白書
フラグメンテーションから連携へ: 国境を越えたデータ流通のための 制度的メカニズムの創設に向けて
グローバルなデジタル・トランスフォーメーション(DX)により、市場や人々の距離が縮まっている。海外旅行からオンラインショッピング、国境を越えた決済に至るまで、いまや我々の生活はデータの自由な流通なしに存在し得ない。
グローバルなデジタル・トランスフォーメーション(DX)により、市場や人々の距離が縮まっている。海外旅行からオンラインショッピング、国境を越えた決済に至るまで、いまや我々の生活はデータの自由な流通なしに存在し得ない。
しかし、データ流通に関する規制は各国によって大きく異なるため、フラグメンテーション(断片化)による問題など自由な流通に対する障害も顕在化している。「信頼性のある自由なデータ流通 (DFFT)」という概念は、プライバシーやセキュリティといった課題に対し、国境を越えるデータ流通を阻害することなく、様々なステークホルダーの連携により対応できるという考えに基づく。近年、DFFT実現に向けては重要な進展が見られるが、効果的で信頼できる国際協力のメカニズムがあれば、さらなる進展が期待されるであろう。
本白書は、規制の断片化がもたらす問題点を特定し、相互運用性を高めるための連携を強化するため、常設の事務局を設置し、G7各国をはじめ、民間企業、アカデミア、市民社会などのステークホルダー代表が参加し、継続的に課題に取り組むメカニズムを設立することを提唱する。
この新しいメカニズムは、短期的な個別の課題の解決にとどまらず、DFFTを具体化するための長期的な取り組みに資するものとなるであろう。