバーが職場復帰することが安全かどうか判断するため、国や地域の感染率、感染者数、回復者数、増加傾向を評価する。
  • 復帰前準備 – チームメンバーの健康と生産性を支えるため、衛生面、ソーシャルディスタンス、インフラが整っていることを確認しながら、チームメンバーの職場復帰のための評価と準備を行う。
  • 段階的職場復帰 – 職場にいることが物理的に要求されるチームメンバーから復帰を開始し、その後、徐々に戻ることを希望している部署や人を復帰させていくと同時に、復帰に不安を抱える人のケアも行う。
  • コミュニケーション – チームメンバーやコミュニティに対して、透明性と頻度の高いコミュニケーションを行い、フィードバックの輪を整える。

これほど短期間の間に、ビジネスに劇的な変化を起こすことができる機会はめったにありません。新しいデジタル環境に向けたチームの準備を整えつつ、持続可能性、多様性、イノベーションに関する組織の目標達成も促す変化を起こすことができるというのは、さらに稀な機会です。この変化は誰が望んだものでもありませんが、人を第一に考えた、より柔軟で持続可能なビジネスを生み出すことのできる変化なるのです。

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