未来の都市の構想は、これまで将来のテクノロジーが持つ可能性を軸に描かれることが多くありました。
しかし、最近の研究は、持続可能性から社会的不平等への取り組みまで、さまざまな課題を考慮することが重要だと示しています。
こうしたプロジェクトは、未来の私たちの暮らしを垣間見せてくれるかもしれません。
未来の都市を思い描くことは、長年にわたり建築家、アーティスト、デザイナーにとっておなじみの営みでした。こうした構想ではテクノロジーが中心となることが多く、社会の問題に整然とした解決策をもたらす、躍動的で止められない力として描かれます。
しかし、最近の私たちの研究から、未来の都市を思い描く方法を大幅に見直し、包括的な技術ビジョンから、環境の持続可能性や社会的不平等への取り組みといった、ほかの優先課題へと焦点を移す必要があることが分かりました。
何を持続でき、何を持続できないのか、都市をどこに築けるのか、どこには築けないのか、また都市の内外をどのように移動するのかといった問いに答える必要があります。
新型コロナウイルスのパンデミックは、この必要性をさらに浮き彫りにしました。私たちが都市について知っていると思っていたことを根底から揺るがし、既存の不平等をいっそう深刻化させ、共に暮らし、働く私たちのあり方に大きな課題をもたらしました。
未来――昨日
建築家で影響力のある都市計画家でもあったウジェーヌ・エナールは、ヨーロッパで「未来の都市」について公に論じた最初の人物といえるでしょう。彼は1910年の講演で、ロンドンの英国王立建築家協会に向けて語りました。その構想は、空中交通など、未来の技術的進歩を予見していました。テクノロジーを優先するこの考え方は、映画でも描かれました。たとえば、フリッツ・ラング監督の1927年の映画『メトロポリス』です。
同様の考え方は、ル・コルビュジエなどの建築家によるプロジェクトにも見られます。たとえば、1924年の「ヴィル・ラドゥーズ(輝く都市)」です。この作品でル・コルビュジエは、対称的で秩序立ち、高度に中央集権化された景観としての都市という概念を展開しました。
技術力を物理的に体現するものとして都市を描くこうしたアプローチは、その後の数多くの都市構想にも見られます。
新たな焦点
しかし、未来を形づくるうえでテクノロジーだけに注目するのではなく、社会的、世界的な視点からも考える必要があります。こうした別のアプローチが、ますます急務となっています。現在と未来の人々に安全で持続可能な世界をもたらすには、「ソリューショニズム」を超えて考えなければなりません。これは、あらゆる問題には技術的な解決策があるという考え方です。
未来の都市を構想し、設計し、実現する方法に見られる明確な変化の一つは、こうしたプロセスに関わる人々に関するものです。その取り組みは、地域のプロジェクトから世界規模のイニシアチブまで多岐にわたります。たとえば、ロンドンのバーキング・アンド・ダゲナムで行われている「Every One Every Day」プロジェクトは、近隣地域の取り組みに誰もが実際に参加できるよう、すべての住民に開かれたものにすることを目指しています。さらに広い規模では、国連ハビタット計画による世界的ビジョン「新アーバン・アジェンダ」が、より包摂的で持続可能な都市化と居住地計画を求めています。
未来の都市では、環境の再生を優先したいと考えるかもしれません。「グリーン・マシン」は、建築家ステファン・マルカによる未来都市のデザインです。移動するオアシスのように動き、環境破壊をさらに進めるのではなく、砂漠を再生します。この未来都市は空気中の水分を凝結させて水を集め、太陽光発電で乾燥地帯を移動します。
通過しながら地面を耕し、水、天然肥料、穀物の種を混ぜたものをまきます。農業用温室や畜産農場が都市の住民を支え、地域の人々にも食料を供給します。収容する必要のある人数に応じて、規模を調整し、同じモデルを展開できます。
気候変動に伴い、海面が大幅に上昇する可能性があります。「ポスト・カーボン・シティ・ステート」は、建築・都市デザイン団体テレフォームによるプロジェクトで、水没したニューヨークを構想しています。緩和策に投資するのではなく、イースト川とハドソン川の氾濫によってマンハッタンの一部を水没させることを提案しています。
新たな都市は、周囲の川の中に再建されます。かつての道路は曲がりくねった居住空間の動脈となり、再生可能エネルギー資源、環境負荷の低い車両、生産性の高い栄養供給区域が組み込まれます。これは、自家用車の保有に偏った現在の傾向を、より環境に配慮した公共交通へと転換するものです。
これら二つのプロジェクトは、技術革新そのものを目的とするのではなく、気候変動の影響への対応を重視しています。
一方、未来の都市では平等を優先することも考えられます。その例が、空間デザイン事務所5th Studioによる「ストゥール・シティ:実現を可能にする国家」です。
これは、イングランド東部のイースト・アングリア地方にあるストゥール川沿いとハリッジ港を中心に構想された、住民6万人の未来都市です。既存の鉄道や港湾インフラを基盤に都市化を進め、その機能を強化します。実現可能で環境負荷の小さい都市を支えるため、廃棄物発電などの取り組みを取り入れ、すべての人が利用できる手頃な価格の住宅などを優先します。
こうした都市を思い描くことは、未来の暮らしをどのようなものにしたいかを理解する助けになります。しかし、より幅広く多様な人々が、未来を構想する機会を得られるようにしなければなりません。そうすれば、私たち自身やほかの生物、そして共有する地球の健康を守るために必要な変化を、より適切に考え直せるでしょう。明日の世界を描くビジョンにはこのような意義があり、だからこそ今日、新たなビジョンを生み出す必要があるのです。

