Nature and Biodiversity

世界で最も暑い日、暑い月を記録:自然と気候に関して知っておくべきこと

7月4日、世界は最も暑い日を記録しました。

7月4日、世界は最も暑い日を記録しました。 Image: REUTERS/Jon Nazca

Kate Whiting
Senior Writer, Forum Agenda
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本稿は、以下センター(部門)の一部です。 自然と気候
  • 本稿では、自然と気候に関する重要なニュースを取り上げています。
  • 自然と気候に関する最近のトップニュースは、7月4日に世界は最も暑い日を記録したこと、EUのグリーン転換に年間7,600億ドルが必要であることが明らかになったこと、大西洋のハリケーンシーズン予報が修正され、名前の付く暴風雨の数は18に増加したことです。

1. 世界で最も暑い日、最も暑い月を記録

世界の気温は記録を更新しています。7月4日には、前日に記録した最高気温を上回り、公式記録で世界で最も暑い日となりました。

中国から北アフリカ、米国南部州にわたり、熱波が気温を押し上げたことで、米国の国立環境予測センターのデータによると、世界の平均気温は17.18℃に達し、7月3日に記録した17.01℃をさらに上回りました。

欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスの科学者たちは、6月が記録上世界で最も暑い月だったことを7月6日に明らかにしました。気温は陸海ともに異例なほどの高温を記録したのです。

インペリアル・カレッジ・ロンドンのグランサム気候変動環境研究所で、気候科学教授を務めるジョエリ・ロゲリ氏は、「この記録は何ら驚くことではありません。気候変動が憂慮すべきスピードで進行していることの証です」と述べています。

「エルニーニョ現象の影響が今後数カ月の間にさらに強まれば、世界気温の記録が新たに更新されても不思議ではありません」

英国気象庁によると、同国は今年、1884年以来で最も暑い6月を経験しました。気候変動により酷暑が頻繁化していると同庁は述べています。6月の平均気温は15.8℃となり、1940年と1976年に記録した過去の気温より0.9℃上昇しています。

2. EUのグリーン転換には年7,600億ドルが必要

欧州委員会の報告書は、欧州が、エネルギー転換目標の達成を通じて気候変動と闘うためには、年7,620億ドル以上の投資が必要であることを明らかにしました。

EUの目標達成能力について、重点的に取り上げている戦略的将来予測報告書(Strategic Foresight Report)は、「グリーン・ディール(Green Deal)と、リパワーEU(REPowerEU)計画の目標を達成するためには、さらに年間6,753億ドルを投資する必要がある」ことを明らかにしました。

さらに、同報告書は、ネットゼロ産業法(Net-Zero Industry Act)の目標達成に取り組むには、2023年から2030年にかけて920億ユーロの追加投資が必要になると指摘しています。

欧州委員会のマロス・セフコヴィッチ副委員長は、この目標を達成するためには欧州が「投資の欧州」に変わらなければならないとして、パブリックセクターに対し的を絞った投資を行うよう記者会見で呼びかけました。

EU加盟国は、欧州気候法(European climate law)のもと、2050年までにカーボンニュートラルを実現する法的義務を負っており、温室効果ガスの正味排出量を2030年までに1990年比で55%以上削減することを誓約しています。

EUの排出量ネットゼロ達成に向けた進捗状況を図で示しています。
EUの排出量ネットゼロ達成に向けた進捗状況を図で示しています。 Image: European Parliament

3. 自然と気候に関するその他のトップニュース

プラスチック消費に起因する排出量が、自動車の排出量と同程度になる可能性があることが、新しい報告書で明らかになりました。オーストラリア海洋保護協会の報告によると、同国におけるプラスチック消費による排出量は、自動車570万台の排出量に匹敵します。これは、オーストラリアの路上を走行する自動車の3分の1以上に相当します。

海面水温が記録的水準に達したことを受け、米国の予報士らは熱帯性暴風雨の予測を再度引き上げました。コロラド州立大学による、今年の大西洋のハリケーンシーズンに関する予測では、名前の付けられる暴風雨の数は18、ハリケーンは9つ発生し、そのうち4つが猛烈な暴風雨になる可能性があるとしています。

マレーシア政府は、7月7日、エルニーニョ現象が2024年の最初の数カ月にピークに達する可能性があるとの予測を公表しました。同国では、エルニーニョ現象の初期の兆候である高温と乾燥した天候が長期化しており、マレーシア最大のパーム油生産州であるサバでは水不足によって作物の収量が減少するなど、すでに影響が表れ始めています。

ロンドンにある国連国際海事機関本部では、海運業界は「2050年頃までに」排出量ネットゼロを達成しなければならないという、新たな協定が成立しました。しかし、環境保護活動家たちは、この協定では世界の気温上昇を1.5℃未満に抑える目標を達成できないと指摘しています。

米国地質調査所によると、米国内の水道水サンプルのほぼ半数に、有毒な「永遠の化学物質(forever chemical)」が含まれています。合成ペルフルオロアルキルまたはポリフルオロアルキル物質は、洗剤やピザの箱など幅広い家庭用品に使用されますが、この物質の一つ以上が安全な水準を上回って含有されているサンプルが45%ありました。

国際原子力機関(IAEA)は、2年にわたる審査を経て、福島第一原発の放射能処理水を海洋放出する日本の計画を承認しました。ロイター通信によれば、IAEAは、この処理水放出が人や環境に与える放射能の影響は「無視できる程度」であるととしています。

4. 自然と気候の危機に関わるその他の課題

今年は多くの国で気温の記録が更新されており、気候科学者は、2023年が記録上最も暑い年になる可能性があると指摘しています。このような予想が出される主な要因は、炭素排出量の増加と気候変動にあり、エルニーニョ現象の再来が予測されていることも一因になっています。

ソマリアは、ほかのサハラ以南の国々と同様に、気候変動による人的影響に苦しんでいます。ソマリア連邦政府の干ばつ人道問題大統領特使事務局のアブドラフマン・アブディシャクール・ワルサミ氏は、サステナブルな農業、地域システム、テクノロジーの観点から、同国がレジリエンス(強靭性)を築く4つの方法を紹介しています。

都市の人口は増加し続けていますが、これが気候危機を解決する鍵にもなります。世界銀行は、よりレジリエントで環境に優しく、一段と包摂的な都市環境を設計する上での課題、およびこれに取り組むために必要な戦略について、概要をまとめました。

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