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年次総会3日目ハイライト:「自然に対する宣戦布告」- 最前線からの報告

United Nations Secretary-General Antonio Guterres

アントニオ・グテーレス国連事務総長 Image: REUTERS/Denis Balibouse

Robin Pomeroy
Podcast Editor, World Economic Forum
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本稿は、以下会合の一部です。世界経済フォーラム 年次総会2020

「自然に対して人類は宣戦布告しました。そして自然は今、非常に激しい反撃に出ています」。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、年次総会で赤裸々なメッセージを送りました。気候変動が地球を殺すことはなくとも、人類を殺す可能性はある、というメッセージです。

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「炭素の排出に対して値段をつけるべきです。実際、炭素は値づけが必要なほどのインパクトをもたらしています。所得ではなく炭素へと、課税対象を変えるべきです。そうすればウィンウィンの状況が生まれます。化石燃料への補助金はカットする必要があります。収めた税金がサンゴを白化させたり、氷河を溶かしたりするのに使われるという考えは、納税者として受け入れられません」。

ダボスで開催中の年次総会3日目は、あわただしい一日でした。このほか5つのハイライトをご紹介します。

1. マリン氏とメルケル氏 - 欧州の女性リーダー

フィンランドのサンナ・マリン首相は34歳。政府のトップとしては世界最年少です。それだけではありません。連立政権を組むほかの4政党も女性が党首を務め、うち一人を除き全員が35歳以下です。

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「将来的に、年齢や性別がさほど注目を集めなくなることを願っています。普通のこととみなされるべきなのですから」とマリン首相は述べています。「住民に目を向けてみれば、そのジェンダーも世代もさまざまです。ですから、あらゆるバックグラウンドの人が必要なのです」。

おそらく世界で最も影響力を持つ女性、アンゲラ・メルケル ドイツ首相からは、予想外の訴えがありました。お互いにもっと話し合おう、という呼びかけです。

「他者と話し合うことが困難だとわかっても、どうか話し合いを放棄しないでください。あきらめれば、我々はデジタルの波に呑み込まれてしまうでしょう・・・同じ考えの人とばかり語り合うようになるでしょう・・・そうなれば、大惨事を招くことになります」。

The big stage.
巨大なステージ Image: REUTERS/Denis Balibouse

2. AI拡張競争の真っただ中

『サピエンス全史』や『ホモ・デウス』の著者であるユヴァル・ノア・ハラリ氏。歴史と人間の天性に対する自身の知識を活かし、第四次産業革命がもたらす技術変化に耐えるにはどうするべきか、演説を行いました。それは、私たちを安心させる内容ではありませんでした。

「十分なデータを持っていれば、兵士を送り込むことなく他国を支配できるのです」とハラリ氏は言います。

Yuval Noah Harari
ユヴァル・ノア・ハラリ氏 Image: REUTERS/Denis Balibouse

「我々は既にAI拡張競争の真っただ中にいます。この競争をリードしているのは中国と米国で、残る大半の国は、はるか後方に取り残されています」。

「AIがもたらす恩恵と影響力を全人類の間で分配するために、我々は行動を起こさなければなりません。さもなければ、ごくわずかのハイテク拠点でAIが莫大な富を生み出し、ほかの国々は破綻するか、データ植民地として搾取されるか、いずれかの状況に陥る可能性が高いでしょう」。

3. 目の不自由な女性に言うべきではないこと

モリー・バーク氏のYouTubeチャンネルは、登録者数およそ200万人。目が見えない生活の中での体験をハッシュタグ#blindgirlproblemsで語り、障がい者に対してしてはならないことを発信しています。その幾つかをダボスで語りました。

「『トイレでもう拭かなくていいタイミングがどうやってわかるのですか』。これは、私が実際に尋ねられたことのある質問です」。

「私の動画『目が見えなくても生理が来たってわかる』は、再生回数が200万回にのぼりました」。

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4歳のときに珍しい網膜疾患と診断されたバーク氏は、14歳で失明しました。

「世の中が毎日あなたに闘いを挑んでくるなら、応戦すること。これが進み続ける唯一の方法です」。バーク氏はこうコメントしました。

「社会を啓発するために行動する意志がなければ、社会の無知に憤ることはできません」。

4. 地政学上のホットスポットでの生活 - イラク、ベネズエラからの意見

「我が国を去った国民の数は、シリアの出国者数を上回ります。戦争状態にある国でも、爆弾があるわけでもありませんが、国民の嘆きを感じます」。こう語ったベネズエラのフアン・グアイド氏は、50カ国以上から認められた同国の暫定指導者であったにもかかわらず、ニコラス・マドゥロ大統領に侵害者として追放されました。

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国連イラク支援団代表のジャニン・プラスハルト氏は、イラクで起きた米国によるイランのガセム・ソレイマニ司令官の殺害が、情勢を一変させたと述べました。

「この事件でひとつのことが明らかになりました。関与のルールが変わったということです。多くの人たちは、『これが最大の制裁だろう。おそらくこれで終わりだ』と思いました。しかし、率直に言ってまだ結末は見えていないと思います」。

「全面戦争に突入しない中で、イラクが非常に攻撃を受けやすい状況は続くでしょう」。

5)探検家からの旅行に関するアドバイス

年次総会ではインスピレーション溢れる登壇者を歓迎しています。マイク・ホーン氏はどうでしょうか。冒険家である同氏はこれまで、動力付きの移動手段を使わずに赤道沿いを世界一周し、北極海では気温マイナス40℃の中で横断を達成。コンゴでは暗殺グループに遭遇し、ともに拘束された男性は銃で撃たれました。

「文明の中にいるよりも、エサを狙う北極熊が周囲をうろつく気温マイナス40℃のテントにいる方がましな場合もあります」。これは、ホーン氏の講演における数々の名言のひとつです。冷蔵庫のドアに貼っておくべきかもしれません。

こんな名言もあります。「誰もが人生というペンを手に握り、自分がしたいことをスレートに書かなければなりません。そして、魅力的なアイデアが浮かんだその瞬間、心はわくわくし始めます。その時、もはや不可能というものは存在しないのです」。

しかし、ホーン氏が同志の探検家たちに与える最高のアドバイスは、次の発言かもしれません。「下着は着用しません。余計な荷物になりますからね」。

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