持続可能性にスケールを~第四次産業革命時代にFuture Drive Impactをもたらす18社を新たに追加~

発行済み
2020年01月10日
2020
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世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
Tel.: 03-5771-0067 Naoko.Tochibayashi@weforum.org

  • 第四次産業革命のテクノロジーを導入したリーダーとして、世界経済フォーラムのグローバル・ライトハウス(灯台=指針)・ネットワーク(Global Lighthouse Network)に18社が加わりました。
  • 事例には、完全に自動化された業務、リアルタイムで情報を共有するクラウドベースのデータプラットホーム、生産性を向上させるAI(人工知能)活用の組立てラインが含まれます。
  • 新たなレポートでは、イノベーションの後押し、デジタルトランスフォーメーションおよびスケールについての知見をまとめつつ、サスティナビリティとリスキリング(再訓練)の取り組みについても触れています。
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2020110日、スイス、ジュネーブ世界経済フォーラムは、先進的な製造業者のグローバル・ライトハウス(灯台=指針)・ネットワーク(Global Lighthouse Network)に、新たに18社を迎え入れます。いずれも、業務上また環境面でインパクトをもたらす形で第四次産業革命のテクノロジーを駆使し、リーダーシップを発揮しています。

これで合計44社となったネットワークは2017年に結成されました。グローバルの製造業コミュニティのイノベーションの開発、再生およびスケールアップのプラットホームとして、企業の枠を超えた学びを連携する機会と、新たなベンチマークを設定する機会を創出しています。このコミュニティの目標は、ベストプラクティスを共有しベストプラクティスをから学ぶこと、新しいパートナーシップを支援すること、他社のテクノロジー展開、持続可能なプラクティスの導入、労働力の変革に協力することです。本日公開された新しいホワイトペーパー「グローバル・ライトハウス・ネットワーク:第四次産業革命の最前線からの知見」("Global Lighthouse Network: Insights from the Forefront of the Fourth Industrial Revolution")では、主な所見と影響がまとめられています。

新たに加わった18社は、ネットワークにさらなるダイバーシティをもたらしています。ブラジルや日本、シンガポールなど新たに加わった国々、また半導体や農機具など新規の産業が加わりました。新たに加わったライトハウスのおよそ半数がエンドツーエンドの工場で、工業の四壁の外側にある価値をうながすことにより、バリューチェーン全体に変化をもたらしています。

新たに加わった18社は以下のとおり:

アジア

宝山鋼鉄(中国、上海市):早期にデジタル化を導入した創業40年の工場です。AI(人工知能)の集中的な実装と高度分析により、デジタル時代の競合的優位性を維持し、5千万ドルの価値を生み出しています。

福田カミンズ(Foton Cummins)(中国、北京市):設計、製造からアフターサービスまで、エンドツーエンドの製品ライフサイクル全体にモノのインターネットとAI(人工知能)をセルフデプロイしています。これにより製品の質向上と顧客満足度40%アップを実現させました。

GEヘルスケア・ジャパン(日本、東京都日野市):リーン生産方式に30年以上の経験があるGEの工場で、第四次産業革命のテクノロジーを使用してデジタルのリーン生産方式に転換。その結果、コスト30%削減やサイクルタイム46%短縮など、パフォーマンスを次のレベルへ引き上げています。

ハイアール(中国、瀋陽市):ユーザー中心にマスカスタマイゼーションしたモデル事例の冷蔵庫工場。サプライヤーとユーザーをエンドツーエンドでつなぐ、スケーラブルなデジタルプラットホーム展開により、これを実現しており、直接労働生産性を28%向上させました。

日立製作所(日本、大みか事業所):エンジニアリング、生産、メンテナンス業務において、産業に特化した広範なモノのインターネット技術とデータ分析を活用することにより、品質を損なうことなくコア製品のリードタイムを50%短縮させました。

インフィニオン(シンガポール):デジタルのバックボーンと人材開発を背景として、製造プラントとサプライチェーン・ネットワークにおいてデータ、高度分析とオートメーション使用し、直接労働コスト30%削減と資本効率15%向上を実現させました。

ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル(Johnson & Johnson Medical)(中国、蘇州市):パフォーマンス向上を促すために、自社の他施設で作成された標準化ソリューションをスケールアップ。生産性15%アップなどを達成しています。

マイクロン(シンガポール):AI(人工知能)とデータサイエンス・ソリューションを実装するために、ビッグデータ・インフラストラクチャと業界に特化したモノのインターネットを統合させた半導体組立工場です。製品の品質水準向上と、新製品の市場投入速度の倍増につなげました。

P&G(中国、太倉市):P&Gアジア(P&G Asia)初のライトオフ・オペレーションを構築し、エンドツーエンドのサプライチェーンを接続するために、第四次産業革命のテクノロジーを活用した新しい施設です。生産性を2.5倍に増加、生産アジリティを加速させ、電子商取引の増大、従業員満足度の向上を実現しています。

ウェイチャイ(中国、坊市):顧客ニーズの正確な把握とコスト削減のため、エンドツーエンドのバリューチェーン全体をデジタル転換しました。AI(人工知能)と自動車分野に特化したインターネットを活用して、研究開発サイクルの20%短縮、業務コスト35%削減につなげました。

欧州

AGCO(ドイツ、マルクトオーバードルフ):デジタルソリューションとインテリジェントなライン設計を組み合わせたAGCO/フェントは、1つのバッチサイズの単一組立てライン上で、72-500馬力のトラクター9シリーズを製造可能に。これにより生産性24%アップ、サイクルタイム60%短縮につなげています。

