世界経済フォーラムは、過去4年間にわたり、政府、企業、新興企業、市民社会を結集し、第四次産業革命センター(C4IR)ネットワークを構築し、地方、国、地域レベルで、テクノロジーと政策のギャップを解消するために、アジャイルで人間中心のパイロットプロジェクトを開発、実施、拡大してきました。
サンフランシスコに本部を置くこのネットワークは、日本のほか、アゼルバイジャン、ブラジル、コロンビア、インド、イスラエル、カザフスタン、ルワンダ、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、アラブ首長国連邦に拠点を置き、ノルウェーには海洋をテーマにしたセンターを開設しています。
実践・実装へ
2021年4月、日本がホストとなり開催したグローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミット(GTGS)には、世界のリーダーが集結し、パンデミックにより喫緊となった課題解決への社会的合意を強力に推進し、グローバルなアジェンダ・セッティングの観点から成功を収めました。
いよいよ、本格的に「実践・実装」に踏み込みます。コンセプトを実践するユースケースの実証を推進しなければ、ルールづくりの現場は前に進みません。私の経験上、大きな変化ほど時間がかかりますし、理想論が過ぎると現場はついてこず、現場に合わせすぎると実装は進まない難しさがつきものです。我々の、多様な企業・省庁が参画する官民連携プラットフォームという特徴、グローバルなポジショニングは、この難しい矛盾対立を止揚し、ブレイクスルーできる大きな可能性を秘めています。
「実践・実装」と言葉で言うのは簡単ですが、現実のものにするのは並大抵の力ではできず、より高次の「官民連携」が必要となります。これまで以上に団結を高め、前に進みたいと思います。
世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター長
山室芳剛