世界経済フォーラム 広報統括(日本)栃林直子 naoko.tochibayashi@weforum.org
2025年1月14日、スイス、ジュネーブ – 地政学的な緊張、経済の変化、技術の進歩によって形作られる世界情勢の中、世界経済フォーラム年次総会2025では、多様な地域や業界から3,000人近いリーダーたちが一堂に会し、対話を促進し、信頼を構築し、共通の課題に対するサステナブルな解決策の創出を加速します。
世界経済フォーラムの創設者であり理事会会長のクラウス・シュワブは、次のように述べています。「世界経済フォーラム年次総会は、年初に各国政府、企業、市民社会から3,000人近い意思決定者を参集し、大きな変革期にある世界の課題に取り組むという点で、他に類を見ないものです。2025年の年次総会は、意見の相違や大きな不確実性が存在する中でも、インテリジェント時代をより持続可能かつ包摂的なものにするために、連携と建設的な楽観主義の精神を育む貴重な機会となるでしょう」。
同フォーラム総裁・CEOのボルゲ・ブレンデは、次のように述べています。「世界経済フォーラム年次総会は、地政学的な緊張、経済の分断化、加速する気候変動により、一つの年代では経験したことのないほどグローバルな不確実性が高まっている時期に開催されます。このような不安定な状況の中で、喫緊の課題に対処し、新たな機会を切り拓く唯一の方法は、革新的かつ協力的なアプローチを取ることです」。
スイスは年次総会のホスト国です。今年は、世界の主要地域から、60人以上の国家元首を含む350人以上の各国政府リーダーたちが参加。世界各国から多くの政府関係者の来訪が予定されています。
参加する政治家のトップは以下の通り。
ドナルド・トランプ次期大統領(米国/ライブ中継にて参加者と対話)、ウァズラ・フォン・デア・ライエン委員長(欧州委員会)、丁薛祥(ディン・シュエシアン)筆頭副首相(中華人民共和国)、オラフ・ショルツ首相(ドイツ連邦共和国)、ハビエル・ミレイ大統領(アルゼンチン共和国)、ロベルタ・メツォラ(欧州議会議長)、シリル・ラマポーザ大統領(南アフリカ共和国)、ペドロ・サンチェス首相(スペイン王国)、カリン・ケラー・ズッター大統領兼財務相(スイス連邦)、ニコル・パシニャン首相(アルメニア共和国)、イルハム・アリエフ大統領(アゼルバイジャン共和国)、ムハンマド・ユヌス首席顧問(バングラデシュ人民共和国)、アレクサンダー・ドゥ=クロー首相(ベルギー王国)、フェリックス・アントワン・チセケディ・チロンボ大統領(コンゴ民主共和国)、ムスタファ・マドブーリー首相(エジプト・アラブ共和国)、アブドゥルラティーフ・ラシード大統領(イラク共和国)、サイモン・ハリス首相(アイルランド)、イツハク・ヘルツォグ大統領(イスラエル国)、アンワル・イブラヒム首相(マレーシア)、ロヴサンナムスライ・オヨーンエルデネ首相(モンゴル国)、ディック・スホーフ首相(オランダ王国)、ムハンマド・ムスタファ首相(パレスチナ自治政府)、ディナ・エルシリア・ボルアルテ・セガラ大統領(ペルー共和国)、アンジェイ・ドゥダ大統領(ポーランド共和国)、ムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニ首相兼外相(カタール国)、アレクサンダル・ブチッチ大統領(セルビア共和国)、ターマン・シャンムガラトナム大統領(シンガポール共和国)、ウルフ・クリステション首相(スウェーデン王国)、アサド・ハッサン・シェイバニ外相(シリア・アラブ共和国)、ペートンターン・シナワット首相(タイ王国)、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領(ウクライナ)、ファム・ミン・チン首相(ベトナム社会主義共和国)。
参加する国際機関のトップは以下の通り。
ンゴジ・オコンジョ・イウェアラ世界貿易機関(WTO)事務局長、クリスタリナ・ゲオルギエバ国際通貨基金(IMF)専務理事、マルク・ルッテ北大西洋条約機構(NATO)事務総長、テドロス・アダノム・ゲブレイエスス世界保健機関(WHO)事務局長、アヒム ・シュタイナー国連開発計画(UNDP)総裁
同フォーラムのメンバーおよびパートナー企業から、900人以上の世界トップレベルの最高経営責任者(CEO)や会長を含む1,600名以上のビジネスリーダーが参加する予定です。また、業界を変革する120人以上のグローバル・イノベーター、テック・パイオニア、ユニコーンも参加します。
労働組合、非政府組織、宗教団体、先住民コミュニティ、および世界有数の大学、研究機関、シンクタンクの専門家や代表者など、市民社会および社会セクターから170名以上のリーダーが参加します。また、同フォーラムのグローバル・シェーパーズ、ヤング・グローバル・リーダーズ、ソーシャル・イノベーターズのメンバー160名以上も参加し、地域におけるイノベーションやグローバルな課題に対するソリューションを紹介します。
参加する市民社会のリーダーは以下の通り。
デイヴィッド・ミリバンド国際救済委員会(IRC)CEO兼会長、サニア・ニシュタール(Gaviワクチンアライアンス事務局長)、リュック・トライアングル(国際労働組合総連合書記長)、M. サンジャヤン(コンサベーション・インターナショナルCEO)、コンフォート・エロ(国際危機グループ会長兼CEO)、ヒンドゥ・ウマル・イブラヒム(チャド・フラニ族女性・先住民協会(AFPAT)代表)、ティラナ・ハッサン(ヒューマン・ライツ・ウォッチ代表)、ピーター・サンズ(グローバルファンド事務局長)、アミターブ・ベハール(オックスファム・インターナショナル、エグゼクティブ・ディレクター)、ピーター・コドボ・アピア・タークソン(教皇庁立科学アカデミー・ 社会科学アカデミー会長)。
同総会に参加する市民社会組織代表者の一覧は、こちら。
