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多くのSDGsが食料に関連:食生活を変えることで、環境負荷の低減が可能に

Food production is among the largest contributors to climate change.

食料生産は、気候変動の最大の原因の一つです。 Image: Alex Hudson on Unsplash

Arlin Wasserman
Founder and Managing Director, Changing Tastes
本稿は、以下会合の一部です。持続可能な開発インパクト・サミット
  • 17の持続可能な開発目標を見ると、「飢餓をゼロに」(SDGs目標2)や「すべての人に健康と福祉を」(SDGs目標3)など、多くの目標で食料が中心になっていることがわかります。
  • 7億人が食料不安に苦しみ、貧しい食生活が早死にを引き起こす一方で、食料生産は生息環境や生物多様性が失われる、主な原因となっているのです。
  • この状況を改善するために簡単にできることが幾つかあります。例えば、一食あたりの肉の摂取量を減らすこと、食料の産地を知ること、水産物を多く食べることです。

この一年、新型コロナウイルスの感染拡大から気候変動まで、様々な問題に苦闘した結果、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の多くの目標で成果が後退しました。

世界経済フォーラムの持続可能な開発インパクト・サミット2021国連の食料システムサミットが近づく中、食料問題に進展がないまま、これ以上の変化や成功を期待することはできなくなっています。

17の持続可能な開発目標を見ると、多くの目標において食料に関することが定められていることがわかります。

  • 飢餓をゼロに(SDGs目標2)
  • すべての人に健康と福祉を(SDGs目標3)
  • つくる責任つかう責任(SDGs目標12)
  • 陸の豊かさも守ろう(SDGs目標15)は、持続可能な農業を含みます
  • 海の豊かさを守ろう(SDGs目標14)は、水産物に焦点が当てられています

食料が私たちの健康に重要な役割を果たすことを示す新たな研究が、次々と発表されています。これが事実であることを分かっていてもなお、私たちは自分自身や地球のウェルビーイング(幸福)に影響を与える、不適切な食料の選択を続けています。新型コロナウイルスの感染拡大とは関係なく、約7億の人々が食料不安に苦しんでおり、不適切な食事の選択が慢性疾患や早死にの主な原因の一つになっています。

食料生産は、世界で最も土地と水資源を使用しており、生息環境や生物多様性の喪失の主な原因にもなっていることは、多くの主要な報告書で繰り返し示されています。食料生産は気候変動の最大要因の一つとなっていますが、数字の処理方法によっては、最大の原因になるかもしれません。

環境保護活動家にとって、アマゾンの熱帯雨林でさえも地球上の炭素吸収源から排出源へと変化している可能性があるというのは、衝撃的なニュースです。食料生産のための森林伐採によって、世界最大級の手つかずの熱帯雨林がまたひとつ減少し、姿を変えてしまいました。

食や健康を第一に考えている人々にとっても、同じく衝撃的なことでしょう。世界で最も健康的な食事法、もしくは少なくとも最も研究されている食事法が、気候変動の影響によるリスクにさらされています。オリーブやオリーブオイル、ナッツを食べることで健康上のメリットをほぼすべて得ることができる地中海式食事法、地中海沿岸の5つの地域でしか育たない作物に依存しています。そのすべての地域が深刻な干ばつや、それ以上の深刻な事態に見舞われており、火災が発生している地域もあります。これらの樹木は一度水分を失うと、収穫量が減り、地中海食に欠かせない食材が入手しづらくなるため、価格が高騰します。

SDGsの多くの目標において食料が重要視されていることから、食料は私たちの健康と地球の健康をつなぐ媒体だということが分かります。そして、料理と食事も、私たちを互いに結びつけています。

だからこそ、私は自分のキャリアの大半において、「食」を媒体として人とビジネスを結びつけ、グローバルな課題に取り組んできました。「食」は、世界で最も差し迫った幾つかの問題に、共通認識から取り組む出発点となり得ます。つまり、私たち誰もが食事をするので、自分自身や家族、地域社会に現在そして未来にわたって「食」を提供するという共通目標を持っているのです。しかしながら、世界的な気候危機、異常気象、生物多様性の喪失などに関する最近のニュースの動向を見ると、その確実性は私たち望むよりも幾分低くなっています。

幸いなことに、一人で食事をする人、家族のために料理をする人、または毎日何百万の人々に料理を提供する飲食業であっても、この状況を改善するために簡単に取り組めるこが幾つかあります。そのうち3つの解決策を紹介します。

1. 一食あたりの肉の摂取量を少し減らすこと
これは、新しいレシピを試したり、新しい料理を注文したりするのと同じくらい簡単です。より良い肉の切り身や、伝統的な品種、あるいは放牧して牧草を食べさせた肉など、より高品質でより少量のものにお金を使うことです。困ったときには、玉ねぎをローストしたり、オオバコをソテーしたり、ハーブやひとつまみのスパイスを加えたり、新しいソースを試したりするのもよいでしょう。

2. 食材の由来を意識すること
食材そのものだけでなく、それぞれの食材がどこから来たのかにも注意してください。森林破壊によってその食材の生産が可能になっている地域、労働条件があなたの基準を満たしていない地域、または干ばつに見舞われ、地下水を枯渇させる集中的な機械灌漑に頼っている地域は避けてください。市場のシグナルは、何を栽培するか、栽培者をどのように扱うかについて、より良い選択に導いてくれます。

3. 水産物をより多く摂取すること
海や表層水で育った食材は、環境負荷がはるかに少なく、水の使用量も少なく、健康面でも多くの利点があります。水産物業界や持続可能な水産物運動によって、水産物を選択することが複雑になっています。それでもその指針に最後まで目を通し、冷凍や缶詰の水産物が、鶏肉やハンバーガーと同様においしい食材であることや、最高なことに最も美味しい炭素隔離の形態であるということを忘れてはいけません。

これらの選択はささやかに見えるかもしれませんが、食料問題に取り組む魔法のようなものです。一皿ずつの小さな変化が、一日に数十億回も行われることで積み重なっていきます。

持続可能な開発インパクト・サミット2021や国連食料システムサミットを通じて、共同し意図的に「食」に焦点を当てることは、より持続可能な未来のために有意義な貢献をもたらします。

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