<白書発表> 高齢化社会のアウトカムを向上させる新たな長寿経済原則を 産業界のリーダーたちが支持

発行済み
2024年01月15日
2024
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世界経済フォーラム コミュニケーションズ・リード 栃林直子 naoko.tochibayashi@weforum.org

  • 世界経済フォーラムが新たに発表した白書によると、各国政府、企業、市民社会は、人口動態の激変に対処し、経済と社会が長期にわたって強靭でサステナブルな状態を維持できるよう、準備を整える必要があります
  • 2050年までに、世界の60歳以上の人口は倍増して21億人に達します。その多くが退職後の貯蓄を8年から20年近くで使い果たしてしまう危険性があります。
  • 健康で豊かでレジリエンス(強靭性)の高い長寿社会を支えるために、35以上の組織が長寿原則を策定しました。
  • 白書はこちら。世界経済フォーラム年次総会2024の詳細についてはこちら。(ソーシャルメディア上のハッシュタグ: #wef24 )

2024年1月15日、スイス、ダボス - クロスタース - 2020年には10億人が60歳以上の高齢者となり、2050年にはこの数が2倍以上の21億人になると予測されています。世界経済フォーラムが発表した新たな白書「Longevity Economy Principles: The Foundation for a Financially Resilient Future(長寿経済の原則:財政的に強靭な未来のための基盤)」によると、個人がより長い人生を生き生きと過ごすためには、企業、各国政府、市民社会、そして個人にとって、高齢化の人口統計学的・財政的現実に意図的に取り組むことが不可欠です。

この変革を支援するため、世界経済フォーラムの「ロンジェビティ・エコノミー(長寿経済)・イニシアチブ」は、マーサーと企業、各国政府、市民社会を代表する35以上の組織の緊密な協力のもと、社会がどのようにすればすべての個人が経済的ニーズを満たし、健康的な生活を享受し、雇用や学習の機会にアクセスし、人生のあらゆる段階において目的を持った人生を送ることができるようになるかに着目した6つの長寿原則を策定しました。

同フォーラムの金融および通貨システム部門リーダー、マシュー・ブレイクは、次のように述べています。「健康で生き生きとした老後を確保するには、必要な財源にアクセスできるようにしておくことが欠かせません。世界的に寿命が延びる中、個人が富を増やし、維持するための金融的機会は後れをとっています。金融機関は各国政府や市民社会と協力して、変化する人口動態の現実を支えるために、すべての個人が十分な貯蓄や投資、その他の資産形成の機会を利用できるようにしなければなりません」。

6つの原則は次の通り。

  • 重要なライフイベントにまたがる金融面でのレジリエンス(強靭性)を確保する
  • 公平な金融教育への普遍的アクセスを提供する
  • 長寿経済の基盤として、健康に年を重ねることを優先する
  • 多世代が活躍できる仕事の改革と生涯スキル開発を行う
  • 社会的なつながりとパーパスを生み出す制度と環境を設計する
  • 性別、人種、階級など長寿に関する不平等に対処する

マーサー、マニュライフ、チューリッヒ、ブラックロック、欧州委員会など、このイニシアチブのパートナーは、これらの原則に沿った具体的な行動をとることを約束しています。こうした行動は、投資商品の設計におけるイノベーション、金融教育へのアクセスの拡大、より幅広い年齢を対象とした従業員価値提案の開発、人口動態ツールボックスの開発、サービス提供やアドボカシーに情報を提供するためのフレームワークとしての原則の活用など、幅広い業界に及んでいます。

マーサーの最高経営責任者(CEO)であるマーティン・フェルランド氏は、次のように述べています。「長寿経済の到来を迎え、この人口動態の変化を先取りしようとする企業は、ダイナミックで多世代にわたる労働力をサポートできるよう変革が必要です。経営者が高齢化社会の可能性を引き出すことで、私たちの経済と社会の未来をより健康的で生産性が高く、活力に満ちたものにできるのです」。

この原則は、経済のレジリエンス(強靭性)、退職後の公平性、健康的な高齢化に焦点を合わせた長寿経済に関するホリスティック(全体論的)な見方を提供するものです。

「人々の寿命が延びていることは分かっています。しかし、健康が増しているわけではありません。私たちは、社会の変化、人々の健康とウェルビーイング、生活の質(QOL)の指標にプラスの結果をもたらす仕組み作りに取り組む上で、各国政府および企業が果たす重要な役割を認識しています」と、マニュライフの社長兼CEO、ロイ・ゴリ氏は述べています。「私たちは、よりサステナブルな未来のため、企業がスケーラブルなソリューション、イノベーション、新しい事業展開に貢献する方法をまとめた世界経済フォーラムの長寿経済原則を支援できることを誇りに思います。健康とウェルビーイング(幸福)はグローバルな優先事項でなければなりません。当社はお客様がより長く、より健康で、より良い生活を送れるよう、役割を果たすことを約束します」。

ロンジェビティ・エコノミー・イニシアチブについて

ロンジェビティ・エコノミー・イニシアチブは、世界経済フォーラムの金融および通貨システム部門の一部です。長寿経済の原則に沿った具体的な行動を取ることを約束した参加組織には、マーサー、マニュライフ、ブラックロック、バンク・オブ・アメリカ、ロビンフッド、バンク・オブ・モントリオール、アクサ、チューリッヒ、アリアンツ、欧州委員会、フィデリティ・インターナショナル、アデコ・グループが支援するイノベーション・ファウンデーション、APG、エンドウス、トランスアメリカ・インスティテュート、フェニックス・インサイツ、National Coalition on Aging(高齢化に関する米国連合)、スタンフォード長寿センター、MITエイジラボ、高齢世界連合、プロエイジなどがあります。このイニシアチブには、企業、団体、政策立案者が参加することができます。詳細については、こちら

世界経済フォーラム2024年年次総会について

世界経済フォーラムは「信頼の再構築」をテーマに世界有数のリーダーを招集して世界経済フォーラム年次総会2024を開催します。詳細はこちら

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