新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、組織や個人単独では、世界が抱える経済、環境、社会、技術面の複雑かつ相互依存的な難題に対処しきれないことを明らかにしました。パンデミックそのものが、世界を一変させるわけではありませんが、パンデミック以前から顕在化していたシステミックな変化を加速させたことは間違いありません。2020年に明らかになったフォルトライン(断層線)は、2021年における重要な岐路でもあります。優先順位をリセットする必要性とシステム改革の緊急性が世界中で高まる中、信頼を再構築し、重大な選択をすべき時が迫っているのです。
「ダボス・アジェンダ」は、世界が試される新たな状況下に必要とされる、原則、政策、パートナーシップを形成するため、世界のリーダーたちがパイオニア的に結集する場となります。世界経済フォーラムは50年以上にわたり、毎年年初にビジネス、政府、国際機関、市民社会、アカデミアのリーダーが集う、重要課題に取り組むための信頼のおけるプラットホームとしての役割を果たしてきました。2021年は早い時期に、あらゆる分野のリーダーが、より包摂的かつ結束力のある持続可能な未来の実現に向けて、まずはバーチャルで連携することが不可欠です。
この一週間にわたるグローバルなプログラムは、パンデミックを食い止め、年間を通じて力強い回復を実現する上で、リーダーたちが革新的かつ大胆な解決策を選択するサポートとなるでしょう。
「ダボス・アジェンダ」は、世界経済フォーラムのグレート・リセット・イニシアティブの立ち上げを記念し、春の特別年次総会に向けた準備を開始するものでもあります。プログラムは、特別演説、リーダーシップ・パネル、インパクト・セッションを通して、グレート・リセット・イニシアティブの5つのテーマを、各日1つずつ焦点を当てます。
1月25日(月)結束力のある、持続可能でレジリエントな経済システムのデザイン
1月26日(火)責任ある産業の変革と成長の推進
1月27日(水)グローバル・コモンズのスチュワードシップの強化
1月28日(木)第四次産業革命におけるテクノロジーの利活用
1月29日(金)グローバルおよび地域の協力体制の強化
「ダボス・アジェンダ」は、地球市民と2,500万人を超える世界経済フォーラムのソーシャルメディアのフォロワーに、これからの一年を形作る重要な課題に関する情報を提供することも目的としています。また、150か国430都市以上がホストする、対話、行動、変革を促す若者のネットワークであるグローバル・シェイパーズとともに、議論を展開します。また、世界経済フォーラムの双方向型デジタル・プラットフォームであるTopLinkの2万人以上のメンバーと、世界をリードするナレッジアプリ、ストラテジック・インテリジェンスの40万を超える登録会員も、期間中のプログラムにオンラインで参加します。
尚、ライブ・セッションは毎日、午前8時から午後7時(中央ヨーロッパ時間/CET)に配信します。
「ダボス・アジェンダ」のハイライト
G20の国家元首および政府首脳、国際機関のトップが、世界情勢について特別演説を行い、また世界のビジネスリーダー達との対話に参加します。
リーダーシップ・パネルでは、産業界のリーダーとパブリックフィギュアが、新型コロナウイルスワクチン、雇用創出、気候変動など、重要課題へ対処する上で欠かすことのできない官民連携の促進・加速について議論します。
インパクト・セッションでは、インターナショナル・ビジネス・カウンシルなど、世界経済フォーラムの中核となるコミュニティが、グローバル、地域、産業界のイニシアチブから得た洞察と提言を共有します。