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労働力の高齢化課題をリードする日本

少子化が進む日本。労働の未来の需要を満たすことができるのか?

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Makiko Eda
Consultant, World Economic Forum Tokyo
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日本

第4次産業革命のテクノロジーが既存の経済・社会システムを圧迫する中、日本は諸外国と同様、グローバリゼーション4.0の持つ大きな影響力に直面しています。2018年版の「仕事の未来レポート」によると、2022年までに主要20ヵ国で7,500万人分の雇用枠が失われると予測されており、新たな労働力の需要を満たすべく、官民による解決策が求められることになります。

同時に、日本は労働力の高齢化という差し迫った人口をめぐる課題に対応しなければなりません。65才以上の高齢者の人口は全体の27%以上を占めている一方、2017年の出生率は1.43。人口置換水準を大きく下回っています。また、最近の調査によると、日本では2030年の人手不足が644万人にものぼると言われ、東京だけでも133万人分の労働力が不足すると算出されています。

つまり、日本では労働力市場の変化だけでなく、世界中で大きな問題になっている労働力不足への対応も求められることになります。これらの課題を克服し、デジタル改革のメリットを実現するためには、包摂的なアプローチとリスキリング(再教育)構想が重要になります。

人口変化の数と割合
Image: 日本総務省

ある調査では、持続可能な労働力市場を創出するには、日本は2030年までに高齢者163万人、女性102万人、外国人81,000人を雇用するとともに、新しいテクノロジーの導入により、効率性を高める必要があるとしています。

また、変化する労働環境を乗り越えるために必要なスキルを、新規・既存の労働者が習得できる仕組み作りも必要です。「仕事の未来レポート」では、技術の進歩により、世界中で1億3,300万の新しい仕事が創出される可能性があり、2022年までに全従業員の54%がリスキリング(再教育)またはアップスキリング(技能向上)を受けることになると予測。こうした大規模な変化には、政府と企業が連携し、共に解決策を模索する事が重要となります。

日本では、労働力の99%が中小企業に属していますが、中小企業は、大企業と比較すると、社員研修を実施する頻度が少ないのが実情です。そこで、より政府に求められるのは、戦略的に企業と提携しながら、リスキリング(再教育)計画を立て、社員の能力、労働に関連する制度、高成長のセクターといった、3つの主要分野への投資を支援することです。

2019年版のレポート「リスキリング革命に向けて」では、失業の可能性がある従業員の25%にリスキリング(再教育)を行うことで、間接的な社会的利益も含め、企業には経済的利益があると予想されています。つまり、従来のやり方を覆すような思い切った方法で従業員の再教育を行う事のできる企業は、他社より優位に立つと言えるでしょう。

また、日本では平均寿命がさらに延びると推測されており、これに伴う需要も拡大すると思われます。生涯学習の機会を提供し、職場における高齢者対策方針を実現するには、社内および社会のカルチャー・シフトも大切です。

また、2018年版の「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート」の男女平等(均等機会)の項目で、日本は149ヵ国中110位。これは、課題のひとつに挙げられます。「ウーマノミクス」に重点的に取り組むことで、女性の労働参画率は過去最高の71%に達しましたが、高成長の職務で女性が均等に活躍し、将来の発展に必要な優れた能力を身につけられるよう、今後も政府と企業が継続して積極的な対策を講じる必要があります。

日本にとっては、包摂的なリスキリング(再教育)に重点的に力を入れることで、こうした課題を克服できる素晴らしい機会だと言えます。これは、人間を中心とした経済発展のアプローチである「ソサエティ5.0」に対する日本の取り組みとも一致します。新たな時代を迎えた今、日本は将来の課題に対応するため、包摂性、適応性、男女平等を支援することができるはずです。

世界経済フォーラム日本代表 江田麻季子

この記事は著者の意見を反映したものであり、世界経済フォーラムの主張によるものではありません。

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