「トラスト(信頼)」から「テック」へ - ダボス・アジェンダ2022 <2日目>
岸田文雄首相が、ダボス・アジェンダでクラウス・シュワブ教授との対談、特別講演を行いました。 Image: 世界経済フォーラム/Pascal Bitz
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恩恵をもたらすテクノロジー
- ダボス・アジェンダ2022の2日目は、イスラエルと日本の首相が特別講演を行いました
- また、グローバル・ソーシャル・コントラクトや新型コロナウイルスのワクチンにに関するセッションも行われました
- 今日のポイントを3つ紹介します
今日のダボス・アジェンダでは、イスラエルのナフタリ・ベネット首相と日本の岸田文雄首相が特別講演を行いました。
また、「グローバル・ソーシャル・コントラクト」や「ワクチンの公平性」などのセッションも行われました。
見逃した方のために、3つポイントをご紹介します。
新しい経済的・社会的な未来?
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、健康、仕事、経済など、私たちの生活のあらゆる部分に大きな影響を及ぼしました。リカバリーに向けて、今後はどうなるのでしょうか。
欧州委員会の雇用・社会的権利担当委員であるニコラ・シュミット氏は、ダボス・アジェンダで次のように述べています。「私たちは今、とてつもない変化の時を迎えています。
同氏は、今回のパンデミックによって、気候変動をはじめとする他の課題に取り組む必要性が薄れたわけではないことも強調しました。
また、スペインの副首相兼経済問題・デジタル移行大臣のナディア・カルビーニョ氏は、「一方で、特に脆弱な国では、経済的・社会的な回復を正しく行うことが重要です」と述べました。
では、どのようなリカバリーをめざすべきか。カルビーニョ氏が言うように、それは公平なものでなければなりません。
例えば、マンパワーグループの会長兼CEOであるジョナス・プライシング氏は、「労働市場における根深い不平等に対処する必要がある」と説明しています。
また、ヤラ・インターナショナルの社長兼CEOスヴェン・トーレ・ホルセスラー氏は、「私たちはシェアホルダー資本主義からステークホルダー資本主義へと移行する必要がある」と述べました。これは単に必要なことではなく、不可欠なことです。
また、岸田首相は、特別講演の中で、資本主義の将来を見据え、経済成長と分配のバランスのとれた形の「新しい資本主義」を提唱。
そのためには、官民一体となって取り組む必要があると説明しました。
「トラスト(信頼)」の再構築
しかし、このような変化は、トラスト(信頼)なしには起こりえません。今日のダボス・アジェンダのセッションでは、一貫してこのテーマが議論されました。
パンデミックへの対応にしても、「最も希少なコモディティのひとつ」とWHO健康危機プログラム事務局長のマイク・ライアン博士が説明したように、あるいは、国際労働組合総連合のシャラン・バロー書記長が述べたように、新しい社会契約の締結にしても、今日の講演者たちは、信頼を回復するための作業が必要であることを明確に示しました。
「ここでは、企業が重要な役割を担っています」と、シュワブ財団による「ソーシャル・イノベーター2022」賞の発表会で、Nike N7のサム・マクラッケン氏は語りました。
また、同じセッションでは、ジョンズ・ホプキンス大学SNFアゴラ研究所所長のハーリー・ハン氏は、「人々が自らの未来の設計者になる機会を与えられれば、信頼を回復することができる」と述べました。
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テクノロジーの役割
新型コロナウイルスの感染拡大から気候変動まで、テクノロジーはさまざまな分野で役割を果たすことになるでしょう。
ナフタリ・ベネット首相は、「気候災害を回避するには、イノベーションが鍵となる」と訴えました。
新型コロナウイルスのパンデミックへの取り組みにおいても、テクノロジー、特にデータとインサイトが重要な役割を果たしていると説明しました。
しかし、リスクがないわけではありません。リモートワークは、サイバーセキュリティ上の脅威を浮き彫りにもしています。
一方で、新型コロナウイルスのパンデミックは、 過疎化や高齢化などの日本の課題を解決するためのデジタル化の力を明らかにしたと、岸田首相は述べています。
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