透明性の高い不動産市場が都市の成功に役立つ理由

Workers are seen crossing the Millennium Bridge, with St Paul's Cathedral seen behind during the morning rush hour in London, Britain, September 25, 2018. Picture taken September 25, 2018. To match Exclusive BRITAIN-EU/CITY REUTERS/Toby Melville - RC13569F4470
London has the most transparent real estate market, according to a new global index.Image: REUTERS/Toby Melville
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大都市圏の政府や公共機関は、不動産業界が都市の成功に重要な役割を果たすことを、ますます認識するようになっている。不動産業界は、企業にとってより競争力があり、効率的で柔軟な環境づくりに役立つとともに、生活の質の向上に寄与し、市民にとってより持続可能な未来を築く助けとなる。

この役割を果たし、効率的に機能するには、不動産セクターに高い水準の透明性が求められる。その基盤となるのは、厳格に執行される法律や規制、質が高く容易に入手できる市場情報やパフォーマンス指標、明確で公正な慣行、そして高い専門性である。こうした基盤があれば、企業や投資家は確信を持って意思決定でき、政府も効果的に機能できる。それにより、地域社会や環境に長期的な恩恵がもたらされる。

例えば、質の高い不動産市場データは、いつ、どのような種類のスペースを建設すべきかについて、開発業者や投資家に明確なシグナルを送る。また、商業用建築物のエネルギー効率に関する指標は、企業が十分な情報に基づいて選択することを可能にし、都市がより持続可能な道を進む助けとなる。個人にとって透明性とは、不動産所有の安心、安全な住宅や職場、信頼できる専門的なサービスを享受できることを意味する。

世界で最も透明性の高い都市

JLLとLaSalleによる隔年刊行の「グローバル不動産透明性インデックス」は、100カ国の158都市を対象に、不動産の透明性を測定し、順位付けしている。今年のインデックスでは、世界で最も透明性の高い都市は欧州、北米、オーストラレーシアに位置し、ロンドン、ロサンゼルス、シドニー、サンフランシスコが上位を占めることが確認された。

当然ながら、「高透明性」に分類される上位都市は、不動産投資家にとって好ましい投資先となっている。良好な事業環境、透明な市場慣行、容易に入手できるデータやパフォーマンス指標が投資家を引きつける。「高透明性」市場は、世界の商業用不動産投資全体の約75%を占める。実際、不動産投資額で世界上位30都市のうち、「準透明性」に分類されているのは、中国の巨大都市である上海と北京の2都市のみだ。

しかし、上位都市でさえ、新たな課題によって透明性が試されており、投資家、企業、一般市民の期待の高まりを受けて、基準はさらに引き上げられている。2016年と2017年のパナマ文書およびパラダイス文書の暴露では、国際不動産市場における違法な資金調達、脱税、複雑な実質的所有構造が広範に明らかになった。これを受け、不正に得た資金の有力な投資先となっていた多くの「高透明性」不動産市場で、新たな指針や法律が相次いで導入された。

データ流出をめぐる報道の嵐では高級住宅取引が焦点となったが、投資家や企業、そして社会全体が業界により高い基準を求めるなか、商業用不動産はかつてないほど厳しい監視の対象となっている。

改善の余地

一方、透明性の尺度のもう一方の端にある新興国の都市では、効果的な企業統治から市場データの入手可能性、強固な法規制の枠組みに至るまで、透明性の高い不動産セクターの基盤づくりに今も取り組んでいる。アフリカ、アジア、ラテンアメリカで急速に都市化が進む都市にとって、透明性は長期的な都市計画の成功と持続可能な経済成長に不可欠である。多くの場合、透明性の欠如が、こうした都市の世界的な競争力の獲得を妨げ、その強みを生かす力を制限している。

それでも、ブラジル、中国、インド、インドネシア、メキシコ、ロシア、タイ、トルコといった最大規模の新興経済国の都市では進展が見られる。上海、バンコク、ムンバイ、サンパウロは、今や透明性の実現まであと一歩のところにある。改善にはばらつきがあり、これらの都市は基準を引き上げ続け、新たな法的枠組みや規制を適切に執行しなければならない。

例えばインド政府は、規制の強化、開発業者の説明責任の向上、データ入手の改善、購入者の保護を通じて、すでに汚職の抑制に取り組んでいる。こうした対策は成果を上げている。ムンバイ、デリー、ベンガルールという同国の主要都市は、今や世界で最も急速に改善している不動産市場の一角を占め、「透明性」の水準に迫っている。透明性の向上と並行してプライベートエクイティ投資も増加し、2017年には63億ドルに達した。不動産への外国投資も、こうした変化と並行して増加している。

テクノロジーによる透明性の向上

改善が著しいもう一つの都市、ドバイでは、テクノロジーを活用したさまざまなイノベーションが見られる。契約、仲介業者情報、統一賃貸契約書式を管理する新たなオンラインアプリや機能強化されたアプリが、透明性の向上に寄与している。将来的には、ブロックチェーンなどのツールにより、都市計画から環境報告まで、不動産に関わるあらゆる分野で世界的な標準化が進む可能性がある。

世界的に、不動産業界では技術革新が進み、この2年間に不動産テクノロジーのスタートアップが60億ドルを超える資金を調達した。こうした企業の成長に伴い、不動産テクノロジーは今後、不動産の透明性向上を促す重要な原動力となり、新興都市の変革を加速させる可能性がある。これにより、透明性が段階的に進化する通常の過程を飛び越えられるかもしれない。

北米、欧州、オーストラレーシアの先進国にある「高透明性」都市から、サハラ以南のアフリカやラテンアメリカの新興都市まで、透明性の尺度全体にわたり、不動産セクターは都市の未来を変革するうえで引き続き重要な役割を果たす。しかし、期待が高まり続けるなか、業界は先手を打つために努力を続けなければならない。今後数年間、不動産の透明性を高めるうえで、テクノロジーが重要な役割を担う。

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