フューチャー・レポート:グローバル経済と社会、テクノロジーに影響を与えるトップトレンド概説

発行済み
2021年04月02日
2021
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世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
Tel.: +81-(0)3-3560-6093 Naoko.Tochibayashi@weforum.org

  • テクノロジー・フューチャー・レポート(Technology Future Report)では、リーダーが未来のトレンドを予測するための新しい方法を概説しています。
  • 本レポートは、トレンドに対する可能性を特定し、リスクを予想するための枠組みで、その発想には「スペキュラティブ・フィクション」(さまざまな点で現実世界と異なった世界を推測、追求する手法)を用いています。
  • 新しいモデルは、リーダーによるシナリオ・プランニングのためのエクササイズを支援し、機会をより迅速に利用できるよう促します。
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202145日、米国、ニューヨーク AI(人工知能)、クラウド、ロボティクスなどの第4次産業革命の新しいテクノロジーは、人類の歴史上前例のないスピードで、私たちの暮らしや学習、ビジネスのあり方を変えています。この激しい変化は、信頼性を欠いた政治情勢という特徴の中で起きており、世界の不安定さを加速させています。

こうした環境下でシナリオをつくる事は、企業にとって非常に困難であるばかりか、将来の計画を立てる上で、起こり得るリスクと機会の適切な評価に影響を与えます。デロイトと共同で発表したテクノロジー・フューチャー・レポート(Technology Future Report)では、シナリオ作成と未来の技術トレンドの予測のためのデータ分析ツールをリーダー向けに提供しています。

「テクノロジーの急速な変化と、新型コロナウイルス感染拡大が引き起こしたグローバル危機という二つの問題は、不確実性を増す未来を前に課題を把握し、戦略を立てるための新しいツールを現代のリーダーが必要としていることを意味します。本レポートは、ダイナミックに変化する環境においてビジネスリーダーが未来を考察するために必要な3つの新しい分析ツールを紹介しています」と、世界経済フォーラム第四次産業革命センター、センター・マネジメントC4IRでストラテジー・アンド・インパクト・リードを務めるルース・ヒキン(Ruth Hickin)は述べています。

「新型コロナウイルス感染拡大のような世界を変える出来事から脱却しようとしている今、世界経済フォーラムと共に未来について鋭い考察を行えることを大変嬉しく思っています。」。本レポートの主執筆者で米国コンサルティング、デロイトのマネージング・ディレクター兼チーフフューチャリストであるマイク・ベクテル(Mike Bechtel)氏は、述べています。「現在の新興テクノロジーが私たちの未来にどう影響するのかについて、より明確なイメージを提供することで、すべての人の生活を改善するイノベーション、コラボレーションと経済成長を推進する重要な役割を果たせることを願っています」。

レポートは、ビジネスリーダーのために未来のトレンドを4カテゴリーに分類するとともに、今後数年間は変化しないと見込まれる内容についても例示しています。

  • 情報:アクセス可能なデータの量が急増し、ひとり一人が日常生活をオンライン上で過ごすことが増えている状況を踏まえ、レポートでは、遠隔学習やテレワーク、ヘルスケアについて予想される影響について予測しています。
  • ローカリティー(Locality):新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから、人と人とのやりとりすらインターネット上で行われることが増え、物理的な経験が減少しています。レポートでは、これまで以上に細かいところまで行き届き、消費者が容易に使える仮想体験について予測しています。
  • 経済:レポートは、フレキシブルでクリーンなエネルギー生産が今後も増加し続ける可能性がさらに高まると予測しています。
  • 教育:デジタル化、仮想化されたコンテンツの可用性とともに、個人向けの教育が増加するだろうと予測しています。

レポートでは、戦略的モデル化のほか、第四次産業革命がどのように進行しているかという基本的な歴史も紹介しています。テクノロジーがいかに迅速に発展を遂げているかを明らかにするとともに、それに対応し、適応するためにリスクマネジメントを進化させる方法の一つを概説しています。

世界経済フォーラムが2021年4月6日~7日に初めて開催するグローバル・テクノロジーガバナンス・サミットには、125か国の政府、360を超えるメンバー企業のリーダーが世界各地から参加する予定です。同サミットでは、第四次産業革命(4IR)の新しいテクノロジーを活用し、普及させる私たちの力について、参加者間で見解を共有できるようにします。こうしたテクノロジーは、パンデミック(世界的大流行)から確実に回復し、将来の危機を防ぐ上で重要な役割を果たします。同サミットは、日本の支援のもと、第四次産業革命センターネットワークを活用した上で世界経済フォーラムが主催します。

<参考>
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