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AIスタートアップへの投資急増〜デジタルテクノロジー関連動向〜

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AIスタートアップへの投資額が今年第2四半期に240億ドルに達しました。

AIスタートアップへの投資額が今年第2四半期に240億ドルに達しました。 Image: Unsplash/and machines

Cathy Li
Head, AI, Data and Metaverse; Member of the Executive Committee, World Economic Forum
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本稿は、以下センター(部門)の一部です。 第四次産業革命
  • このラウンドアップでは、デジタルテクノロジーの最新動向をお届けします。
  • 注目の記事は、AIスタートアップへの投資が第2四半期に急増、ネット中立性ルールの復活延期、AIとオリンピック、などです。

1. AIスタートアップへの投資が第2四半期に拡大

クランチベース社の新しいデータによると、今年の第2四半期にAI(人工知能)への投資が急増しました。

ロイター通信の報道では、4月から6月までの四半期で、AIベンチャー企業への投資額は240億ドルに達し、前四半期の2倍以上に増加したとのこと。

この期間におけるスタートアップ企業への資金調達総額は790億ドルに達し、16%増加しました。これは主にAI投資が牽引したもので、AIは初めて最大の投資対象セクターとなりました。

しかし、スタートアップ企業への資金調達は過去3年間よりも低い水準にとどまっており、2024年上半期のグローバルな資金調達は5%減少しました。

AI start-up funding since 2023.
Image: Reuters

2. ネット中立性ルールの復活延期

米連邦通信委員会(FCC)によるネット中立性ルールの復活を8月5日まで保留すると米控訴裁判所が発表。これにより、米国でのネット中立性ルールの復活が延期されました。

この保留は、ブロードバンド業界からの法的挑戦の「是非を検討する十分な機会」を与えるため。2015年に初めて導入され、トランプ大統領の下で2017年に廃止されたこの規則は、インターネットサービス事業者に対し、インターネットデータとユーザーを平等に扱うよう求めるものです。この規則により、事業者は特定のユーザーに対して、アクセス制限、速度低下、コンテンツブロックを行うことが禁止されています。

オバマ大統領政権によって導入されたものですが、トランプ大統領の下で、FCCはこの規則が不必要であり、イノベーションを阻害すると主張していました。バイデン大統領は2021年にFCCに再導入を促す大統領令に署名しました。

3. 短報:世界各国のデジタルテクノロジー関連記事

AI関連銘柄の掘り出し物を狙うヘッジファンドが韓国とその半導体メーカーに注目しているとロイターが報じました。これらの企業が注目される中、生成AIの開発者は広帯域メモリーチップの確保を急いでいます。

英国の労働党政権は、AIモデルを効果的に規制する方法を検討すると述べていますが、具体的な法律案はまだ提出されていません。英国政府はオンラインの安全に関する法律の強化も計画しています。

ロイターの調査によると、日本では約25%の企業がAIをビジネスに導入していますが、5分の2以上はAIを活用する計画がないとのことです。

グーグルは、NBCユニバーサル社および米国オリンピック・パラリンピック委員会とともに、パリオリンピックの米国中継の一環として、競技の解説にAIを活用すると発表しました。

公民権運動60周年を記念して、当時米国アラバマ州セルマからモンゴメリーへの行進が行われた同じ道を、米国をはじめ世界中の人々がメタバースを通じて行進に参加できる暫定計画が発表されました。

米国カリフォルニア州では、新たなAI規制法案(カリフォルニア州上院法案1047)が州内外で議論を巻き起こしています。この法案は、1億ドル以上を費やし、特定の高水準のコンピューティング・パワーを使用する企業に対し、安全性テストとモニタリングの導入と遵守を求めるもの。しかし、反対派はこの法案が「イノベーションを阻害する」と主張しています。

4. デジタルテクノロジーに関する課題

新しいレポートは、欧州連合(EU)が設定したデジタルトランスフォーメーションの目標に対して欧州が遅れをとっていると警告しています。「The State of the Digital Decade(デジタルの10年の現状)」では、コネクティビティやデジタルスキルなどの領域における格差が指摘されています。

6月末に開催された世界経済フォーラムのニュー・チャンピオン年次総会でも、AIが重要な論点となりました。テクノロジーを活用する上で、リーダーたちが認識している機会の詳細についてはこちら

ソブリンAIとは、国家が地域または国家のAI戦略に基づいて、自国の人材でAIを構築する能力のことです。DAIMLASの最高人工知能エコシステム構築責任者であるジョセフ・ウェベ氏が、このアプローチがAIを地域のニーズや価値観に適応させるために重要である理由を説明します。

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1. AIスタートアップへの投資が第2四半期に拡大2. ネット中立性ルールの復活延期3. 短報:世界各国のデジタルテクノロジー関連記事4. デジタルテクノロジーに関する課題

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