同フォーラム取締役のミレク・デュシェックは、「世界中の様々な分野のリーダーたちが一堂に会する年次総会は、人々やコミュニティが大きな変化を迎えているこの時代に、意見や知識を共有するためのプラットフォームを提供します。本会合の主な目的は、新たな経済の文脈において、幅広い機関によるソリューションを実現可能にすることです」と述べています。
ダイナミックかつグローバルな状況に対応するため、世界経済フォーラム第55回年次総会は「インテリジェント時代における連携」というテーマで開催されます。サステナブルかつ包摂的な未来の繁栄のためにそれぞれが重要な、相互に関連し合う次の5つのサブテーマに焦点を合わせます。
「成長の再構築」では、テクノロジー主導のイノベーションなどを通じた経済成長の新たな機会を探ります。「インテリジェント時代における産業」では、企業がテクノロジーのシフトや新たな産業力学に対応するための方法を検討。「人材投資」では、人材開発、リスキリング、新興セクターにおける雇用創出の必要性について取り上げます。「地球環境保全」では、気候変動および自然環境に関する課題の解決策のスケールアップと、脱炭素化への取り組みの推進に焦点を当て、「信頼の再構築」では、ますます細分化が進む世界におけるグローバルな協力体制とレジリエンスの促進を目指します。
同総会の220を超えるセッションのライブストリーミングを通じ、より多くの方々に情報を提供し、アクセスしていただけるよう努めます。また、22年目を迎えるオープンフォーラムでは、「Justice for All: A World without Barriers(すべての人に正義を:障壁のない世界)」というテーマで、公開パネルディスカッションを行います。
年次総会のプログラムは、同フォーラムの継続的な取り組みと最新のグローバルな動向の両方を反映して策定。相互に結びついたグローバル、地域、業界特有の様々な課題や危機、そしてイノベーションやテクノロジーがもたらす新たな機会に対処するための、先見性のあるアイデアや長期的な解決策を奨励し、推進します。全プログラムはこちら。
また、2025年の年次総会に先立ち、同フォーラムは議論の指針となるいくつかの報告書を公表しました。グローバルな協力体制については、フォーラムが最近発表した「グローバル・コオペレーション・バロメーター2025」で、世界の変動性と地政学的な不安定性の高まりが予想される時期における「無秩序な」協力体制と、現実的かつソリューション主導の意思決定のあり方を提示しています。
経済に関しては、「仕事の未来レポート2025」で、世界のトレンドの変化と新興テクノロジーが2030年までに1億7000万の新たな雇用を生み出す一方で、9200万の雇用を奪うと予測し、世界中で労働者のアップスキリングが急務であることを強調。さらに「グローバルリスク報告書2025」では、短期的なリスクと今後10年間のトップリスクを明らかにし、最新の「チーフエコノミスト・アウトルック」は、2025年の世界経済への期待に焦点を合わせます。
テクノロジーに関しては、「グローバル・サイバーセキュリティ・アウトルック2025」が、新興テクノロジーの急速な成長、地政学的な不確実性、サプライチェーンの相互依存における脆弱性、拡大するサイバースキルギャップなどにより、サイバー環境がますます複雑化していることを指摘。本会合では、主要産業におけるAIの責任ある大規模導入に関する新しい報告書シリーズと、包摂的なAI開発のための実践的な戦略を詳細に説明する新しい研究成果が発表される予定です。
気候・自然・エネルギーに関しては、2024年に開催された国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)、国連砂漠化対処条約第16回締約国会議(COP16)、生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)のモメンタムを受け、再生可能エネルギーの導入拡大、エネルギー需要への対応、エネルギー効率の向上、自然の保護・回復に取り組みます。また、「グローバル・プラスチック・アクション・パートナーシップ」、「トランジション・インダストリアル・クラスターズ・イニシアチブ」、「ファースト・ムーバーズ・コアリション」をはじめとする主要イニシアチブの推進状況や、ネイチャーポジティブな未来へと移行する産業や都市のための主要戦略を概説した新たな研究成果の発表も予定されています。
同フォーラム取締役、ギム・フエイ・ネオは、「気候と自然の危機に、喫緊の注意と行動が必要です。2024年、地球温暖化は産業革命以前の平均気温を1.54℃上回る記録的な数値に達し、世界中の多くの地域が前例のない壊滅的な異常気象にさらされました。本会合では、データやテクノロジー、革新的なパートナーシップを活用してリーダーシップを強化し、人、地球、そして繁栄のために価値を創造する方法を模索します」と述べています。
約20人の文化リーダーたちが参加し、第31回クリスタル・アワードの授賞式を行う「アート&カルチャー」プログラムでは、AIを活用したインタラクティブなアート、音楽、映画、写真、手作りの作品など、ダイナミックかつ多面的な内容を予定しています。
年次総会2025について
2025年1月20日から24日までスイスのダボス・クロスタースで開催される世界経済フォーラム年次総会は、「インテリジェント時代における連携」をテーマに世界有数のリーダーたちを招集して行われます。本会合では、テクノロジーが急速に進歩する時代における5つのサブテーマ「成長の再構築」、「インテリジェント時代における産業」、「人材投資」、「地球環境保全」、「信頼の再構築」に焦点を合わせ、より持続可能かつ包摂的な未来を形作るための新たなパートナーシップと洞察を促進します。詳細はこちら。
<ご参考>
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