大きくなったら、何になりたい?
誰でも一度は聞かれたことのある質問です。最近実施された調査によると、その答えは、インドネシアでは「起業家」との事。
インドネシアでは、15才から35才までの若者の3分の1以上が自ら起業した会社で働きたいと回答。最近急成長しているハイテク系のユニコーン企業(評価額が10億ドルに達した新興企業)に憧れる若者が多いことを考えると、当然かもしれません。

旅行予約サイト「トラベロカ」のCEO、フェリー・ウナルディや現地の配車アプリ「ゴジェック」の創始者、ナディム・マカリム(いずれも30代)のようなビジネスリーダーは、若い起業家でも、短期間のうちに創業間もないハイテク企業を数十億ドル規模の企業に成長させられることを証明しています。

自分のビジネスに集中せよ

ビジネスの成功を夢見るのは、インドネシア人だけではありません。世界経済フォーラムが毎年実施しているASEAN(東南アジア諸国連合)諸国の若者の意識調査の最新版によると、これらの国では起業意識が非常に高いことがわかりました。

イメージ: 世界経済フォーラム

調査では、現在どのような組織で働いているか、将来どこで働きたいかを質問。インドネシアでは、34.1%の若者が自ら起業した会社で現在働いていますが、それを1.5%上回る35.6%が将来そうしていたいと望んでいると答えています。 タイではこの割合はやや下がりますが、若者のほぼ3分の1を占めています。 ベトナムの若者の場合は、4分の1以上が起業家を目指したいと答えています。ベトナムには、節水と生産性向上を狙いIoT(モノのインターネット)センサーを使って植物へ給水を行う農業テクノロジー企業のハチ社を初めとして、成功したハイテク新興企業もあります。

早期スタート

この調査では、ASEAN全体で回答者の26%以上(前年比で微増)が自ら起業した会社で働いており、それより1%ほど多い人が将来自分も起業したいと望んでいることが明らかになりました。

イメージ: 世界経済フォーラム

起業家と新興企業に勤務する人を合計すると、ASEAN諸国の若者のほぼ3分の1。自分の会社を持つことへの魅力が一層際立っています。

国や状況によっては、ビッグビジネスへの憧れよりも、必要に迫られて起業家になりたいと考えている若者も多いのかもしれません。つまり、自分で会社を作って働く以外の選択肢がないと感じる状況だと言うことです。

企業を経営するだけでなく、多国籍企業で働くことに魅力を感じる人も増加。将来、多国籍企業で働いていたいと考える人は、現在働いている人数の2倍に上ります。

中小企業(SME)は多くの地域で経済の根幹を成していますが、以前ほど若者にアピールしなくなっています。こうした思考の変化は、今後、この部門の人事採用における課題になる可能性もあります。

地域による差異

東南アジアは起業ブームに沸いていますが、世界の他の地域とは状況が違います。

カウフマン財団が発表した国別報告書によると、米国では、20才から34才までの新規起業家の割合が減る一方で、それ以上の年齢層の割合が増えています。

1996年のデータでは、米国の起業家全体の34%以上がこの若年層に属していましたが、20年間で、その割合は約4分の1に落ち込んでいます。

フランスでは、18才から24才までの年齢層で起業家としてのキャリアを「強く」望んでいるのは16%。最も高い25才から34才の層でも5分の1程度です。

米国やヨーロッパ諸国の成熟した市場と比較すると、東南アジア経済の大部分は急速に拡大。新興中産階級の間で技術セクターが活況を呈し、売上が増加しています。これらの条件を考えると、現代テクノロジーに精通した起業家が成功する機が熟していると言えます。

ASEANが一つの国と想定した場合、世界第5位の経済大国としてランキングされることになります。2020年までには、6億4000万人の人口の約3分の2が40才未満になり、2人に1人が未来のユニコーンとなる会社を起業するようになるでしょう。