都市交通の改善の鍵は協力にある――アムステルダムに聞く

A man rides his bike in a bicycle shed near Central Station Amsterdam January 17, 2007.
A cyclist rides past Amsterdam's Central StationImage: REUTERS/Koen van Weel
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  • 新たなモビリティ形態への移行が、世界各地の都市で現状に変革を迫っています。

  • 都市のモビリティシステムを再構築するには、協力と率直な対話が鍵となります。アムステルダム市はそのことを実感しました。

  • 同市は世界経済フォーラムと協力し、「都市のモビリティシステム変革のためのガイドライン」と題する新たな報告書をまとめました。

人類は常に、人や物を移動させる方法を工夫してきました。世界を航行する船から列車、自動車、飛行機まで、追求されてきたのは、より速く、快適で、安価な移動手段です。

この10年で、持続可能性と、とりわけ都市における公共空間の利用という二つの観点が、重要性を増してきました。こうした視点の広がりと並行して、技術の進歩により、モビリティにはいくつもの変化が生じています。今日では旧来のシステムと新たなシステムが共存し、モビリティ管理の現状に変革を迫っています。

公共空間を見直す

アムステルダムは自転車の街として知られています。市内には約85万台の自転車があり、住民一人につきおよそ1台に当たります。そう考えると、2017年に自転車シェアリング企業がアムステルダムでサービスを始めたのも、意外ではないでしょう。その後まもなく、さらに2社が参入しました。しかし、市はすでに混雑する自転車専用レーンや限られた駐輪スペースへの対応に追われており、多くの住民がすでに自転車を所有していたため、こうしたシェアサイクルサービスは広く普及しませんでした。

公共空間の利用のバランスを取り戻すため、市は規制を見直す間、自転車シェアリングサービスを市内の道路から撤去する暫定ルールを施行しました。将来、他のサービスも道路を共有するようになると予想し、それに備えて政策を改める必要がありました。交通システムと公共空間を見直した後、シェア型のモビリティ形態を規制する新たな政策を導入しました。対象には自動車、自転車、電動キックボードなどがあります。現在、国の法律では電動キックボードは認められていませんが、今後認められる場合に備え、アムステルダムの条例では、キックボードを特定の駐車場所を設けない形で運用することをすでに禁じています。他の都市で、利用者が駐車場所を定めずに電動キックボードを運用・駐車している状況を踏まえた予防措置です。

今日のアムステルダムでは、さまざまなモビリティ企業(自動車、自転車、電動キックボード、ドローンなど)や、利用者に多様な移動手段を提供するシェア型プラットフォームが見られます。都市として、イノベーションがモビリティの現状を変える可能性に期待しており、この移行期を通じてアムステルダムの道路、水路、空域を管理する責任が市にあると考えています。市内の公共空間で何が起きているのか、誰が交通サービスを運営しているのか、モビリティが市内をどのように流れているのかを把握することが重要です。また、市内でモビリティサービスを運営する企業についてよく知り、その目標を理解することもアムステルダム市の役割です。強固な関係を築くことが、利用者にふさわしいサービスを提供する鍵となります。

ソーシャル憲章

新旧の企業やプラットフォームが、持続可能性の向上、労働者の労働環境改善、関連データの共有に取り組んでいることが分かります。こうした取り組みを通じて初めて、アムステルダム市民が公共空間への影響を最小限に抑え、持続可能な、より優れたモビリティの選択肢を利用できるようになります。

アムステルダムのモビリティシステム全体の安全性、持続可能性、公平性を高めるため、アムステルダム市とUberはソーシャル憲章を共同で策定し、支持しました。これは2019年7月のことです。この憲章は、Uberタスクフォースの成果です。同タスクフォースは、Uberのドライバーが関係する事故がアムステルダム地域で相次いだことを受け、その年の初めに設置されました。この憲章では、交通安全、独立した調査、データ共有、持続可能性について合意に達しました。憲章の施行から6か月後、私たちは憲章の各要素に関する新たな知見やモビリティのイノベーションについて、Uberと定期的に率直な対話を続けています。

国際的な連携

アムステルダムが直面する課題は、スマートモビリティサービスの提供を競う他の都市の課題と似ています。私たちは皆、魅力的で、暮らしやすく、つながりのある都市を目指しています。こうした共通の目標を達成するには、国際的なレベルで、また企業とともに、実践例を共有することが最も効果的です。世界経済フォーラムの新たな「都市のモビリティシステム変革のためのガイドライン」の策定に協力するなかで、企業と都市の間で率直なコミュニケーションが行われると、新たな理解が生まれることを学びました。このガイドラインは、都市でモビリティサービスを提供する企業との連携の共通基盤となります。

ガイドラインの策定に取り組むなかで、企業も私たちと同じように妥協点を見つける意欲があると分かりました。議論を通じて、多くの点で双方が、利用者向けのモビリティサービスを改善するという共通のビジョンを共有していることも分かりました。ただし、その実現方法の詳細については議論の余地がありました。アムステルダムにとって次の段階は、このガイドラインを日々の交通管理に適用することです。

未来に向けた公正な取り組み:アムステルダムの利用規約

2018年、アムステルダムはシェアサイクルの利用に関する公共空間の規制を設けました。2019年にはUberとソーシャル憲章を締結し、「都市のモビリティシステム変革のためのガイドライン」の策定にも参加しました。モビリティ革命が周囲で進むなか、私たちはそれを、将来の都市のスマートモビリティのニーズを先取りする機会と捉えています。多様なモビリティサービス(相乗りタクシー、自転車、自動車、電動キックボード、そして近い将来には自動運転ミニバン)の拡大に伴い、都市と企業が物理空間とデジタル空間の両方で協働するための具体的な利用規約が必要です。

企業、知識機関、他の都市、政府、地域社会とともに、市内のモビリティサービス事業者を規制する「アムステルダムの利用規約」の策定を進めています。まず、現行の規制と政策上の空白をすべて整理するマニフェストを作成します。これらは交通手段によって異なることが少なくありません。この利用規約により、複数の関係者が順守する、包括的な規制を整備できます。この枠組みのもとで公共空間の利用を整え、多様なモビリティ形態の組み合わせを促進します。

私たちと同じように課題を感じているさまざまな企業やシェア型モビリティプラットフォームと、アムステルダムのモビリティの未来をともに形づくるため、話し合いを進めています。利用規約から得られる知見は、市内全域のモビリティ管理や相互運用性に向けた協力に役立ちます。

通勤、通学、社交の場への移動に際し、地域の人々が複数の交通手段から選べるようにしたいと考えています。そうしたサービスは安全で、持続可能かつ公平であることが重要です。利用者の体験を向上させるため、信頼を育み、データ共有、労働者の能力向上、持続可能性の促進に向けた取り組みを確立する必要があります。

ライセンスと再掲載について
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