有料メディア、ニュース、エンターテイメントを利用する消費者は、調査対象の半分以下。一方、将来的に支払う意思は増加。世界経済フォーラム調査

発行済み
2020年04月02日
2020
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世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
Tel.: 03-5771-0067 Naoko.Tochibayashi@weforum.org

  • 中国、ドイツ、インド、韓国、イギリス、米国を対象に実施した調査によると、ニュースやエンターテイメントに費やす時間は、ほとんどの国で週に約24時間。一方、有料ニュースやエンターテイメントを活用 するのは、調査対象の半数以下。
  • 有料コンテンツを利用しているのは主に16〜34歳。一方、低所得者は、有料コンテンツを利用しない傾向にあることから、情報の格差が生じている可能性を示唆。
  • 中国とインドが、ニュースおよびエンターテイメントに対して貪欲である。
  • 新型コロナウイルスの問題は、現代社会においてメディアが果たす重要な役割を改めて浮き彫りにしている。コンテンツの価値が高まる中、社会的機能を果たす一方で、重要なコンテンツに幅広い層がアクセスできるようなシステムづくりのための金融モデルが業界に求められている。

スイス、ジュネーブ 2020年4月2日 – 世界経済フォーラムの調査によると、有料メディアを利用する消費者は全体の半分以下で、その内訳は16%がニュース、44%がエンターテインメント。一方で、有料でも利用したいという意思のある人は増えつつあるようです。

約80〜90%の消費者は、週に約24時間、ニュースやエンターテイメントを読む・見ることに費やしています。また約60%の消費者は、有料または無料の7つのメディア・サービス(ビデオ、スポーツ、ゲーム、音楽、ポドキャスト、ニュース、ブログ)に登録。また調査では、メディア側でも戦略のシフトが見られることがわかりました(新しい支払いアーキテクチャ、ポッドキャスト、広告環境)。

「新型コロナウイルスの問題は、現代社会においてメディアが果たす重要な役割を改めて浮き彫りにしています。コンテンツの価値が高まる中、社会的機能を果たす一方で、重要なコンテンツに幅広い層がアクセスできるようなシステムづくりのための金融モデルが業界に求められています。これは各自がバラバラでは実現できません。イノベーション、消費者利益、メディア業界のあらゆるステークホルダーの企業責任のバランスを調整する解決策を見つけるため、規制当局機関を含めた対話が必要なのです」と、世界経済フォーラム、メディア・カルチャー・エンターテイメント部門長のカースティン・スチュワートは述べます。

この調査は、ニールセンがフォーラムの代行で実施したアンケートをベースとしており、中国、ドイツ、インド、 韓国、イギリス、米国の9,100人を対象に、メディア消費、支払い習慣、嗜好について質問したものです。さらに、世界経済フォーラムでは、消費者を惹きつけて離さないための経営戦略、さらにその戦略が社会に及ぼす影響について、広告、エンターテインメント、ニュースなどのメディア業界の約100人の幹部からの意見もまとめました。

調査結果を統合すると、現在は有料コンテンツを利用する人の割合は低いものの、将来的に利用したいという人は増えています。世界全体で、将来的に有料コンテンツを利用したい人の割合は、ニュースが53%、エンターテインメントが70%です。

さらに、最もダイナミックな経済大国である、中国とインドは特に有望です。中国では、25%が有料ニュース、 59%が1つ以上の動画・スポーツの有料サービスを利用。この数字は、使用料によって課金されるペイパーユーズモデルの普及率が高いことが理由だと思われます。

またインドでは、多くの消費者が有料のニュースやエンターテインメントサービスの数を増やしたいという意思を示しています。回答者は平均で3つのエンターテインメントサービス、4つのニュースサービスを有料でも利用する意思があり、多くても1つから 2つのサービスの利用と回答した他国の平均を大きく上回る結果でした。この結果は、他国で消費者が有料エンターテインメントサービスの数を減らす傾向があり、現在登録しているサービスの 数を減らしたいという意向があると答えたのと対照的です。

調査では、どの国でも若者(16歳から34歳)は有料コンテンツを利用する割合が多いことがわかります。平均で61%がエンターテインメント、17%がニュースの有料サービスを現在利用しており、いずれの数字も全年代における世界平均を上回っています。しかし、社会経済的なステータスを見ると、所得や地位の高い層の方が有料ニュースの購読者が多いことがわかります。これは、富裕層の消費者のみがより多く、質の高い情報にアクセスできる 「情報格差」に対する懸念が現実になっていることを示します。

こうした観点から、当フォーラムの調査では、コンテンツ制作の資金は誰が負うべきかという重要な問題を考察しています。平均すると、過半数の消費者(55%)は、コンテンツ制作の資金源の一部は広告であることを認識しています。しかし、回答者のほぼ半数が可能な限り広告をスキップし、4人に3人近くが、広告を見ないようにしています。

広告主、消費者、政府はそれぞれ、コンテンツの資金提供に関与していますが、今回の調査結果によって、消費者は政府に対し、エンターテインメント(18%)よりもニュース(35%)の提供を支援することを期待していることが明らかになりました。

ダイナミックに変化するメディア環境でこうした傾向が加速する中、メディア企業は有料ユーザーを惹きつけて離さない戦略を追求しています。この調査報告では、デジタル経済で猛烈な競争を経験してきた企業がメディアへ移行する意味について述べています。

これらの企業は、コンテンツを利用して自社事業の他の部門に価値をもたらし、これによって業界全体にビジネス チャンスと課題が同時に生まれています。当フォーラムでは、これらの行動がメディアの状況や経済に及ぼす影響をさらに調査する必要があると考え、効果的にイノベーション、消費者利益、企業責任のバランスを調整するにはどうしたら良いかの調査が行われることを望んでいます。

〈参考〉

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