気温40度のアブダビで野菜を栽培する方法
賢く仕切る。マスダールで積載可能なスチール菜園が砂漠での農業の未来に。 Image: ロイター/ Dinuka Liyanawatte
40度になることもある古びた輸送用コンテナで、昼食に使う食材を育てることができるでしょか。
アブダビでは、古い輸送量コンテナと水耕栽培の最新技術を組み合わせ、この地域が直面する厳しい気候を克服し、地元食品の生産拡大を目指しています。
世界的に食糧安全期保障の課題の重要度が上がっています。アラブ首長国連邦では気温が上昇し、降水量が減少。特に気候変動の影響が実感できます。輸送コンテナの中に垂直農法の設備を作ることで、農業自給率を上げ、食糧の輸送費を削減しています。
アブダビで都市開発プロジェクトが進むマスダールのマダール農場では水彩栽培システムを使い、伝統的な農場よりも少ない水量でレタスやバーブ、ブロッコリーを栽培しています。このプロジェクトは、アブダビ・サステナブル・ウィークで紹介される予定です。
植物が管理されたコンテナの中で、栄養豊富な水から養分を吸って育つため、農薬が必要ありません。太陽光を模した濃い赤と青のLED照明を昼と夜のサイクルに合わせつけたり消したりします。
輸送コンテナを使った農法ではこれまでのやり方と比べて使う水の量を95%減らすことができると開発者は考えています。長さ12.2メートル、幅2.4メートルのコンテナは積み重ねることができ、耐久性が高く、変形させることも簡単にできます。アメリカのクロップボックスと似た発想で、どこでも使える方法です。
こうした方法がエネルギー依存をもたらすとして問題提起もされています。また、エコシステムの破壊や受粉媒介する虫や鳥、動物たちを脅かすという意見もあります。
慎重論はあるものの、タワーを作り、その中で食糧を育て、保管する垂直農法は持続可能な農業の未来に不可欠と考えられています。
グローバルマーケットインサイトは、2017年に25億ドルだった垂直農法市場が2024年までに139億ドルまで成長すると予想 しています。
2050年までに全世界の人口は98億人まで増加するとみられており、現在の供給量より70%多くの食糧が必要になると考えられています。そうした背景を受け、フューチャー・オブ・フードが世界経済フォーラムの主要イニシアティブとなっています。変化に対応していくためにリーダーシップとのベーション、協調的行動が求められています。
このイニシアチブによると「現在の食糧システムでは、栄養のある食糧を環境的持続可能な方法で供給できていません」、「そして、今の食糧生産、輸送、加工、廃棄処理のやり方では環境資源を将来的に枯渇させる危険性があるのです」。
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