世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
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2021年4月6日、米国、サンフランシスコ 新型コロナウイルス感染拡大の危機によって、長期化する無症状の伝染病の存在が明らかとなった中、適切な資金と機能を備えた世界的なメンタルヘルスのエコシステムの構築が早急に必要とされています。同時に、安全性、有効性、公平性、持続可能性に関する新たな倫理的問題が世界中のグループによって提起されています。現在、1万個以上のメンタルヘルス・アプリが市場に流通していますが、現在の規制は、扱いに注意を要する消費者データの共有を防止や、AIベースのチャットボット、バーチャルリアリティでのセラピーやデジタル・フェノタイピング(表現型解析)などのディスラプティブなテクノロジーの品質をきちんと測定できるほど確かなものではありません。
世界経済フォーラムとデロイトが本日発表した「デジタルメンタルヘルスのためのグローバルガバナンスツールキット:メンタルヘルスのためのディスラプティブ(創造的破壊)なテクノロジーにおける信頼の構築(Global Governance Toolkit for Digital Mental Health: Building Trust in Disruptive Technology for Mental Health)は、各国政府、規制当局、独立保証機関に対し、個人データの保護、高品質なサービスの確保、効果的な成果の支持、安全性に関する懸念への対応などのためのツールを提供することを目的としています。
このツールキットではガバナンス原則、基準、プロセスのフレームワークなど、導入可能なリソースが提供され、また、それらを各機関の管轄における文化、法律、医療、臨床の状況に適応させるための倫理規定と方法論などが含まれています。
「人びとは、より多くの課題に対してテクノロジーによる解決策を求めています。サービスが信頼されるものであること、そして自分が利用しているサービスについて適切な疑問を問いかけることが重要です。このツールキットが各国政府、企業、消費者にとって、より安全で信頼できる未来を確保するためのリソースとなることを期待しています」と世界経済フォーラム「ヘルスとヘルスケア」プラットホームの責任者であるアーノー・ベルナート(Arnaud Bernaert)は述べています。
また、デロイトのグローバルヘルスケア部門のリーダー、ステファニー・アレン氏は次のように述べています。「このイニシアティブは消費者を保護し、消費者が高品質のメンタルヘルスケアをより簡単に評価して自分のメンタルヘルスについてより多くの情報に基づいた選択を行えるようにし、安全で倫理的かつ効果的なデジタルメンタルヘルスサービスの戦略的な成長を促進することを目的としています」。
このツールキットはニュージーランド保健省とのパートナーシップにより試験運用されたもの。各国政府や規制当局が、デジタル・メンタルヘルス・サービスの安全で倫理的かつ戦略的な導入を促す原則や基準を策定する際、ヘルスケア機関や保険会社が高品質のデジタルメンタルヘルスサービスを統合する際、そしてデジタルメンタルヘルスのイノベーターや消費者が信頼できるサービスを構築して利用する際に活用することができます。
グローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミットへのメディア登録
企業、各国政府、市民社会、メディアから2,000人以上のリーダーが参加し、テクノロジーの未来を形作ることに焦点を当てたサミットが開催されます。この会議は日本政府の支援のもと、4月6日から7日にかけて開催。登録いただいたメディアの皆様には最新情報解禁をお届けします。登録はこちら。
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