4つの驚くべきスマート技術が、病気の診断のあり方を変える
進化する診断技術は、多くの人にとって身近なものになりつつあります。 Image: Unsplash/nci
- 進むハイテク化により、医療診断の市場は急成長しています。
- コンタクトレンズ、ショッピングカート、トイレなどに内蔵された最新技術が、病気の早期発見を助けると期待されています。
- 世界経済フォーラムの報告書は、治療やケアへの公平なアクセスを確保するためには、診断が重要になることを強調しています。
「予防は治療に勝る」という言葉は、医療に関して使われる時に最も重要な意味を持ちます。
病気のより早期発見を助ける医療技術の導入が世界中で進み、診断市場が成長するにつれ、この言葉は現実のものとなってきています。早期発見により、迅速に危険因子が特定されれば、より的を絞った治療を受けることができます。
こうした技術の利用は、病院や医療現場を超えて広がりを見せています。
一般に普及しつつある持続的グルコース・モニタリングはその一例で、血糖値を追跡するウェアラブルデバイスが、糖尿病患者の生活を助けています。しかし、この腕に装着するモニターは、他の診断技術に比べれば、平凡なものに感じるかもしれません。
1. 症状をより早く察知する、スマート・コンタクトレンズ
スタンフォード大学と浦項工科大学の研究者は、グルコースの量を連続測定することができるスマート・コンタクトレンズを開発しました。このレンズは、レンズを形成するポリマーハイドロゲルに埋め込まれたナノ粒子を使い、目を傷つけることなく血糖値の推移をモニターします。涙と血液中のグルコースの量を直接相関させることができ、糖度計のような別の医療機器を必要としません。
2. 体液からのサインを読む、スマートトイレ
体液は、私たちの健康状態について多くのことを知らせてくれます。それを継続的にモニタリングすることは、健康状態がよくない時の兆候を見極め、疾患の有無や進行状態を示す目安となるバイオメーカーを検出するのに役立ちます。
将来的に、「スマートトイレ」がサンプルを収集し、データをフィードバックしてくれるようになる日が来れば、大腸がんや泌尿器系がんなどの病気の兆候により早く気づくことができるようになるでしょう。特に、過敏性腸症候群、前立腺がん、腎不全などの遺伝的素因を持つ人には大きな助けとなるかもしれません。
世界経済フォーラムは「グローバルヘルス&ヘルスケア戦略展望」の中で、在宅診断が拡大傾向にあることを明らかにしています。また、治療やケアへの公平なアクセスを確保するための診断の重要性も強調しています。
3. パーキンソン病を検知する、スマートウォッチ
スマートウォッチ市場の成長により、研究者たちは、日々の生活習慣、心拍数、運動習慣などに関する豊富な情報を得ることができるようになりました。
カーディフ大学の研究者たちは、ウェアラブルデバイスが生成するデータを、パーキンソン病の検出に役立てることができるとしています。震えや動作緩などの運動症状を引き起こすパーキンソン病は、こうした目に見える症状が現れる何年も前から、体の中で静かな変化を起こしている場合がありますが、早期診断が難しいとされています。
しかし、スマートウォッチの加速度センサーが収集するデータをAI(人工知能)解析することで、科学者たちは、初期段階にある患者を含むパーキンソン病患者と、そうでない人々を区別することができます。
4. 健康状態をチェックする、ショッピングカートセンサー
心房が細かく動いてけいれんし、不整脈を起こす心房細動は、脳卒中のリスクを高めることで知られていますが、早期に発見されれば、治療の選択肢が広がります。
英国の研究者たちは、スーパーのショッピングカートの持ち手部分に心電図センサーを内蔵し、脳卒中になるリスクがある人を診断する試験を行いました。2,000人以上の成人の参加者が、ショッピングカートのハンドルバーを60秒以上握っている間に、心電図センサーがそれぞれの心拍リズムを評価。心房細動を持っていることを把握していなかった参加者の中には、今回の試験でその疑いがあることが検出され、その後の精密検査の案内を受けた人もいました。
この独創的なアプローチは、さらなる改良が必要ですが、研究者たちは、症例のより早期発見に貢献することができることを実証しました。
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