グラクソ・スミスクライン(英国、ウェア):マニュファクチャリング業務全体に第四次産業革命のテクノロジーを導入している医薬品工場。既存のデータセットを使用するために、高度分析とニューラルネットワークを活用しています。ライン速度21%アップ、ダウンタイム短縮、生産高の増加を実現し、全設備効率10%アップをもたらしました。

ヘンケル(ドイツ、デュッセルドルフ):クラウドベースのプラットホームを開発し、施設30か所以上および流通センター10か所以上とリアルタイムでつながっています。これにより、増大する顧客とサービスおよび持続可能性に対する消費者の期待に応えながら、2桁のコスト削減および在庫削減も実現しています。

中南米

ルノーグループ(ブラジル、クリチバ市):ルノー・クリチバでは、第四次産業革命のテクノロジーを手法として、従業員の責任とエンドツーエンドのコネクティビティの改善に重点を置きながら、ディーラー、顧客、労働者を含むバリューチェーンのプレイヤー全員に、業務への関わりとつながりあるエコシステム構築をうながしました。大規模な資金分散なしで生産性18%向上、などを実現させています。

三井海洋開発(MODEC)(ブラジル、リオデジャネイロ市):この海洋施設では、石油採掘船の開発の加速と新しいアルゴリズムの指数関数的なスケールアップを実現するために、予知保全の高度分析、処理プラントのデジタルツイン、所有データプラットホームを活用し、ダウンタイム65%短縮につなげています。

中東

ペットキム(トルコ、イズミール):価値創出の促進をめざして、デジタルの旅に乗り出した創業35年の石油化学プラント。数十億単位の生産シナリオを分析することによって、自社開発のAI(人工知能)アルゴリズムでプロセスと製品価格設定を最適化した結果、利払前・税引前利益の20%以上の増大につながりました。

ユニリーバ(アラブ首長国連邦、ドバイ):コスト競争優位性を目指す中で、現地の起業家チームが工場のデータレイクを確立して、大規模な第四次産業革命ユースケースを作成および展開しました。制限ある投資と短い期間にもかかわらず、25%以上のコスト削減を達成しました。

北米

ジョンソン・エンド・ジョンソン ビジョンケア(Johnson & Johnson Vision Care)(アメリカ、ジャクソンビル市):2桁のコスト削減と販売増加を達成するために、サプライヤーから顧客までのバリューチェーンのエンドツーエンドのつながりをデジタル化し、再構成可能なマニュファクチャリングを実装しています。

ベストプラクティス

レポートでは、イノベーションをスケールアップするベストプラクティス6つが強調されています:

  • より良いものを目指して繰り返す(Iterate)するためのアジャイルなアプローチ
  • 新しいレベルの連携を可能にするテクノロジー・エコシステム
  • 労働者のリスキリング(再訓練)に特化した取り組み
  • スケールアップのために構築されたデータアーキテクチャ
  • イノベーションを支えるアジャイルなデジタル研究
  • ベストプラクティス共有をサポートするガバナンスモデル

「グローバル・ライトハウス・ネットワーク(Global Lighthouse Network)は、効率的なテクノロジー展開におけるリーダーとベストプラクティスを評価するだけではありません。もっと重要なのは、未来のマニュファクチャリングへの移行を加速させるシェアード・ラーニングの旅を産業に創出することです」世界経済フォーラムのアドバンスド・マニュファクチャリングと製造の未来をつくる部門長のフランシスコ・ベッティは言います。「この移行では、持続可能性、リスキリング(再訓練)と人に力を与える取り組みに重点が置かれなければなりません」。

グローバル・ライトハウス(灯台=指針)」・ネットワーク(Global Lighthouse Network)はマッキンゼー・アンド・カンパニーとの連携で運営されています。

エンノ・デ・ブール、マッキンゼー・アンド・カンパニー、パートナーおよびグローバルマニュファクチュアリング研究グループ、リーダーは、「これら44の工場は、世界経済フォーラムが第四次産業革命の模範となる「Lighthouse(灯台=指針)」として認定した「ものづくり現場」の先駆者である。最新テクノロジーを活用した持続可能性への貢献、迅速な変化への対応、上市までの時間短縮、飛躍的な生産性の向上といった革新的なオペレーションは、製造業の現場が起点となって構築されることが多い。その劇的な効果は製造現場にとどまることなく、サプライヤから顧客に至るまでバリューチェーン全域に及ぶ。今回のレポートで紹介するLighthouseの各工場は、新たな仕組みが単なるパイロットを超えて大きなスケールでインパクトをもたらすための秘訣を明らかにしている。Lighthouseは現時点で競合企業の少なくとも2~3年先を走っており、それは最新テクノロジーの効果検証に時間を費やし、実際の働き方や業務改善に着手できていない企業への警鐘を鳴らすだろう」と述べています。

世界経済フォーラム2020年年次総会

世界経済フォーラム2020年年次総会が2020年1月21~24日、スイスのダボス・クロスタースで開催されます。参加者は政界、各国政府、市民団体、学術界、芸術・文化界、メディア界の世界的リーダー3,000人以上。テーマ「ステークホルダーがつくる、持続可能で結束した世界」の元、持続可能な共生社会をプルリラテラル(複数国主義)で構築するための新たなモデルづくりに取り組みます。

世界経済フォーラムの年次総会では、世界中の政界、国際機関、ビジネス、市民団体、メディア、文化各界を代表する、世界的な専門家や若い世代が一堂に会し、最高レベルの会議を行います。国家元首およそ50人、閣僚級300人以上、CEOおよび会長レベルのビジネス界代表者が関わっています。詳しくはこちら

<参考>

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