世界経済フォーラム パブリック・エンゲージメント・リード 栃林直子
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2019年6月6日 スイス、ジュネーブ – 世界は今、アフォーダブル住宅(収入に応じた適正な価格の住宅)不足の危機という問題への対応を迫られています。世界経済フォーラムの新しい「Making Affordable Housing a Reality in Cities (アフォーダブル住宅のある都市の実現)」によれば、世界の都市の90%はアフォーダブ ル住宅(居住者の生活費を過度に圧迫しない、雇用や人権を脅かさない適切な品質・立地・費用の住宅)を提供できていません。
アフリカでは人口の半分以上が基準を満たさない環境で、インドや中国では人口の約分4の1がスラムでの生活を強いられています。世界中で、ミレニアル世代は過去最高額を住宅に費やしつつも、その生活の質はこれまでよりも低下しています。さらに、2050年までに世界の都市人口の30%以上、約25億人が不良住宅に住むことになる、または住宅費高騰により経済的に苦しい生活を送ることになると予測されています。
世界経済フォーラムの都市開発および都市サービス部門のリード、アリス・チャールズは述べています。「少数の人しか住宅費用を賄えない世界はサステナブル(持続可能)ではありません。それぞれの市がソリューションを見つけようとするなら、手頃な価格を構成する要素、そしてそれに影響を与える要素についての幅広い理解が必要です。このレポートでは、手頃な価格に影響を与える需要と供給両面のダイナミクスを取り上げ、住宅バリューチェーンのシステム的なギャップに取り組む政策と実践を通して政府の支援への依存を減らし、より商業的に実現可能なアフォーダブル住宅への動機付けができる戦略的介入および長期的な改革へと意思決定者たちを導きます」。
アフォーダブル住宅実現までの主な課題には、土地の取得、土地利用に影響を与えるゾーニングおよび規制、資金調達メカニズム、設計および建築費用などがあります。以下は、アフォーダブル住宅実現に向けた革新的なアプローチの例です:
レポートには、以下を含む行政、民間企業、そして非営利組織向けの提案も含まれています:
アフォーダブル住宅の確保は、都市を包摂的、安全、強靭(レジリエント)かつ持続可能にすることを目指す国連の持続可能な開発目標11の達成に欠かせません。2016年のニューアーバンアジェンダでは、住宅に関する政策は健康、雇用、貧困、モビリティ、エネルギー消費に影響を与えうるとされています。
本レポートはPwC(プライスウォーターハウスクーパース)との共同作業により作成されました。
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