気候変動

気候変動対策と自然保護 ― より良い未来に向けたパートナーシップ

気候変動危機は、目前に迫っています。

気候変動危機は、目前に迫っています。 Image: Unsplash/Greg Rosenke

Gim Huay Neo
Managing Board, Head of Centre for Nature and Climate, World Economic Forum
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気候変動

本稿は、以下会合の一部です。世界経済フォーラム 年次総会2022
  • 地球温暖化は世界が直面する最大の課題であり、平均気温が産業革命以前の水準から1.5℃以上上昇する確率は50%に増加しました。
  • 全ての人が一致団結した行動を早急にとることで方向転換しなければ、気候変動による悪影響は避けられません。
  • 世界経済フォーラムの年次総会では、より良い世界に向け世界のリーダーたちが、大胆なアイデアや行動に向けた連携とパートナーシップを支持し、信頼を醸成し、一致団結して行動することが必要です。

春は新たなスタートの季節です。世界経済フォーラムの年次総会は2年間中断されていましたが、今回50年の歴史上初めて春に開催されたことは注目に値します。花が満開となり、自然が生き生きと輝くスイスでは、春は最も美しい季節の一つです。

この年次総会は、リーダーたちが実際に集まって気候変動対策、エネルギー転換、食料の安定供給、ヘルスケアへのアクセス、雇用などの課題について対面で話し合うとともに、仲間意識や共通の目的、そして運命共同体としての感覚を育む機会でもあります。

気候変動がもたらす危機は、目前に迫っています。世界気象機関(WMO)が最近発表した「世界の気候状況2021(State of the Global Climate 2021)」では、平均気温が産業革命前との比較で一時的に1.5℃を超える確率が今後5年間で50%になったと指摘しています。2021年の世界の平均気温はすでに産業革命前との比較で約1.11℃上昇しており、臨界点(ティッピングポイント)とされる1.5℃の一歩手前まで来ているのです。

気候変動危機を覆さなければならない

地球温暖化の傾向がこのまま続くと、悲惨な結果を引き起こすことになりかねません。気温上昇が1.5℃を超えると、世界のサンゴ礁の70〜90%が回復不能なダメージを受け、異常気象の頻度も著しく増加します。つい最近では、インドやパキスタンで記録的な暑さが続き米国西部フランスでは干ばつが発生しています。

生い立ちや居住地、収入、人種、信条にかかわらず、気候変動の危機的な影響から逃れられる人は誰一人としていません。世界から自らを遮断したり、保護主義を実施したとしてもそれは変わらないのです。

生物多様性、気候、土地、海、水といったグローバル・コモンズの共有によって、私たちは実感している以上につながりがあり、相互依存しているのです。否が応でも、私たちは世界の未来を形成し保護していく運命共同体なのです。

ダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会における、Nature and Climate leadership(自然と気候におけるリーダーシップ)のアジェンダは、スチュワードシップとパートナーシップが中心でした。

  • 世界のリーダーたちが気候変動危機に立ち向かう連帯責任感を育み、決意を固める。気候変動対策として考えられる全ての方法を探り、実施する。
  • これには、地力回復・土壌の健全性、エネルギー効率向上と再生可能エネルギー、素材技術の進歩、グリーン水素、カーボンキャプチャー(二酸化炭素回収)などの自然に基づく解決策と、政策、データ、財務を通じて実践が可能になるイノベーションがある。
  • パブリックセクター、企業、人的セクターをまたぐ協力、そして様々な産業セクターとバリューチェーンや、異なった地域とコミュニティを超えた協力を促進・拡大する。

今年の年次総会では、以下のテーマで100以上のセッションが開催されました。

  • 気候変動対策の推進、解決策の拡大、資金調達
  • ネイチャー・ポジティブな経済圏の構築
  • 食料システム・海洋系・水系の再生
  • 資源管理の改善と公害防止

持続可能な環境に移行する道には困難もありますが、ある特定の方法でしか気候変動危機に対応できないという訳ではありません。産業、企業、各国政府は、それぞれの強みや能力を生かし、取り巻く環境を考慮しながら、独自の進路を立案して進んでいかねばならないのです。

年次総会ではエネルギーと食料安全保障が最重要課題に

実際、ダボスで開催された年次総会に参加した多くのリーダーたちの最優先事項は、エネルギーと食料安全保障でした。これらの当面の課題に対処する一方で、クリーンな空気と水、豊かな土壌と生物多様性、地球温暖化対策としてのクールアース、活気のある結束した包摂的コミュニティを支援する共通のビジョンを実現に向けて推し進めるということでした。

私たちは年次総会で、気候変動と自然に関する対策を進めるための新たな機会やパートナーシップを模索しながらも、パートナーである政府や国際機関、企業、その他のステークホルダーとともに既存のプログラムを通じて、影響力を与えるような施策を促進していくことを改めて認識しました。

ファースト・ムーバーズ・コアリション(First Movers’ Coalitionミッション・ポッシブル・パートナーシップ(Mission Possible Partnershipは、産業の脱炭素化を支援し、新技術への需要とイノベーションへの投資を促進します。熱帯林アライアンスTropical Forest Allianceそして1兆本の木イニシアチブ(Trillion Trees Initiativeは森林破壊を食い止め、国土の復元、植林、森林保全のイニシアチブを拡大します。1億人の農家(100 Million Farmers)イニシアチブとフードイノベーションハブ(Food Innovation Hubsはサステナブルで、包摂的で、価格が手頃でより栄養価の高い食料システムへの移行のため、農民とコミュニティを支援します。

Blue Food Partnership(ブルーフード・パートナーシップ)Blue Carbon Action Partnership(ブルーカーボン・パートナーシップ)及び世界水イニシアチブ(Global Water Initiativeは科学と知識に基づいた政策とビジネス戦略を提供し、グローバル・プラスチック・アクション・パートナーシップ(Global Plastic Action Partnershipはプラスチック廃棄物と汚染を削減し、サステナブルな金融や炭素市場などの新しい市場メカニズム開発に向けて、地元ステークホルダーのパートナーシップを促進するものです。

これは歴史における重要な瞬間です。私たちが知識と創造性の領域を拡大し、人類の活動と交流によって迅速かつ効果的な対応を可能にする、誰もが参加できる機会なのです。世界経済フォーラムはより良い世界を構築していくために、大胆なアイデアやイニシアチブをとり、行動に向けた連携とパートナーシップを歓迎し、支援していきます。

交流と議論が、変革につながる思考や思い切った行動のきっかけになることを期待します。ディスラプション(創造的破壊)とシステム改革を率先し、適切なタイミングと規模で、素早く、可能な限り低いコストで危機に対応することがリーダーたちに求められているのです。皆様にとって、実りある議論となり会合が成功することを祈念します。

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