水に溶けてごみを無くすピールオフボトルの正体は?
飲んだらむいて、さようなら。水に溶けてごみを無くすピールオフボトル Image: Unsplash/Ameer Basheer
コンポストでは、微生物が生ごみを分解する。私たち人間もごみの分解に関われたら、面白そうだ。
スウェーデンのデザインスタジオTomorrow Machineと、ドイツ・フランスで誕生したヨーロッパ最大のフルーツ飲料メーカーEckes-Graniniは、ジュースを飲み終わったあと、果物の皮のように手でむけるボトルを作っている。
私たちもごみの分解を促進できることが、分かりやすく可視化されたデザインだ。
ボトルは、「GoneShells」という生分解性の素材でできている。透明で柔らかい素材の正体はじゃがいもだ。ボトルをむき終わったら、それを食べたり、堆肥化したり、水に溶かしたりできる。ごみを減らすことが、少し楽しくなりそうだ。
ボトルは、野菜や果物といった自然のものが、皮で身を守っていることに着想を得て作られたという。食品パッケージを作る際に、実際の食品から学んでいる点が面白い。
水に溶けるボトルにジュースを入れられることを、不思議に感じる人もいるだろう。Tomorrow Machineによると、ボトルの外側と内側に特殊なコーティングを施しているため、ボトルをむくなどしない限り分解は起きないという。
2023年2月時点で、ボトルはまだ開発段階にあり、その寿命について分からない部分はあるが、ペットボトルと同じように中のジュースを守れると考えられている。ボトルが溶けて、机がジュースまみれになることはなさそうなので安心だ。
約10年前から、食べられるパッケージを開発してきたTomorrow Machine。プロトタイプを作っても、素材のコストが高いといった理由で、生産に至らなかったこともあるという。そこでGoneShellsは、食品メーカーが使いやすいように、コストを抑えて作ることを意識しているそうだ。
飲み終わったペットボトルなどを、決められた曜日にごみに出すことが、少し疲れるときもあるだろう。Tomorrow Machineのボトルは、ごみの処分にワクワク感を添えてくれそうだ。
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Naoko Tochibayashi and Mizuho Ota
2024年12月13日