グローバルサウスでは、交通データへのアクセスが難しかったり、整理されていなかったりすることが多く、排出や渋滞など都市交通の課題を改善する取り組みの妨げとなり得る。
適切なデータがなければ、都市計画の改善や都市物流の管理に加え、都市部での貨物輸送をより持続可能な方法へ移行させることも難しい。
新たな報告書では、アライアンス・フォー・クライメート・アクション南アフリカが、官民連携によって都市が都市貨物輸送のデータを収集し、新技術を試験導入する方法を示している。
都市は、住民、店舗、その他の事業者に必要な時に商品やサービスを届けるため、都市貨物輸送に依存している。しかし、グローバルサウスで都市貨物輸送をより持続可能にするうえで、データの入手可能性が大きな障壁となっている。入手できる情報の多くは断片的で、アクセスできないか、整理されていない。人や物がどのように移動しているかを示す信頼できるデータがなければ、将来の交通計画について情報に基づいて判断することは大きな課題となる。
配送される貨物の量や種類など、貨物輸送に関する課題についてのデータが不足していると、都市物流の計画や管理、さらには貨物輸送をより持続可能な方法へ移行させることが難しくなる。さらに広く見ると、非効率な貨物輸送は、渋滞、汚染、騒音、公共空間の非効率な利用など、都市の重要課題の一因となっている。
都市貨物輸送に関する信頼できるデータがなければ、都市は貨物輸送部門を支援しながら、こうした課題にも対処する政策を策定できない。企業も、現場での業務を最適化しようとする際に大きな障害に直面する。
これは世界的な問題であり、南アフリカの都市も例外ではない。しかし、民間部門と公共部門の組織は、こうした課題への対応に取り組んでいる。2024年初頭、アライアンス・フォー・クライメート・アクション南アフリカは、社会的企業のローカル・サウスが運営するサステナブル・トランスポート・ハブを立ち上げた。WWF南アフリカ、C40シティーズ、ナショナル・ビジネス・イニシアティブが招集する同アライアンスは、南アフリカで2050年までに温室効果ガス排出量ネットゼロの達成を目指す民間部門の関係者と地方政府を結びつけている。
都市物流に関する同アライアンスの直近の会合から生まれた新たな報告書は、グローバルサウスの他の都市にも参考となる、都市貨物輸送データの収集、利用、共有に関する3つの教訓を示している。
1. 適切な問いを立て、必要なデータを集める
問題は単にデータが不足していることではなく、収集したデータを役立つものにすることだ。高精度、つまり解像度の高いデータは、より精密な知見をもたらす一方で、デジタル保存に多額の費用がかかる。研究には確かにこうしたデータが役立つ。例えば、ウィッツ大学の南アフリカの持続可能な道路貨物輸送プロジェクトでは、こうした情報を使って、環境に配慮したゴムで作られたグリーンタイヤと従来型タイヤを比較した。
一方、商用テレマティクスは、トラックや車両群の速度や使用状況などを追跡する情報収集技術で、通常、保存費用がそれほどかからない、より一般的な情報を取得する。しかし、政策やマクロレベルの計画には不十分な場合がある。
ここでの解決策は、データの最終的な目的を明確にすることだ。適切な問いを知ることで、データ収集のプロセスが導かれ、資源をより効率的に配分できる。
2. 解決策の一端は官民連携にある
南アフリカの都市は、データへのアクセスと、その効果的な活用方法の把握という二重の課題に直面している。地元で開発されたGoMetro Bridgeアプリは、さまざまな貨物輸送関係者の動向を追跡し、リアルタイムで大幅な効率化を実現しようとしている。危険物や、ケープタウンの公共インフラを損傷させるトラックの車体サイズに関する情報も、同市の物流改善に役立つだろう。
政府側では、州政府が貨物輸送データの収集を優先し、それをより広く交通システムに統合するために大きな努力を重ねてきた。ケープタウン市も貨物輸送戦略を改定しており、州レベルで収集されたデータの一部を活用できるようになる。そこにはケープタウン港に関する貴重な情報も含まれる。
民間部門のさまざまなプラットフォームや政府機関の間でデータを共有すれば、都市物流に対するより包括的な取り組みにつながり、最終的には計画の改善と、より持続可能な解決策の実現に役立つ。
3. 新しいアイデアの試行がデータを改善し、相乗効果をもたらす
TakealotやWoolworthsなどの大手小売企業は、グローバルサウスで都市物流をより持続可能にする新たな方法に取り組んでいる。両社は、車両群に電気トラックを導入する試験運用を実施した。また、リバース・ロジスティクスを含む新しい配送方法も試している。これは、梱包材などリサイクルに適した資材を配送後に拠点へ戻すことを指す。
両社は、電動三輪車など、ラストマイル配送の代替手段にも投資している。電動三輪車は、例えばMellowvansが提供している。Takealotはさらに、若者の雇用創出に取り組む地元の小規模企業と協力している。この取り組みを通じて、南アフリカの深刻な失業率の改善に貢献したい考えだ。失業率は現在、30%を超えている。
こうした取り組みは、気候目標の前進だけでなく、根深い構造的課題への対処にもつながるため、極めて重要だ。また、Woolworthsが都市物流に関する直近の会合で同アライアンスに伝えたように、騒音公害の軽減や道路安全の向上といった相乗効果もある。
持続可能な都市貨物輸送に向けた協力
グローバルサウスの多くの都市と同様、南アフリカの都市では、これまで交通計画や評価において都市貨物輸送が常に優先されてきたわけではない。他の差し迫った課題と比べて、緊急性が低いと見なされることも多い。しかし、上記のような取り組みや、世界経済フォーラムが現在進めている都市配送などのプロジェクトは、この分野の前進を目指している。
都市貨物輸送の改善は、単独で行う取り組みではない。旅客輸送や関連インフラをめぐる課題は都市貨物輸送と密接に絡み合っており、包括的なアプローチが求められる。このような状況において、都市貨物輸送部門の持続可能性を高めるために必要なデータを集める新たな方法を模索するうえで、自治体と民間部門の協力が極めて重要となる。
