最低賃金が最も高いOECD加盟国は?
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最低賃金は、法律に基づいて雇用主が労働者に支払う義務のあるわなければならない賃金の最低額です。 Image: Unsplash/Kenny Eliason
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英国
- 経済協力開発機構(OECD)加盟国の日本は、全国最低賃金の引き上げを発表。その引き上げ幅は過去最高の3.3%となっています。
- 全国最低賃金が最も高いのは、ルクセンブルク、オーストラリア、ニュージーランド、英国、ドイツです。
- 一方、最低賃金が必ずしも「生活賃金」を反映しているとは限らないという意見もあります。
最低賃金は、法律に基づいて雇用主が労働者に支払わなければならない賃金の最低額です。労働者の搾取防止や低所得世帯の支援を目的に、ほとんどの国で最低賃金制度が導入されています。
しかし、上のグラフが示すように、現在でも最低賃金制度が設定されていない国もあります。法定最低賃金の反対派は、人件費が増加すれば企業が値上げを余儀なくされ、インフレを引き起こすと主張。また、企業が従業員を解雇し、それが失業率上昇につながる可能性を指摘しています。一方、法定最低賃金の賛成派は、消費者の購買力拡大が経済を刺激するため、貧困を削減し、不平等への対処にも繋がるとしています。
最低賃金の引き上げを推進する日本
日本は後者の道を選択し、低所得世帯が生活費上昇に対応できるよう最低賃金を引き上げる計画を発表しました。今年度の引き上げ額は31円で、全国平均時給は961円(7.16米ドル)。ブルームバーグ(Bloomberg)によると、上昇率3.3%は、全国平均の引き上げ額と共に過去最高となります。
世界最高の最低賃金は
日本の最低賃金の水準は、OECD加盟国38か国の中では中位に位置しています。WageIndicator.org(賃金指標団体)によると、全国最低時給が最も高い国は以下の通りです(直近の米ドル換算レートによる)。
ルクセンブルク
ルクセンブルクでは、18歳以上の熟練労働者の最低時給を15.66ユーロ(15.87米ドル)としており、最低賃金が世界で最も高い国となっています。非熟練労働者や若年者の賃金はこれよりも低く設定されています。
オーストラリア
オーストラリアは最近、全国最低賃金を時給21.38オーストラリアドル(14.97米ドル)に引き上げました。オーストラリアの最低賃金は年齢や勤務形態によって異なっており、21歳未満の若年者や訓練生の最低賃金は低く設定されています。
ニュージーランド
ニュージーランドでは、最低21.20ニュージーランドドル(13.41米ドル)の時給を支払うことが義務付けられています。この最低賃金の対象は、16歳以上の大人。ただし、18歳未満の労働者が最低賃金の全額支払いを受けるには、雇用主のもとで6カ月間在職している必要があります。
オランダ
オランダのフルタイム労働者の法定最低賃金は、時給10.14ユーロ(10.27米ドル)となっています。ただし、21歳以下の労働者のレートはこれよりも低く設定されています。
英国
英国の全国最低賃金は時給9.50ポンド(11.43米ドル)。他の多くの国々と同様、最低賃金のレートは年齢によって異なっています。最低時給の全額支払いの対象となるのは23歳以上の労働者です。
フランス
フランスでは、ほぼすべての労働者に10.57ユーロ(10.71米ドル)の時給が支払われていますが、制度では対象者によって減額措置などがあるため、若年の訓練生の賃金はかなり低くなることがあります。
ドイツ
2022年6月にドイツは全国最低賃金を時給10.45ユーロ(10.59米ドル)に引き上げました。これはフリーランスで働く人と一部の研修生やインターンを除く、18歳以上のすべての労働者に適用されます。
誰もが公平な扱いを受けられるわけではない
最低賃金制度は世界のほとんどの国で設定されていますが、制度が順守または実行されないケースは稀ではありません。最低賃金の未適用や雇用主の不履行によって、世界では最低賃金以下で働いている労働者が2億6,600万人いると推定されています。また、人間の基本的欲求を満たすことができないという点で、最低賃金は真の生活賃金を反映していないと専門家は述べています。さらに、世界平均で見ると、女性の賃金は男性よりも低くなっています。
ユニリーバ社の人権担当グローバルディレクターであるRachel Cowburn-Walden(レイチェル・コーバーン・ウォルデン)氏は、「各国政府は、生活賃金を法定最低賃金に確実に反映しなければなりません」と述べています。世界経済フォーラムGlobal Future Council on the New Agenda for Work, Wages and Job Creation(仕事と賃金と雇用創出のための新しい課題に関するグローバル・フューチャー・カウンシル)のメンバーでもある同氏は、次のように続けます。「そうでない場合、企業は最低でも生活賃金を支払わなければなりません。また、結社の自由と団体交渉権をこれまで通り認め、生活賃金は上限ではなく下限であることを理解する必要があります」。
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