新型コロナ対策として、政府が掲げる「リモートワーク目標7割」。

しかし、2度目の緊急事態宣言下(2021年1~2月)でのリモートワーク実施率はわずかに25.4%だったことが、リクルートワークス研究所の調査で分かった。

最初の緊急事態宣言(2020年4~5月)では、リモートワークの実施率は32.8%だったのに対し、「コロナ慣れ」の影響か、2度目の緊急事態宣言では実施率が減った。

調査を行ったリクルートワークス研究所では、「政府が目標とするリモートワーク7割にはほど遠い数字。リモートワークを導入したものの、中途半端な形に終わってしまった企業も少なくない」と分析している。

2度目の宣言、効果薄く

緊急事態宣言でリモートワークの実施が増えたが、その後、実施率は減少している。
緊急事態宣言でリモートワークの実施が増えたが、その後、実施率は減少している。
イメージ: 全国就業実態パネル調査 2021臨時追跡調査

調査では「1週間でテレワークをした時間」について、1度目の緊急事態宣言(2020年4~5月)の前後と、2度目の宣言(2021年1~2月)の実態を質問。

緊急事態宣言前の2019年12月の時点では、テレワーク実施率は8.8%のみだった。それが1度目の緊急事態宣言では、32.8%にまで急増。緊急事態宣言の影響で、リモートワークが普及していた。

しかし、宣言が明けた後の2020年12月には、テレワーク実施率は約15ポイントも減少し、18.1%に落ち込んだ。その後、2度目の宣言下でのリモートワーク実施率は、1度目の宣言下に比べ7ポイント低い25.4%だった。

リモート実施率1位は「情報通信業」

情報通信では2度目の宣言下で半数以上がリモートワークを実施していた(表は全体の一部です)。
情報通信では2度目の宣言下で半数以上がリモートワークを実施していた(表は全体の一部です)。
イメージ: 全国就業実態パネル調査 2021臨時追跡調査

テレワークの実施率は、業種によっても大きな違いが見られた。

2度目の緊急事態宣言下で、最もリモート実施率が高かった業種は、情報通信業の54.7%。次に金融・保険業が35.6%、製造業が30.5%、不動産業が29.5%と続いた。

一方でリモートワークの実施率が低かったのは、飲食店・宿泊業で5.9%、医療・福祉が11%、運輸業で12%だった。

56%は「職場でテレワークが認められていない」

「リモートワークが認められていない」という回答は、2度目の宣言でも減っていないのが実情だ。
「リモートワークが認められていない」という回答は、2度目の宣言でも減っていないのが実情だ。
イメージ: 全国就業実態パネル調査 2021臨時追跡調査

テレワークをしなかった理由としては、2回目の宣言時では56.4%が「職場でテレワークが認めてられていないため」と回答している。

1度目の宣言時も「職場で認められていない」という回答が56.7%で、状況の改善がほとんど進んでいないことが浮き彫りになった。

調査を実施したリクルートワークス研究所、調査設計・解析センター長の萩原牧子氏は次のように話す。

もちろん、業種や職種によってリモートワークがしにくいなどの違いはあるものの、職場として改善が進んでいない実態がある。一方、リモートワークの実施割合が多い情報通信業でも、裏を返せば約45%はリモートワークができていないとも言える。企業ごとに対応の差が出てきている」

大企業のほうがテレワーク進む

職場において1日あたりテレワークで勤務している人の割合。
職場において1日あたりテレワークで勤務している人の割合。
イメージ: 全国就業実態パネル調査 2021臨時追跡調査

企業の規模別でみると、社員数の大きい企業のほうが、テレワークの導入が進んでいることも分かった。

「1日あたりテレワークで勤務している人の割合」は、5000人以上の社員の企業では23.2%。一方で、299人以下では8.6%で、テレワークの実施は社員規模が多いほど進んでいた。

現在3度目の緊急事態宣言中だが、テレワークの普及にむけて、企業はどう取り組む必要があるのか?

前出の萩原氏は次のように指摘する。

「緊急事態宣言が出たからといって、一時避難的にリモートワークを導入するのではなく、職場のあり方を根本的に見直す必要がある。コロナから1年以上が経過し、パソコンや通信環境などハード面の整備が進んでいる企業もあるが、今後は仕事の指示の仕方、会議の在り方、協働での仕事のやり方を見直すなど、ソフト面を整えていかないといけない

*この記事は、Business Insider Japanの記事を転載したものです。